自分の音を追求するひたむきな姿と演奏描写に胸打たれる音楽系コミック

廃部寸前の箏曲部に入部したのは、不良と箏の家元を母に持つお嬢様。生い立ちも育ってきた環境も違う2人ですが、それぞれの箏への想いを知るなかで惹かれ合い、やがて奇跡のような音色を奏でるようになっていきます。静と動のメロディ描写や真摯にお箏に向き合う人物描写が素晴らしく、渾身の演奏シーンに惹きつけられること必至です。

素晴らしいピアノの才能があるのに私生活はだらしない野田恵（通称：のだめ）と、高飛車で傲慢な指揮者志望の千秋。「音楽」にかける想いや目標は大きく異なる2人ですが、足りない部分を補うように、互いに影響しあって成長していきます。おもしろおかしい描写も満載で、読めばきっとクラシックを身近に感じられるはずです。

津軽三味線の師である祖父が亡くなったことをきっかけに、「自分の音」を求めて青森から上京してきた雪（せつ）。そんな彼が多くの人と出会い、それぞれのがんばる姿に触れることで、自身の弾く意味を見出していくさまが描かれます。おっとりした性格の雪が豹変したように力強く弾く、津軽三味線の演奏シーンは必見です。

とある理由で弾くことを辞めてしまったヴァイオリンの天才児・青野一。そんな彼が純粋に音楽を楽しむ友人やライバルと出会い、強豪校のオーケストラ部に入部したことで、再び情熱を取り戻していき・・・。オケ全員と合わせることの楽しさを知り、成長していく青野の姿と、大迫力の演奏シーンが印象的なオーケストラ漫画です。

幼少時に脳性麻痺と診断され、リハビリのためにバイオリンを始めた水晶。自分の演奏で人々を楽しませたい、笑顔にしたい、そして耳の聞こえない親友にも音楽を届けたい。そうした想いを抱きつつ、懸命に音楽と向き合い、努力し続ける主人公の姿に胸打たれます。実在のバイオリニスト・式町水晶をモデルにしたフィクションです。