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リストカッタァー
2002/02/23 13:30
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投稿者:カノン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネット上で今もなお支持され続けている ネットアイドル南条あや。普通の日常として書かれた絶望は 共感できる部分が多い分、彼女にもっと生きていてほしかったと思った。
…私のエゴに過ぎないのかもしれないけれど。
普通って何さ。
2002/10/10 15:50
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投稿者:羽鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「自傷」「OD」「リスカ」「自殺」「精神病院」
身の回りで、一度くらいは聞いた事があるのではでしょうか。
自殺する人、手首に傷のある人、病院に通う人、世間一般ではあまり良い目は向けられないでしょう。
しかし著者の彼女は、病院にも行くし、処方された薬は溜めるし…
ハッキリ言って普通では無い。
この本だって、彼女が自分のHPに掲載されていた日記をまとめた物ですが、普通だったらクチに出すのも躊躇されるような事が、日常の些細な出来事として綴られています。そして、明るい文面の奥には彼女の闇が垣間見得るような気さえしました。テーマは深刻ですが、明るく行きましょう?
それでは、あなたは「正常」なんですか?
2001/07/14 16:47
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投稿者:TGW - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここbk1で出会った良書です。
イチオシで以前紹介された本ですので細かい内容に関してはそちらをごらんいただきたいのですが、私にはこの本は「戦慄」でした。確かに文体は明るい。ものすごいことがさらりと書いてあったりする。でもそれであははと笑ったりできません。
こころの病気と呼ばれるものを抱える人が多くなってきた昨今、あるところではそれがひどく残酷な形で社会にあらわれ出てきたりもしています。しかし、その表層だけをとって、そうした精神病者たちを十把ひとからげに悪いものと決め付けることなんてできない。
この人も社会とのコミュニケーションのとり方を少し間違ってしまった。でもこの人のことを決して「異常」とみなすことができない自分に、なにか背筋の凍る思いがします。
6月26日今日のおすすめ
2001/07/25 21:20
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明るい絶望日記
南条あやは、高校卒業と同時くらいに自殺してしまった女の子だ。在学中から、ネット上に鬱系HPを開いたり、別冊宝島に寄稿したりして、その種の人々の間では知られた存在であった。本の内容については、ノンフィクションの杜に紹介記事があるので、まずはそちらを。
さて、この本の印象を一言で表すならば、「奇妙に明るい」だ。自殺系吐露本に特有の、下に引っぱられる嫌な感覚がまったくない。書かれた情報や描写も非常に今っぽい。登場するのは、下北沢や渋谷を舞台にした、カラオケや、献血や、精神科通いや、女子高生としての日常なのだが、文中のどこにも意味や目的を探す切実な感じがしない。同じ同性同年代の自殺本でも、ひたすら意味を探す罠にはまったかのように思われる山田花子の自殺直前日記とは、見事なほど対照的で、明るくて、現代的だ。それでいて、やっぱりどこかが深く絶望していることだけは、はっきりと伝わってくる。
一般的に言って、ある程度の生活が満たされ、少なくとも見かけ上は不幸ではない人が、なぜ絶望して死んでしまうのだろうか。現代では、その理由の第一に「鬱病」を挙げるのが、当たりさわりのない見識とされているようだ。しかしこれは私には、ずいぶん安直な見識だなあという印象を受ける。「鬱病だから自殺した」では、「安全運転を怠って事故を起こした」と同じレベルの説明じゃなかろうか。肝心の理由がまるでわからない。症例を分類はしたけれど、「絶望」そのものの構造や資質に触れた感じがしない。鬱というカテゴライズや、脳内代謝などの仮説で取り繕ってみたけど、結局、当事者にとっての「絶望」の本質の部分はぼかしたままだ。実のところ、医学や心理学の文脈などからは遠く及ばないところで、人は複雑で意味もなく「絶望」しているのではないだろうか? ということが、南条あやの日記を読んでみると、伝わる人には伝わる……かもしれない。
「生きているのって気持ち悪い。どうせ死んでしまうのに」(少女革命ウテナ)なんてセリフにグッと反応してしまう人は、とりあえず、南条あやの場合の絶望について、ヒシヒシと吟味してみるというのは、どうでしょうか。
(コンピュータジャンル担当:T.H.)
