ブックキュレーターシティグループ マネージング・ディレクター 藤川大策
リーダーになる前に人間を知ろう
多くのリーダー本が出版されています。AIの世界は目前ですが、リーダーは人間です。人間と人間社会の理解がリーダーシップには不可欠です。社会人として生きてきた時間を振り返ると、いろいろな本、音楽、絵画、芸術作品に人間を知るヒントがありました。人間の闇から光までを鋭く観察した名著からリーダーシップのヒントを得てください。
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いきなり漫画です。手塚治虫は「もっと仕事をさせてくれ。」と言って亡くなりました。タイムスリップと躍動感あふれるストーリー展開で、人間の根源的な生に対する欲望を描きます。50年前の作品ですが全く古さがなく、彼の描く未来が実現していることは驚きです。権力や欲望が社会をどう変えてしまうか目が離せません。
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次は少年文庫です。何故か定期的に読んでしまうのです。旅に出ること、別世界を知ることの重要性が多様な視点で書かれています。少年時代はそれが、ファンタジーに思えます。学生時代には、社会集団の縮図に思えます。社会人になると、価値観の違いを尊重する多様性社会への対応に見えてきます。
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そしてニーチェです。高校時代の隣人が哲学にはまりニーチェを読んでいました。この名言集には、人間心理に鋭く差し込む痛い言葉と、温かく抱擁する優しい言葉が収録されています。苦悩と戦う人生にこそ意義がある、と言いたいような言葉の宝庫です。
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人間の生活は奥深い闇と紙一重である、この事実を精神科医の視点から忠実に記述しています。誰にでもあるこの「紙一重」を理解することは人間として生きる意味で重要です。知らぬ間に波に乗って生活が流れてしまう現代からは理解できない体験が書かれています。
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最後は明るくそして幸せになろうと一生懸命訴えてくるアランの名著です。幸福になる能力、これを彼は重視します。幸福を感じる仕事についてもシンプルに解答を出しています。20世紀初頭の世界的試練を経験した彼の、わかりやすい幸福への追求は、リーダーが最低限認識していなければならない価値観を平易に問いかけます。
ブックキュレーター
シティグループ マネージング・ディレクター 藤川大策シティグループ証券副社長。東京都出身。邦銀勤務を経て、外資系投資銀行に転職し20年。会社の兼業許可を得て作曲活動もしています。読書は、出張中及び週末が中心です。出張中は機中、車中、週末は近隣のカフェもしくは日当たりのよい場所が中心です。休暇に読もうと本を買いすぎ、インテリアになってしまうことも多く、改善の余地ありです。電子書籍も利用しますが、著者が精魂込めて書き上げた作品を大事にしたいという思いから、紙媒体から脱出できません。ジャンルは、人間の本質を追求するものであればジャンルを問いません。リーダシップ、マネジメント、などに役立つ書籍は多種多様にあると思いますが、本質は人間という生き物の理解が大事だと思っています。
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