ブックキュレーター作家 谷津矢車
歴史小説はこんなに面白い!谷津矢車の厳選5冊
歴史時代作家・谷津矢車による「歴史小説はこんなに面白い」企画。1.初心者にお勧めする短篇歴史小説、2.ビジネスに役立ちそうな歴史小説、3.自身が偏愛してきた歴史小説、4.同世代のライバル作家のお勧め作品、5.ぜひ読んでほしい自身の作品、の順番でご紹介していきます!自身の経験から若い読者も共感できる作品を選びました。
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歴史小説の初心者の方に特にお勧めしたい短編は、「忠直卿行状記」。若い主君が狂に至るまでの日々を忖度とボタンの掛け違いで描き、上流階級でもない私でも「ああっ、気持ちが分かる」となる 短編です。拙作『絵ことば又兵衛』にも忠直は登場しています!
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ビジネスに役立ちそうな歴史小説としてお勧めするのは、童門冬二さんの『上杉鷹山』。上杉鷹山は江戸時代中期から後期にかけての藩政改革者。あるときは反発をかわし、あるときはハートで勝負して 切り抜けていく。結局仕事って、心でやるものだと救われる。
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速弾き三味線師と名門出身の笛役者と信長に仕えていたソウルフルな黒人ドラマーと天才ダンサーの一座によるグルーヴ青春バンド小説でありつつ、わたしたちの知る桃山期の歴史がしっかり裏打ちされている。天野純希(敬称略)の「小さな者の目からダイナミックな歴史を描く」スタンスを鮮やかに示した衝撃のデビュー作。なお、推薦者の谷津は本作がきっかけで歴史小説を書き始めた模様。
ブックキュレーター
作家 谷津矢車1986年、東京都生まれ。駒澤大学文学部歴史学科考古学専攻卒。2012年「蒲生の記」で第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。13年『洛中洛外画狂伝狩野永徳』でデビュー。18年『おもちゃ絵芳藤』で第7回歴史時代作家クラブ賞を作品賞を受賞。20年『廉太郎ノオト』が「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」 高校生の部の課題図書となる。その他の著書に『蔦屋』『曽呂利!』『三人孫市』『信長さまはもういない』『奇説無惨絵条々』『桔梗の旗』『絵ことば又兵衛』など。21年5月下旬に『吉宗の星』(実業之日本社)を上梓。
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