■関連サイト
鬱系サイトはそれこそ山のようにありますが、読んでて痛すぎたり、ただの薬自慢だったりするのが多いので、できるだけ、のほほんとぐったりできるHPを選んでみました。
「南条あやの保護室」
http://nannjou.vis.ne.jp/
当人のサイト。故人となった今も、関係者がサイトを運用している。更新も活発。
「Pylori World」
http://www.geocities.com/SouthBeach/Cape/4004/
緻密かつ繊細なサイト。特に未遂前後の日記の描写の表現力は秀逸。この日記読むと「小説なんてウソくせーな」と思う。
「闇の医療相談室」
http://www.dango.ne.jp/nofuture/judgement.html
医者らしき人が運営しているサイト。悪ぶったページ作りのわりには、正確かつ親切に各種の精神医療系情報を提供している。
「とげホームページDeath」
http://www23.cds.ne.jp/~moge/mogu/mental/diary/diary.htm
面白い! 味がある! という意味でピカイチのサイト。しかし最近、最も濃かった部分を削ってしまって残念。掲示板はあいかわらずいい感じ。
リストカッターにしてクスリマニアの少女の不思議と明るく、笑える、だけど痛くてつらい日記
2001/06/18 20:30
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投稿者:関係者コメント - この投稿者のレビュー一覧を見る
●新井さん(担当編集)より
ここにいるのは、特別な少女ではありません。
ここに書かれているのは、特殊な悩みではありません。
ここで起こった出来事は、まったくの他人事ではありません。
もしかしたら自分だったかもしれない、「もう一人のわたし」——。この本の中にいるのは、そんな一人の少女です。
南条あやさんは、高校三年のとき、ほぼ一年間にわたってインターネットで日記を公開していました。リストカット癖や鬱などと戦いながら、友人には「卒業するまでは死なない」と約束していたそうですが、その言葉通り、卒業後に亡くなってしまいました。
ですが、彼女の日記は決して暗く物悲しいものではなく、明るく、過激なまでにポップな文章で綴られています。自分の悩みを笑い飛ばすかのように。
この本は、その日記の最後の四ヶ月分と、死の前日に書かれた詩、香山リカさんの解説などで構成されています。
頻出するクスリ関係の知識や、繰り返されるリストカットの描写、そして最終的には亡くなってしまったことなどから、この本に拒否反応を示す方もあるかもしれません。
ですが、冒頭で申し上げましたように、この本に書かれているのは、決して特別なことではないと思うのです。
私は、明るくポップに綴られた文章の奥底で、悩み考えるあやさんの姿に胸打たれ、感動しました。同じような悩みを抱える多くの人に、「あなたは決して一人じゃない。だから頑張ろう」と伝えたい。こんなにも生き生きとした文章を、広く世の中に紹介したい。そんな気持ちで編集に携わってきました。
あやさんは、結果的に残念なことになってしまいましたが、だからこそ、彼女の言葉はきちんと伝えていかなければならないと思うのです。
そして、出来ることなら、同世代だけでなく、そのご両親の世代の方々にも読んでいただきたいと思っております。
彼女の悩みは、決して特別なものではないのですから——。
●相馬ヰワヲさんより
『卒業式まで死にません——女子高生南条あやの日記』は、生前インターネットで、自らの日記を連載していた、私の交際相手の少女の日記を中心にまとめたものです。南条あやは1999年3月30日に突然、死因「推定自殺」でこの世を去りました。
リストカッターにしてクスリマニアの少女の不思議と明るく、笑える、だけど痛くてつらい日記は、ネットで人気がでて生前からマスコミに取り上げられていました。
刊行される8月が、生きていれば20歳になる誕生日。ローリングストーン少女への父親からの最後のプレゼント。(相馬ヰワヲ)
★ホームページ「南条あやの保護室」はこちらです→
●香山リカ(解説執筆)さんより
これを書いた当事者である南条さんは、もうこの世にはいない。そういったことを知った上で読み出したにもかかわらず、私は何度も「これって、その後、活躍することになった作家の若かりし頃の日記?」と思っては「いや、そうではない。これは"栄光の記録"とは少し違うんだ」と自分に言い聞かせなければなりませんでした。(中略)それはひとえに、南条さんという人が表現すべき"自分"を持ち、さらにはそれを人に伝達すべき"ワザ"を持っていたからです。(香山リカ氏の「解説」より)