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少女の悩みと希望を映す。日本が育てた少女漫画の歴史と文化を読み解く本
少女漫画は時代を映す鏡。歴代描かれてきたテーマやヒロインを分析すると、少女たちが何に悩み、何を求めていたかが読み取ることができます。繊細な心理描写に流行のファッションなど、社会の変化や価値観を反映する少女漫画は、女性たちの人生観に影響を与えてきました。ここでは、少女漫画の歴史を学べる本を紹介します。
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少女漫画界の大御所・萩尾望都のイタリア講演とインタビュー記録を収録した一冊です。外国人向けの講義では、少女漫画の歴史や特色がわかりやすく説明されています。後半は、自作の解説や創作秘話が明かされます。高い芸術性を持つ少女漫画が時代の変遷とともに成熟し、日本の文化として一角を成してきたことを実感できます。
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花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 新装新版 前篇
橋本 治(著)
少女漫画論の先駆けともいえる古典的評論集です。「24年組」全盛期の時代背景を分析し、先駆者たちのマンガの精神構造を読み解きます。少女漫画というジャンルの原理と様式、読者に望まれたものなどについても詳しく考察。刊行から40年以上が経ちますが、マンガ論の枠を超えた、ジェンダー論としても価値のある良書です。
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女性マンガ研究 欧米・日本・アジアをつなぐMANGA
大城 房美(編著)
現在、日本のマンガは世界各国で翻訳され、グローバル化&グローカル化しています。本書は、少女漫画やBL、女性漫画というジャンルの伝播と受容、その表現やコミュニティの生成などに見られる派生現象など、女性を対象とするマンガ市場の研究をまとめた比較文化論考集。女性マンガ研究の入門書にも適した一冊です。
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あのひととここだけのおしゃべり よしながふみ対談集
よしなが ふみ(著)
人気漫画家・よしながふみと豪華ゲストがマンガを語る対談集です。少女漫画と少年漫画の違い、BLの特性や意義、ジェンダーとフェミニズム、メディアミックスの裏側などが、深い洞察により解説されています。評論というより、気軽な座談会形式のため、少女漫画論の総括としても、入門ガイドとしても楽しむことができます。
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写真評論家が、少女漫画を通して民主主義を考察した異色の日本文化論です。1970年代に活躍した「24年組」に始まり、90年代から21世紀に至るまでの少女漫画界の歴史を俯瞰。少女性の変遷と、共同体における役割について読み解きます。巻末には、著者が影響を受けた作品一覧と解説が収録されています。
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