ブックキュレーター小説家 冬森灯
美術をおいしく味わう5冊【Bunkamuraセレクション】
美術や美術館に親しみはじめた方へ、お料理を楽しむように美術をおいしく味わう本をおすすめします。美術館にまつわる物語や、作品に描かれたおいしいもの、画家のおいしそうな絵画と創作の源泉を知る本など。小説から美術史まで、奥深く味わいゆたかな美術の世界を、ご一緒にお味見してみませんか。
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美術館を舞台にした小説の中でもとくにおすすめしたい一冊です。財政危機に陥ったデトロイト市に、美術館のコレクションを売り払う計画が持ち上がります。その危機を救うのは・・・。実話をもとにしたこの物語、読み終えたらきっとあなたの「友だち」に会いに行きたくなります。
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名画の中の料理
メアリー・アン・カウズ(著) , 富原 まさ江(訳)
マティスの牡蠣にダリの目玉焼き、リキテンシュタインのロブスター。印象派から現代美術まで、絵画に描かれた食材や料理を味わえます。手紙や日記に綴られた巨匠の食事の再現レシピのほか、食にまつわる詩や文章も楽しめる、目にもおいしいエッセイです。前菜からデザートまで、どうぞめしあがれ。
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クレーの食卓
林 綾野(編著) , 新藤 信(編著) , 日本パウル・クレー協会(編著)
食にも美術にも真摯に向き合う、画家の創作の源泉を食卓から読む一冊。そのくいしんぼうぶりに驚き、一生活人としての親しみを感じます。食を題材とした作品や、料理上手なクレーの食卓に迫る巻末のレシピ集も、とてもおいしそう。キュレーターでもある著者の、画家とレシピを描く他の著書もおすすめです。
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モナ・リザの背中
吉田篤弘(著)
もしも絵の中に入り込んでしまったら?美術館に展示されているダ・ヴィンチの名画やワイエスのポスター、誰もが知るあの屏風にあの風景。さまざまな絵の中に入り込んでしまう紳士の摩訶不思議な冒険譚です。描かれた世界をさまよう不思議な旅へ出かけてみませんか。
ブックキュレーター
小説家 冬森灯第1回おいしい文学賞(ポプラ社)にて最終候補。2020年『縁結びカツサンド』にてデビュー。他の著書にキリンビール公式note×ポプラ社とコラボした『うしろむき夕食店』。美術検定1級。Bunkamuraドゥマゴ文学賞のホームページにて、芸術と食をテーマにしたWEB書き下ろし小説『うつくしき一皿』を公開中。https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/tsukushi/
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