ブックキュレーター山口周
山口周の推薦する名著5冊
山口周の「推薦図書」はこの5冊! ※こちらの推薦文は、クーリエ・ジャポン読者のために寄稿いただいたものを転載したものです。
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多くの人々は、呪いを、迷信が信じられていた近代以前の時代の遺物だと思っています。とんでもありません。今日ほど人々が呪いによって身動き取れなくなっている時代はありません。呪いとは「人から自由度を奪う言葉」のことです。そしてその最たるものが「普通がいい」という呪いです。本書は、精神科医にして思想家の著者が説く「呪いから自由になるための手引き」と言えます。
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スピノザの思想はとても朗らかで明るい。その「朗らかさ、明るさ」こそ、現在のように先の読めない閉塞感のある時代において最も求められているものでしょう。さすがスピノザ研究者の第一人者による解説と云うべきか、スピノザの言説が内包する「明るさ」を本書ほどわかりやすく解き明かしてくれた本はこれまでなかったと思います。一読した読者は雲間から指す光明を見たような気持ちになるでしょう。
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私たちの社会を覆う閉塞感を「タテ関係の序列」という切り口から解き明かしたのが著者の中根千枝でした。社会の状況に大きな変化が起きなければ、年長者の経験や知識は社会にとって大きな価値を持つでしょう。しかし、社会の流動性が高まれば、タテ関係を支配する年長者の経験や知識はむしろ足枷となって変革を阻みます。ではどうするか?組織に所属している人であれば必読の一冊だと思います。
ブックキュレーター
山口周独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。慶應義塾大学文学部、同大学院文学研究科修了。電通、BCG等で戦略策定、文化政策、組織開発等に従事。『ビジネスの未来』、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』、『自由になるための技術 リベラルアーツ』など著書多数。
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