ブックキュレーター作家 高村薫
文学へ、哲学へ、時代へ。作家の皮膚感覚が選ぶ、人間と表現の秘密を問う5冊
2021年夏、『作家は時代の神経である』(毎日新聞出版)という時評集を上梓した。作家の想像力でコロナ時代の政治と社会の歪みを見すえつつ、同時に『墳墓記』(『新潮』連載)では、言葉による人間の表現の原点と究極を行き来する。時代に向き合い、時代を超える、その創作を刺激してやまない書物とは?
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意味の深みへ 東洋哲学の水位
井筒俊彦(著)
ふつうの読書人がふつうに哲学を求め、世界に意味の生まれいずるところを求めてイスラーム神秘主義からナーガールジュナ、阿頼耶識の深みにまで降りてゆく。井筒はそんな八〇年代のうつくしい道標だった。
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定家明月記私抄
堀田 善衛(著)
『源氏物語』の世界観に生きる殿上人の身体と、時代を突き抜けて余りある言葉の超絶技巧が同居する天才歌人の日記を、同じく時代の観察者であった堀田が解体する、その手つきの刺激的なこと!
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すべての見えない光
アンソニー・ドーア(著) , 藤井 光(訳)
いまなおこんなに静謐な小説が書かれ、読まれる国であるアメリカに嫉妬する。夜、ひとりですべてを忘れて読み耽ること。
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作家は時代の神経である コロナ禍のクロニクル2020→2021
高村 薫(著)
生まれ育った国の凋落を見つめながら、それでも一日本人として何とか前を向いて生きてゆくと決意して、今日も時評を書く。
ブックキュレーター
作家 高村薫1953年大阪市生まれ。作家。1993年『マークスの山』で直木賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年『土の記』で野間文芸賞・大佛次郎賞・毎日芸術賞を受賞。他の著書に『我らが少女A』『時代へ、世界へ、理想へ』など多数。【「高村薫」の「高」は、はしご高】
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