ほんとうのすがた、と仮の貌と。
2011/07/12 17:42
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投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書好き仲間さんのお勧めで読んだ1冊です。先行書評の方も言っておられるように、レオ・レオニさんの作品を『フレデリック』『スイミー』の作家さんと意識して読むと、あれ?と思うかもしれません。
「マルディ・グラ」(懺悔の火曜日)というお祭をしようと、のねずみたちが盛り上がります。話をもちかけたのは町のねずみでした。都会風に賑わい、楽しもう!という明るい話かとおもいきや……。
仮面をつけ、馬鹿騒ぎを続けるうちに次第に心境の変化がのねずみたちに現れてきます。<仮面>は何の隠喩でしょう、身につけているのをやめた彼らが記憶からも忘れ去ってしまいたくなるほどの思いとは……。いつまでたっても緑の色が抜けないねずみが、タイトルになっているのもなにやら罰めいていて怖ろしいのです。
翻訳を手掛けられた谷川俊太郎さんによる、著者の解説が表紙見開きにあります。他作品ではさほどくっきりと描かれない本作の独特の暗さの秘密が、そこにみつかるかもしれません。陰翳がつよく、難しくないのに謎めいた作品です。それゆえに緑の色のしっぽが忘れ難いのです。
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投稿者:うな - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮面をつけたねずみ達が自分を見失って罪を作っていく…みどりのしっぽはその事を忘れない戒めなんだろうなぁと思いました。それは人間世界で起きたさまざまな罪を暗示しているのだと思いました。
みんな落ち着こう
2019/04/22 23:03
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとした集団ヒステリーに陥っちゃったのかな。
どうして「大変」なことになったのか、その時自分はどうするか、たった一人の意見に耳を傾ける勇気はあるのか。
いろんなテーマが含まれてます。
絵はかわいいけれど……
2002/07/12 11:39
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投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
通りかかったまちねずみに、のねずみたちが街の話をせがむ。
「マルディ・グラ」の日が、すばらしいのだと、まちねずみ。
パレードの話をしてくれる。
かみふぶき、かみテープに、ふえ。そして、仮面の話。
のねずみたちは、自分たちもやろうと決めた。
そして、仮面にとりつかれてしまう。
おそろしいけだものの仮面をつけた、のねずみたちは、自分たちがかわいらしく、おとなしいねずみであることを忘れてゆく……。
「スイミー」や「フレデリック」に比べて、少し恐い感じのするお話です。
絵がかわいいのでかわいい話に見えますが、仮面にとりつかれるあたりなど、不気味な気もします。
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☆「あおくんときいろちゃん」でお馴染みのレオ=レオニの絵本。
お祭で強くて恐い仮面をかぶってしまったことで、人格まで変わってしまった村ねずみたち。
何かを考えさせられる絵本です。
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あの誰もが知っている『スイミー』の作者レオ=レオニの作品です。
映画になりそうだなーと、深さに感動。
森の奥まった片隅に平和に暮らしていた野ねずみたちのお話です。
あるとき通りかかった街ねずみが、街の、あるお祭りの話をします。
そのお祭りをやろうやろうと盛り上がり、ねずみたちはおそろしいけだものに扮しますが、いつの間にか自分たちがねずみであることも忘れ、本当に怖がらせ合い、鋭いきばで、脅し合うようになりました。
・・・まるで、古き良き土地に(それで充分幸せだったのに)、それまでになかった新しい文化や病気、ものなどが入ってきて、浸食されていくような現代社会の一部と重なりました。
みどりのしっぽを持つねずみは、そのときの記憶を忘れないために残った象徴なのかもしれません。
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絵本を読んで、あれこれ作者の意図を深く読もうとしてしまうのは、大人の悪いくせなのかもしれないけど、この本に関しては深読みせずにはいられない。なぜ、お祭りから負の感情が生まれてしまうのかとか、最後に残ったみどりのしっぽのねずみの意味とか・・・あんまり深く詮索するのは野暮かもしれないのですけれど。いろんな解釈がありそうなものがたりですね。
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久しぶりに本屋さんで立ち読み♪
レオ=レオニの絵本は
ねずみが主役になってることが多いですね。
最初は穏やかな草むらから始まる物語、
なのに急展開でおどろおどろしくなっていく。
彩りの不協和が加速してゆく。
はじめはお祭りのまねごとだったはず。
けれど、役割に没頭してしまうねずみたち。
仮面の下の素顔を忘れてしまうと・・・
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評判のよい本のようなので借りてみましたが、文章が多くて内容がよくわからないせいか、反応がいまいちでした。時をおいて、また読んでみようと思います。日本語訳が微妙に読みづらいです。(もしかしたら、英語版のほうがよいのかもしれません。)
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珍しく色のトーンが重いです。
内容も少し重め。
平和に暮らしていた野ネズミたちに
町から来たネズミがお祭りのお話をしました。
それを真似して自分たちもお祭りをしようと仮面をかぶってみると・・
大人が読んだ方が考えさせられると思います。
子供にはわかりにくいかなぁ。
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野ネズミたちが町ネズミからはなしを聞いて仮面をかぶったお祭りに熱中しすぎて自分を見失ってしまいます。
穏やかな生活の大切さを教えてくれます。
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Bunkamuraの「レオ・レオニ 絵本のしごと」展のキャプションのあらすじが印象的だったので、図書館で借りた
のねずみたちが、マルディ・グラにちなんで、自分たちでも仮面をつけるおはなし
仮面は「役割」なのかどうか
私たちはまっさらな(というものがあるとして)自分ではない何かになりながら、生活している
そのなりきりスイッチが壊れてしまったときが、盲信的でおそろしい
みどりのしっぽのねずみ は、教訓を体現している
たとえば過ちは消えないし、それを真に忘れることなどできない
だから私たちはそれを背負っていかなくてはならない
風刺がきいていて、大人向きのおはなしだと感じた
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[自宅]
図書館からいただいたリサイクル書籍。レオ=レオニはやはり不思議。お話の内容もだけれど、見開きの語りの次は見開きの挿絵のみ、という構成が続き、語りのページはやや字が多めだけれどもその次でしっかりと"絵本"となってくる。そして最後のページをめくった途端に「最初のと一緒!」と叫んだ息子。読んでいる私はあまり挿絵を真面目に見ていなかったので同じとは思わず、同じような平和なひと時の情景かと思いきや、めくり返してみると確かに一点を除いて全く一緒。子どもってある種すごいわ。
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レオ レオニ作品に共通する「ありのままでいいんだよ」というメッセージを強く感じる。周りを意識し、自分を大きく見せようとしがちな思春期の子どもや、大人たちに最適かも。
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マルディ・グラのおまつりをまねたねずみたちのおはなし。
私はレオ=レオニのねずみたちといえば『フレデリック』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4769020023が頭に浮かぶ、貼り絵じゃない挿し絵がちょっと意外。
でもおんなじ絵。
登場するのもフレデリックとおなじく、おとなしくあいらしい平和なねずみたち。
そのねずみたちが、まつりごっこをしてみたところから歯車がくるいはじめる。
おそろしいものに仮装してうなりあうまねごとが、いつのまにかほんとうのように思えてしまう。
ロールプレイが現実にはみだしてくる。
「仮想敵」を本当に憎むみたいに。
けっこう怖いことを描いているな。
でもお話も絵も、こどもをおどしすぎないラインを守ってる。
忘却するけど痕は残る。
最初と最後の絵が良い。