ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
これが世界レベル!世界が認めた日本発の絵本作家たち
「児童文学のノーベル賞」と呼ばれる国際アンデルセン賞。2019年2月現在、その「画家賞」を受賞した日本人は、絵本作家の赤羽末吉氏と安野光雅氏の2人のみ。絵本表現の可能性を追究し続け、細部に至るまでこだわり抜いた2人の作品の数々は、もはや芸術の域にまで達しています。世界が認めた2人のアーティストの作品をお楽しみください!
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2019年3月20日)の情報に基づいております。
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つるにょうぼう
矢川 澄子(再話) , 赤羽 末吉(画)
昔話『鶴の恩返し』が題材。赤羽氏は依頼を受けてから東北の山々や東京の博物館などを徹底して取材し、ページごとにベースとなる和紙を変えるなど細部に至るまで工夫を重ねました。作成に費やした年月は、何と7年!「子どもにこそ最高のものを」という強い思いが窺えます。鶴が飛び立つラストシーンは息をのむ美しさ。
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きんいろのきつね 「殺生石ものがたり」より
おおかわ えっせい(ぶん) , あかば すえきち(え)
「この妖怪、強すぎる!」と、読んだ子どもたちは誰もが声をあげます。美女に化けて王を惑わし、中国やインドなど大陸各国を荒らし回った妖怪狐が、遣唐使船に乗って日本へ―。栃木県那須野原に伝わる殺生石伝説を絵本化。「史上最強の妖怪」との呼び声高い「九尾の狐」と、関東武士たちとの闘いが劇的に描かれます。
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日本の神話 第1巻 くにのはじまり
赤羽 末吉(絵) , 舟崎 克彦(文)
古代、国造りを果たした「伊邪那美(いざなみ)」は火の神を産んだことで死者の国である黄泉の国へと行ってしまいます。後を追う夫の「伊邪那岐(いざなぎ)」でしたが・・・。綿密な取材と考証で『古事記』の世界を絵本化したシリーズの一冊目。続くシリーズでは「天の岩戸伝説」や「ヤマタノオロチ」などが描かれます。
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ABCの本 へそまがりのアルファベット
安野 光雅(著)
数ある「ことば絵本」の中でも最高傑作の一つ。だまし絵のように描かれた木片のアルファベット文字と、そのアルファベットから始まる言葉の数々。ページの周囲に描かれたフレームの中にもさまざまな言葉が隠されていて、細部までじっくり見たくなります。『Anno's ABC』として海外でも人気。
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天動説の絵本 てんがうごいていたころのはなし
安野 光雅(著)
地球が全宇宙の中心であると信じられていた、中世の様子を描いた絵本。錬金術、ペストの流行と魔女狩り、大航海時代、ガリレオ、コペルニクス・・・。世の中の常識を疑うことで科学が発達してきた歴史の流れを感じられます。装丁も非常に凝っていて、まるで中世の歴史書を紐解いているかのような感覚です。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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