ブックキュレーター文化人類学者 松村圭一郎
あたりまえの外に出るために
先行きが見えない時代。「あたりまえ」の外に出る必要があるのはわかる。でも、具体的にどうしたらいいのかわからない。そんなときの試行錯誤の手がかりになる5冊を選びました。日常のフレームからわざわざ外に出て、私たちの「あたりまえ」を問い直す。これらの本は、きっとあなたの「もやもや」をときほぐすヒントになってくれるはずです。
- 113
- お気に入り
- 6320
- 閲覧数
-
「怠け者だ」「時間にルーズだ」といったフレーズで他人をわかったような気になりがち。タンザニアの古着商人と長い時間を過ごした著者が描く世界は、そんな遠い他者の姿を同じ日常を生きる姿勢や時間意識のずれとしてとらえかえす。ぼくらと彼らを結びつけるその想像力に、凝り固まった「あたりまえ」が揺さぶられる。
-
「私は旅や探検家が嫌いだ」という一節ではじまるこの本には、マルクスやフロイトを読み、哲学を学んだあと、いかに人類学に目覚めたか、レヴィ=ストロースの歩んだ足跡がつづられる。根底には文明や科学の盲信という「あたりまえ」への痛烈な批判精神があった。人はこうして人類学者になり、根底から問いなおしはじめる。
-
世界で注目される人類学者ティム・インゴルドによる新著。世の中や人生の進み方には、決まった始点と終点を結ぶ直線と、どこにたどり着くかわからないまま、うろうろと進む線との2つのラインがある。すべてが数値化され、デジタルに世界が再構成される時代に、人間であることの意味を問い、人類学の可能性を言葉にした本。
ブックキュレーター
文化人類学者 松村圭一郎1975年生まれ。岡山大学文学部准教授。専攻は、文化人類学。エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有と分配、貧困や開発援助、海外出稼ぎなどについて研究している。著書に、『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『文化人類学 ブックガイドシリーズ基本の30冊』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞〈特別賞〉受賞)、『これからの大学』(春秋社)、編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社、共編)がある。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です