ブックキュレーター本のフェス実行委員 U
本を通じて出会った「詩・演劇・感性」の世界
情報を得る本の読み方ではなく、「わかりにくいものを右脳で鑑賞する読書」「訳のわからない文章を読み解こうとする読書」をしたい方に向けて紹介します。何度も何度も読み返して、「あーでもないこーでもない」と頭をひねったり、「よくわからないけどグッとくる!」と感じたり。筆者と自分の感性との対話が、なぜか癒しにつながる気がします。
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ゴドーを待ちながら
サミュエル・ベケット(著) , 安堂 信也(訳) , 高橋 康也(訳)
演劇の世界では有名な名作。複数の劇団で解釈され、いまも意味を再構築され続けている不朽の不条理劇です。この本を読んで、ぜひ演劇作品で味わってみていただきたいです。作者サミュエル・ベケットはノーベル文学賞受賞の劇作家・小説家。
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あらゆるものの名前を歌いながら、世界を創造していったオーストラリアのアボリジニの人々との出会いを記した紀行文。文化人類学のような、数々の格言が収録されているパスカルの『パンセ』のような・・・1回読んでみたけれどまだ全然わからない、わからないけれど惹かれる。なにか真理に近づけそうな本です。
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星座から見た地球
福永 信(著)
主人公が数えきれないほどたくさんいます。幼稚園児なのか、それより小さいかもしれません。小さなおはなしや感情の断片が切り取られて、瞬いて、そのまま本に編み込まれているようです。ストーリーや脈絡を読むのではなく、無数の人格と時間をそのままの感性で読んでみてください。
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石原吉郎詩文集
石原 吉郎(著)
著者は第二次世界大戦の敗戦後、30歳でシベリアに抑留され、8年間にわたって強制労働に従事しました。その過酷な労働、同じ日本人同士でも食べ物を監視し合うほどの飢餓、失語症寸前を体験した筆者が帰国後に綴る言葉や詩は、とても重く響きます。ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を読んだ方にオススメです。
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夜露死苦現代詩
都築 響一(著)
寝たきり老人の独語、死刑囚の俳句、エロサイトのコピー、暴走族の特攻服、エミネムから相田みつをまで、詩人とは一生呼ばれない人たちの言葉を「詩」と捉えて読んでみると、こんなにも面白い!いやぁ、よくぞ彼らのことばを切り取ってくれました!複数人でも楽しく読める一冊です。
ブックキュレーター
本のフェス実行委員 U本をいちばん読んだのは小学生のころ。海外のおはなしが好きで、特にアーサー王伝説やミヒャエル・エンデ、ハリーポッターなどを読んでいました。趣味はアラビア語と、演劇の音楽効果音制作です。本のフェス2019では、毘沙門天善国寺と時代猫フェスを担当しています。https://honnofes.com/
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