ブックキュレーター哲学読書室
2020年代の「都市」を彷徨するために
自由に出歩くことのできない都市とともに2020年は幕を開けました。これからの都市を、私たちはいかに考えることができるのでしょうか。書をもって再び街を歩く日のために、都市のありかたを考えなおすヒントとなる5冊を紹介します。【選者:仙波希望(せんば・のぞむ:1987-:広島文教大学講師)、平田周(ひらた・しゅう:1981-:南山大学准教授)】
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都市の繁栄には、常に貧困と公衆衛生の問題が織り込まれている――。若き日のフリードリヒ・エンゲルスがマンチェスターやロンドンを踏査した経験は、のちの都市研究に大きな影響を与える書物となりました。資本と情報が無数に飛び交う現代都市を解き明かすための視点を、この古典に求めることができます。
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20世紀中盤にニューヨークの都市政治を牛耳り、「マスター・ビルダー」の異名をもったロバート・モーゼス。彼に立ち向かったのは、ジャーナリストであり主婦であった、ジェイン・ジェイコブズでした。2人の間での「闘い」は、「都市は誰のものか」という根本的な問いを、現代を生きる私たちにも突きつけます。
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戦後フランスでは栄光の30年と呼ばれる経済成長が語られる一方、アルジェリアの独立が果たされましたが、この2つはどう関係づけられるのでしょうか。第二のオスマン化といわれるパリ改造と、フランス植民地帝国の終焉との関連を浮き彫りにしながら、家庭、都市、国家という複数の空間スケールでフランス社会の変容を描き出します。
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都市の出来事をもう一度私たちの手に取り戻すべく、その方法論を探索する1冊。都市をめぐる思索=アーバン・スタディーズの知見のもと、歴史・イベント・経済・空間・政治といった観点から、本書は現代の東京を多角的に見なおしていきます。COVID-19の猛威を経てなお続く「都市の時代」を考究するために。
ブックキュレーター
哲学読書室知の更新へと向かう終わりなき対話のための、人文書編集者と若手研究者の連携による開放アカウント。コーディネーターは小林浩(月曜社取締役)が務めます。アイコンはエティエンヌ・ルイ・ブレ(1728-1799)による有名な「ニュートン記念堂」より。
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