ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
言葉で伝える―内なる思いを言葉にのせて
「自分の思いを伝えよう!」口で言うのは簡単だけど、実際には恥ずかしさもある。思ってもいないことを言ってしまうときもある。「そもそも、思っていることを何でも伝えるのはいいこと?」という迷いもある。そんな、言葉で伝えることの難しさと面白さ、喜びをテーマにした、大人が読んでも意義深い児童書5冊を紹介します。
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ある日1年生のクラスに届いた、「あひる」とだけ書かれた不思議な手紙。その差出人と1年生のみんなによる、心温まる文通が始まります。実際に広島県内の小学校であった実話をもとに作られた、思いを伝えあう喜びにあふれた物語。生き生きした学びがどうすれば可能になるのかという教育的示唆にも満ちています。
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実はこんな物でも手紙になるんです!貝殻や落ち葉、カプセルトイのケースなど、実際に切手を貼って送ることができるアイディアいっぱいの手紙たち。思いを伝えるにはちょっとした工夫も大切。読めばきっと誰かに手紙を送りたくなるはずで、夏休みの自由工作などにもおすすめできます。
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孤児院で育ったジュディは、謎の紳士「あしながおじさん」の援助を受けて大学に通い始め、月に一回学生生活を手紙に書いて送り続けますが・・・。ほぼ全編にわたって2人の手紙のやり取りの文章という、非常に計算された構成。最後に「あしながおじさん」の正体が明らかになるという、実はミステリー小説の趣もあります。
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「女の子のもんだよ。詩なんてさ」学校の授業で詩を書くのをいやがっていたジャックでしたが、様々な詩人の作品に触れるにつれ、自分の想いを言葉にする喜びを感じ始め、やがて今はなき飼い犬への思いを詩にしていきます。全編がそれこそ詩のような短文で構成されていて、主人公の思いが伝わるようで感動を呼びます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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