小さなコミュニティこそ生きにくい!?千差万別な家族のかたちを描くコミック

ふたりきりで生きてきた母の遺言どおり、その死を母の友人へ伝えるためにイギリスへ渡ることになった大空。自分と母を置いていった兄と久しぶりに再会することになったものの、良好な関係でいられるわけもなく・・・。海外を旅するなかで、自分に、そして家族に向き合っていくことになる大空の成長が丁寧に描かれています。

父の再婚で、新しく弟ができることになった高校生・みなと。ワクワクしながらキュートな小学生男子を想像していたみなとだったけど、やってきた弟・光志郎はクセの強すぎる個性的な男の子でした。実は光志郎のほうも、みなとを見て「ちょっと違った」と思っていて・・・。少しずつ近づいていく距離感が微笑ましいコミックです。

ステップファミリーの母子からの視点で描いた家族の物語です。新しい親と、新しい同い年のきょうだい。家族それぞれがすんなり収まるのが難しく、体調を崩したり学校へ行けなくなったり・・・という描写がリアルに描かれています。理想のかたちを追い求めるだけではなく、現実的な視点から冷静に、家族について考えることのできる一冊です。

家の中に境界線のテープが貼られ、夫であり父である令太郎はその中に立ち入ってはいけません。あたり前のように許容してきた家庭内ルールだけれど、ある日それが「DV」だと指摘され、困惑する令太郎。夫、妻、そして娘。それぞれの立場が身近な問題として迫ってきます。気づけば、ページをめくる手が止まらなくなるコミックです。

新婚夫婦を偽り、知らない土地で新生活を始める桂一と晃。けれど、ふたりの関係は実は「兄」と「妹」で・・・。同じ「家族」でもまったく意味が違ってくる「夫婦」と「兄妹」。穏やかに見えるふたりの日常は、とてつもなく非日常的。苦しい感情が幾重にも交錯するストーリー展開に、ハラハラさせられることでしょう。