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「第二の皮膚」としての衣服。身体論の視点で衣服を読み解くための本
「衣服は人間の皮膚に次ぐ第二の皮膚である」というように、マーシャル・マクルーハンのメディア論では、衣服は皮膚を拡張する記号として捉えられていました。今では「第二の皮膚」は記号としてだけではなく、身体に影響を与えるものとして哲学や社会学で考えられています。保温や清潔以上の意味について、衣服を身体論の視点からひも解くための本を紹介します。
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ちぐはぐな身体 ファッションって何?
鷲田 清一(著)
「人はなんのために服を着るのか?」という問いからスタートし、哲学者・鷲田清一が身体論をわかりやすく説いていきます。ピアスや刺青をすることの意味から、コムデギャルソンなどの有名ファッションブランドが問いかけるものまで、さまざまな「ちぐはぐ」を深く考えていく入り口になる名著です。
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ファッションの哲学
井上雅人(著)
ファッションは衣服に限らず、カルチャー、ビジネス、デザインなど、さまざまな視点から哲学的に考えていくことができます。記号としての衣服だけではない奥深いファッションと身体の関係は、社会に影響を与えながら歴史的にも変容してきました。本書は、「服を着る」ことの本質的な意味について論じられた哲学書です。
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衣服は肉体になにを与えたか 現代モードの社会学
北山 晴一(著)
フランス文学の研究者である北山晴一による衣服と身体をめぐる一冊。衣服だけではなく、下着や髪型、痩身など、ファッションと肉体をさまざまな視点から深く考えていきます。「身体を保護する」という目的以上に衣服がまとっている「らしさ」は、モードの課題、あるいはジェンダーの課題として、私たちに関係しているのです。
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現代の皮膚感覚をさぐる 言葉、表象、身体
平芳 幸浩(編)
アートや文学、ファッションの表現や意味を論じながら、皮膚感覚について考えていきます。ヴァーチャルな空間での活動が増え続ける現代社会においてこそ、皮膚感覚という「身体」表現の意義と可能性は、現代社会を生きる私たちのことを豊かにしてくれるでしょう。
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もう一つの衣服、ホームウエア 家で着るアパレル史
武田尚子(著)
近年「おうち時間」を楽しむようになりました。家で仕事をするときに楽な恰好でいたい、リラックスしたい、ちょっとそこまでの買い物はそのまま行きたい。私たちが求めたホームウエアは変化しながら、今の「おうち時間」の身体を包みます。後半のブランドクロニクルは歴史と共に、新しい服との出会いがあるかもしれません。
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