ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
記憶のかけら―時のむこう側へ誘う絵本
ふとした瞬間に、自分の心奥にかくされていた記憶の断片が、まるで待ち伏せのように鮮やかによみがえることがあります。かつて見た風景や出会った人々、忘れかけていた思い─。自分が歩んできた道を少しふり返ってみたいすべての大人へ─でもこれからの人生を歩む子どもにも、鮮烈な印象を与えるであろう5冊の絵本を選びました。
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![ロングナイト](https://img.honto.jp/item/2/184/250/02777714_1.png)
![リトル・レトロ・トラム](https://img.honto.jp/item/2/184/250/02951515_1.png)
![三つの金の鍵 魔法のプラハ](https://img.honto.jp/item/2/184/250/02538867_1.png)
![こどものころにみた空は](https://img.honto.jp/item/2/184/250/02086891_1.png)
![あけるな](https://img.honto.jp/item/2/184/250/03326236_1.png)
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ロングナイト
黒井 健(画・文)
「あれは本当にあったことだろうか?」夜の街を彷徨いながら少しずつよみがえってくる、忘れかけていた記憶。語り手の男の目に映るのは、レストランやバーの一角、ホテルの一室、街灯に照らされた夜の小径―。絵本『手ぶくろを買いに』などで有名な黒井健氏による幻想的なイラストが魅力の、大人のための現代絵本。
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リトル・レトロ・トラム
天沼 春樹(作) , 北見 葉胡(絵)
1年に4度、広場の時計の二つの針が重なるとやってくる不思議な路面電車、リトル・レトロ・トラム。それに乗った一人の少女が巡る季節の中で出会う不思議な、でもどこか懐かしさも感じさせる町の風景や人たち・・・。現実と空想が入り混じったような不思議なストーリーを彩る、ファンタジックなイラストが魅力の一冊。
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三つの金の鍵 魔法のプラハ
ピーター・シス(作) , 柴田 元幸(訳)
「闇と夢の絵本作家」と名高いピーター・シスによる、故郷であるチェコのプラハを題材にした珠玉の絵本。不思議な黒猫に案内されてプラハを巡る少年が出会うのは、そこに生きた無数の人々の記憶や知られざる3つの伝説。そして忘れかけていた思い出─。自分もプラハの石畳を歩いているような感覚に陥る、不思議な絵本です。
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こどものころにみた空は
工藤 直子(詩) , 松本 大洋(絵)
『「こどものじかん」というのは、「人間」の時間をはるかに超えてひろがっているようにおもう─。』誰もが子ども時代に持っていたであろう「世界を見る目」や、独特な時間感覚を表現した詩の数々。作者・工藤直子氏の実子である漫画家の松本大洋(代表作『ピンポン』、『鉄コン筋クリート』等)氏のイラストも印象的な詩集。
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あけるな
谷川 俊太郎(作) , 安野 光雅(絵)
「あけるな」と書いてある、謎の扉。意を決して開けた扉のむこう側にあったのは?静寂に包まれた森、鮮やかなビー玉、夕焼け、こちらに背を向ける一人の男、そして・・・。読む人の深層心理を刺激するかのような異色の絵本。淋しさ、恐怖、安心感、懐かしさなどさまざまな感情を呼び起こして鮮烈な印象を残します。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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