ブックキュレーター慎泰俊
慎泰俊の推薦する名著5冊
慎泰俊の「推薦図書」はこの5冊! ※こちらの推薦文は、クーリエ・ジャポン読者のために寄稿いただいたものを転載したものです。
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西洋文明といえば、ギリシャ文明→ローマの地中海文明→西ヨーロッパでのルネサンスに代表される文明開化、という流れであると考えられがちだが、それは誤った理解だ。実際のところ、12世紀に入る前まで、西ヨーロッパにギリシャ文明は届いていなかった。すなわち、ルネサンス(文芸復興)をしようにも、復興する基となる文芸がほとんど存在しなかったわけだ。
その西ヨーロッパに、アラビアにて翻訳書の形で保存されてきた過去の知識が流れ込んだのが、12世紀ルネサンスと呼ばれるものだ。それは後に続く14・15世紀ルネサンスの礎となった。文化や文明の変遷を考えるために、極めて重要な一冊。 -
何度この本を読んだかわからない。プラトンが語った哲人王が実在するとすれば、それはこのマルクス・アウレリウスだろう。政治と戦役に明け暮れながら、彼は自身と人々のために言葉を紡いだ。日本における「西郷南洲遺訓」に極めて近い。
本書の内容そのものは、ストア派哲学の研究者たちからすれば当たり前のものと思われるかもしれない。しかし、象牙の塔の中でなく、政治家として動乱を切り抜けながら、心の平静と克己心を維持し続けたアウレリウスの言葉は、私を含む多くの人の心の支えになっている。
ブックキュレーター
慎泰俊五常・アンド・カンパニー代表執行役。1981年生まれ。朝鮮大学校法律学科卒業、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルおよびユニゾン・キャピタルを経て起業、途上国の貧困層にマイクロファイナンスを提供している。本業のかたわら、2007年にNPO法人Living in Peaceを設立し、国内外の貧困削減のために活動してきた。著書に『働きながら、社会を変える』『ソーシャルファイナンス革命』『外資系金融のExcel作成術』『ランニング思考』など。
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