きっと夜空を見上げたくなる！天体観測をテーマにしたコミック

「小宇宙」という名の小さなプラネタリウムで待っているのは、気がよくて少し強引なおじいさんと、星に詳しくて少し生意気なわけあり少年・トキオ。ドーム型の建物でのささやかな出会いが、偶然訪れた人々の心をやさしく癒してくれます。少しずつ広がっていく人の輪。天体観測と人生の葛藤が交錯する瞬間が心地よい物語です。

誰もいないはずの高校の天文台で思わぬ鉢合わせをした丸太と伊咲。お互いに不眠症を抱えているのを知り、2人は眠るための秘密の場所として天文台を共有し始めます。その後、居場所を守るための策として天文部として活動することに。立派な天文台の中で送る日常と、天体観測。不思議な安心感に包まれたコミックです。

少し未来の世界。天才・猫村博士は、宇宙の真理と宇宙美女を求めて「ピカトリクス号」で宇宙へと飛び立ちます。旅の途中で出会う宇宙人たちを仲間に加え、時に楽しく、時に危険を乗り越えながら旅を続ける猫村博士たち。博士の求める宇宙の真理とは!?なんの気なしに読んでいると、最後の展開に度肝を抜かれてしまうかもしれません。

星の命の源となる星渡りのテッラは、滅亡してしまった星に残るアストロフィライトという名の大量の岩石と、唯一の生命とおぼしき少年・セリニを見つけます。案内がてら、セリニは星のたどった悲しい昔話を語り始めて・・・。夜空に泳ぎ星を降らせる鯨の描写が美しく幻想的で、深く考えさせられるストーリーです。

あの同名小説を忠実に再現。しかしキャラクターは「猫」という、ますむら・ひろしと宮沢賢治の世界観が見事に融合されたコミックです。天の川、星祭、そして突如出現する銀河鉄道。ジョバンニとカムパネルラの有名すぎる友情と旅路が表情豊かに繊細に描かれ、色褪せない味わいで魅せられる一冊です。