少女漫画好きは必読！『赤毛のアン』で知られるモンゴメリ入門本

『トム・ソーヤーの冒険』の著者であるマーク・トウェインに、「不思議の国のアリス以来の魅力ある人物」と評された本書の主人公アン。天涯孤独なのに、陽気でおしゃべり。赤毛とそばかすに悩み、意地悪な男の子を石板で叩き、熱く友情を誓った友と引き離され・・・!?読者もアンの魅力の虜になること請け合いです。

アンよりもより自伝的なキャラクターだとされているのが、本書の主人公エミリー・バード・スターです。最愛の父を幼くして亡くし、親戚から数々の誤解を受けながら、美しいニュームーン農場で書くことに熱中していきます。コアなモンゴメリのファンからはアンよりもエミリー派という声も多いので、『赤毛のアン』の次の一冊としてオススメです。

実家の「銀の森屋敷」を熱愛する主人公のパットは、そこから離れられないばっかりに、数々の求婚を次々に断ってしまいます。でも、彼女が求婚を断る理由は本当にそれだけなのか、幼馴染みヒラリーの存在との関係は・・・？パットとお話上手なジュディばあやたちとの軽快なかけあいも魅力的なお話です。

美男子かつ優秀な青年エリックは、片田舎の果樹園で息をひそめるようにして暮らしている美しい少女キルメニイに一目惚れしてしまいます。けれど、キルメニイは物言えぬ少女だったのです。彼女が口をきくことができないのには、死んだ母親の秘密にあるらしいのだが・・・。プリンス・エドワード島の美しい自然描写も楽しい恋物語です。

美しい母と厳格な祖母とともに、トロントの古めかしいお屋敷で肩見狭く暮らしているジェーン。成績の良くないことや、母のような美人ではないことに悩んでいた彼女は、一度も会ったことない父親に会いに行き、父と一緒に暮らすなかで大きく成長していきます。ジェーンの成長ぶりに清々しさを感じる愛の物語です。