ブックキュレーター楽工社 営業部 長至巳
横浜生まれでも横浜育ちでも横浜勤めでもない僕の書棚にある、横浜本のこと
横浜生まれでも横浜育ちでも横浜勤めでもない五十●歳ですが、実は隠れ横浜シンパであるのを、最近ようやく認めてしまおうという気分になってきました。みなとみらい線に乗降して営業先に向かう途中、元町や馬車道などを巡り歩くときの「非日常」的な疼きが今でも半端じゃない。で、自宅の書棚の横浜本をランダムに手に取り直してみたのでした。
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十七歳のあきらと四十五歳の店長の一挙手一投足のバックグランドで、緩急自在に移り動いてゆく横浜(と、境界上の川崎)の幾多の景物のくっきりした輪郭と、驟雨や新緑や土埃や浮雲や埠頭の匂い。そんな中、わずか十三ページ限りの描写ながらも圧巻の存在感を示した中央図書館の蔵書たち。横浜市民が妬ましくてなりません。
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ロボジョ! 杉本麻衣のパテント・ウォーズ
稲穂健市(著),456(イラスト)
企業戦争について書かれた小説ですが、ここで闘いの土俵となるのは、経済ではなくむしろ法律。とりわけ「知財」「特許」をめぐる熾烈なる攻防は、新横浜、元町、中華街、金沢八景、ポートサイド地区等々を舞台に縦横無尽に繰り広げられ、読者は疾走感あふれる「パテントウォーズ」と横浜観光を両獲りで体感できるでしょう。
ブックキュレーター
楽工社 営業部 長至巳1963年生まれ。出版と書店に関わる仕事を始めて四半世紀を超えました。ちょっと長い無職期間を抜け出し昨春(2017年)より業界復帰、現在は飲食に関わる翻訳書の出版社に勤めております。出身が茨城県で、大学が京都市で、地方出張も多い仕事のおかげで、日本の中で未踏の都道府県は宮崎県のみになりました。好きな作家・山田風太郎。別名で『1985』という小説を上梓したことがあります。あの『1Q84』より10年前に。
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