ブックキュレーター生物学者 渡辺佑基
時間を越え、世界を俯瞰して法則性を見つける「どでかいスケールの科学本」
研究者が自分の専門分野を超えて大きな絵図を描くのは、難しいし勇気がいります。それでもなお、論文には書けない大雑把で面白くて夢のある大きな話(それでいてちゃんと科学的な話)をいつかは思い切り広げてやろうと、多くの研究者は野望を燃やしているものです。宇宙全部、生物全部、人類の歴史全部を扱うような壮大なテーマの本を集めました。
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宇宙はどのようにできていて、どのように始まり、これからどうなるのか。古代ギリシア人の宇宙認識からアインシュタイン、それからビッグバン・モデルまで、人類が宇宙の成立ちを理解しようとしてきた歴史を振り返ります。こんなすごい本、どうしたら書けるのだろう?
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マヤ文明、イースター島、グリーンランドのノルウェー人コミュニティ。かつて繁栄しながら今は滅びてしまった文明の例を世界中から探し出し、崩壊に至った共通のパターンを探ります。時を越え、空間を越えて世界を四次元的に見渡せるのはダイアモンド博士しかいない気がします。
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一言で気候変動といったって、そこには広大無辺な科学の世界が広がっています。周期的な気候の変化を生み出す宇宙物理学的なからくり。海洋の大循環。それから何千年前、何万年前の気候を知ろうとする様々な試み。そんなこんなを全部網羅した贅沢な本です。著者の大河内さんに訊きたいのですが、専門は何ですか?
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ミジンコからティラノサウルスまで、多様な生物の生き方を決める「ただ一つの法則」とは何でしょう。そして地球はなぜ、これほど多様な生物で満ち溢れているのでしょうか。そんな壮大な疑問に対し、世界各地のフィールドワークを通して、生物の体温という切り口から答えを探します。
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春の雪 改版
三島 由紀夫(著)
人間にとって時間とは何か、年を取るとはどういうことかを描く壮大な「科学本」。自然の仕組みを明らかにするのが科学なら、人間の仕組みを明らかにするのが小説なのだと、このシリーズを読むと強く思います。それにしても年を取るって、ここまで残酷なことなのですね。
ブックキュレーター
生物学者 渡辺佑基1978年岐阜県生まれ。国立極地研究所准教授。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。野生動物に小型の記録計を取り付けるバイオロギングという手法を使って魚類、海鳥、海生哺乳類の生態を調べている。東京大学総長賞、山崎賞、若手科学者賞。『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』(河出書房新社)で毎日出版文化賞。けん玉1級。
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