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悪者としても、いいヤツとしても描かれる。蜘蛛にまつわる物語
「虫」と言われる生き物の中で唯一8本の足を持ち、糸を繰り、巣を作る蜘蛛。その不思議な生態から、神話、ファンタジー、児童文学などで多くの物語が創作されてきました。時にやさしく人を導く存在であったり、時にすべての生き物を食らう怪物であったり、そのキャラクターはさまざま。ここではそんな蜘蛛にまつわる物語を紹介します。
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指輪物語 新版 3 第二部 二つの塔 上
J・R・R・トールキン(著) , 瀬田 貞二(訳) , 田中 明子(訳)
災厄の指輪を捨てる旅に出たフロドとサムは、敵の罠にはまり大蜘蛛の住む洞穴へと誘い込まれます。動けなくなったフロドを守るため、サムは勇気を振り絞って蜘蛛に立ち向かいます。興味深いことにトールキンの他の著書『ホビットの冒険』や『シルマリルの物語』でも、蜘蛛たちはやはり大喰らいの怪物として描かれているのです。
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老女の聖なる贈りもの
プリシラ・コーガン(著) , ハーディング・祥子(訳)
セラピストのメギーはある日、診療所を訪れたネイティブアメリカンの老女ウィノナに出会い、教えと癒しを与えられます。ウィノナの話す物語に度々登場するのが、スー族の蜘蛛の精霊イクトミ。自らの心の内にある模様を描き出すことで巣を作る蜘蛛の物語は、人が自らの人生を織り上げる過程に重なります。
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シャーロットのおくりもの
E.B.ホワイト(作) , ガース・ウイリアムズ(絵) , さくま ゆみこ(訳)
子豚のウィルバーは、納屋に住む蜘蛛のシャーロットと友達になります。成長したら食用として殺されてしまうウィルバーの運命を変えるため、シャーロットは蜘蛛ならではの方法でウィルバーを救います。シャーロット自身の生きざまに、ウィルバーだけでなく読者の私たちも救われる、心温まる物語です。
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愛はさだめ、さだめは死
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(著) , 伊藤 典夫(訳) , 浅倉 久志(訳)
蜘蛛を彷彿とさせるエイリアン・モッガディートは、母のように自らの家族を食い殺す存在にならないよう、恋人の雌蜘蛛リッリルウとさまざまな工夫を凝らします。他にも色々な短編が収められた本書で描かれていれるエイリアンたちはどれもが独創的で生き生きとしていて、SFを愛する人ならぜひ一度は手に取ってほしい一冊です。
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