ブックキュレーター翻訳家・ライター 柳澤はるか
気持ちに寄り添う世界の言葉
生きていると、嬉しいことも悲しいこともいろいろありますが、そんなときに傍らに置いておきたい本を集めました。自分の気持ちを代弁してくれる言葉に出会うこともあれば、こんなものの見方もあるのだと新たに気づかされることも。今のあなたの気分に寄り添う言葉が、きっと見つかるはずです。
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ひとことでは翻訳できない世界の言葉を美しいイラストとともに紹介。人生の哲学を感じさせる言葉が数々あります。例えばサンスクリット語の「カルパ」。これは「宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと」という意味だそう。こんな言葉を知ると、自分を取りまく世界がこれまでと違って見えます。
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フィンランドのユニークなことわざや慣用句を紹介する絵本(自身の訳書です)。例えば「ネコのしっぽはネコが上げるもの」は、「他人の評価を期待せず、自分で自分を誇りなさい」という意味。自分を見失いそうなときに思い出したい言葉です。中には、なんでそんな意味になっちゃうの〜?と思う不思議な表現もあります。
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つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字
あんの秀子(著)
恋する人に会えない切なさ、四季の中でふと湧き上がるもの悲しさ、憂い・・・。短い言葉に凝縮された人生ドラマに共感や涙が止まりません。一方で、こんな意味の短歌も紹介されています。「甲斐のない物思いをしないで、まずは一杯の濁り酒を飲んだほうがいいんじゃないかねえ」(大伴旅人、『万葉集』)
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シェイクスピアは誘う 名せりふに学ぶ人生の知恵
河合 祥一郎(編著)
シェイクスピアを読んだことない人でも大丈夫。「うまいこと言うな!」と思わず膝を打つようなせりふの数々を解説してくれます。「腐った百合は、雑草よりひどい臭いがする」(『エドワード三世』)。これは「百合のように崇められるべき高位の人が腐っていたら、その罪はより重い」ということ。今の時代にも通じます。
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わたしの外国語漂流記 未知なる言葉と格闘した25人の物語
河出書房新社(編) , 阿部 賢一(著) , 松村 圭一郎(著) , 佐久間 裕美子(著) , 丸山 ゴンザレス(ほか著)
外国語の世界に飛び込んだ人たちによるエッセイ集。サーミ語を学んだ吉田欣吾さんは、別れの挨拶に感動したというエピソードを綴っています。北サーミ語では別れ際、「さようなら」と見送る側は「元気で行けよ」という意味の言葉をかけ、逆に立ち去る側は「元気で残れよ」という意味の言葉を言うそうです。
ブックキュレーター
翻訳家・ライター 柳澤はるか1985年生まれ、東京大学文学部言語文化学科卒。20代後半、偶然訪れた北欧の国々にシンパシーを覚えたのをきっかけに北欧の研究をはじめ、現在は、翻訳や執筆、講演などをとおしてフィンランド文化を中心に発信している。訳書に、フィンランドのベストセラーコミック『マッティは今日も憂鬱――フィンランド人の不思議』『マッティ、旅に出る。――やっぱり今日も憂鬱』、フィンランド独特の精神「SISU」と幸せの秘密にせまる実用書『フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)』(いずれも方丈社)がある。東京在住、森の暮らしとの2拠点生活を模索中。
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