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いつまでも心に残る作品
2022/01/27 14:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:imikuto - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒廃した戦後という背景抜きには語れない推理小説です。
この点が読ませるミステリーとなっている所以でしょう。社会派ミステリーとして申し分なしです。
さらに、冒頭が素晴らしい。冒頭の1ページを読んでしまえば、あとは一気呵成に、という感じ。清張さんはこういうところがじつにうまい。
ただ欠点といえば、中途の真相にたどりつくまでの素人探偵の捜査過程をすぐに忘れてしまうところ。何回か読んだけれど、どんな感じだったかはっきりと思い出せない。
多少の本格(謎解き)要素もあったとは記憶しているのだけど、まったく思い出せない。
ラストはもちろん覚えているのですけどね。
楽しめました
2020/06/20 01:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさがき - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめて松本清張の小説を読みました。
思っていたよりも読み易かったです。
展開も巧妙で、引き込まれ、楽しめました。
最後の一文が強烈に印象に残っています。
代表作といえば
2015/12/22 17:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:huzan - この投稿者のレビュー一覧を見る
松本清張さんの代表作といえば、これだと思います。予想だにしない展開、深まりゆく謎、真相には目から鱗でした
冬の北の海を背景に、夫の未知の領域を探っていく妻を描いた心理サスペンス小説
2004/10/24 20:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
結婚して十日後、「今度の金沢行きが、最後の向こうでの仕事になるだろう」と、妻の禎子(ていこ)に言い残して出発した夫の鵜原憲一(うはら けんいち)。しかし、戻る予定の日が過ぎても、鵜原は出張から帰ってこない。鵜原の身に何かあったのではと危惧した禎子は、失踪した夫の行方を追って金沢へと赴く。北陸の地に滞在して鵜原のことを調べていく禎子の前に、やがて、夫の知られざる生活が浮かび上がってくる……。
北陸の金沢や能登半島を舞台に、新婚早々失踪した夫の足取りを訪ねるうちに、ヒロインの禎子が事件に巻き込まれていくミステリー。夫の秘密の領域に、徐々に踏み込んでいく妻の疑惑がサスペンスをかき立てます。とともに、日本海に面した北国の十二月、暗くもの哀しい風景が、この作品の雰囲気や色調を決定づけているように感じました。
事件犯人が誰なのか、その動機は何だったのか、といったことは、割と早くに察しがついてしまいました。そうした謎が解かれた時の驚きを楽しむミステリというよりも、これは冬の北の海を背景に、夫の過去を探っていく妻の心理サスペンス小説なんじゃないかと、そう思ったんですね。その点では、滝壺に向かって一気に流れ下るような終盤の展開にぞくぞくしたこと、文中にある箇所がここにつながるのか!とハッとさせられたラストが、とても印象深く心に残るものでした。
おしまいに、本書巻末の解説について一言。話の筋をかなり後半の部分まで記しているため、作品の前に読むと、だいぶ興が削がれてしまいます。また、文庫カバーの裏にある内容紹介文の中にも、これは明かさないほうがいいんじゃないかという一文がありました。あらすじをどこまで語るかというのは、こうしたミステリーの場合、微妙なところがありますが、本書ではそれがネタバレ領域にかかっているのではないだろうかと、それがやや気になりました。