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極上の異文化エッセイ
2008/02/07 21:16
17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
語学で身を立てようと思っていた時期がある…と書くとかっこよいが、単に外国や異文化へのあこがれをいだいていた時期が長かっただけだ。だがそんな関係で、本としてわざわざ手にとることはまれでも、米原さんのように有名な通訳者は、語学雑誌などで文章をよく目にする機会があった。
最近になってこの本を手にしたのは、文庫本でありかさばらないこと、そして著者のように渡航の多い人が朝食に関するエッセイを書いたのならさぞかしおもしろいだろうと勘違いをしてしまったことによる。あとから思えば嬉しい誤算で、これは朝食エッセイではなかった。食べものという広くゆるいくくりになった異文化体験であり、著者の半生だ。
子供のころにチェコスロヴァキアで食べていたトルコ蜜飴から、ロシアのハルヴァに話が飛び、さまざまな国や地方の菓子(ヌガーやポルボロン)に世界が広がって、ついには日本の牛皮〔ぎゅうひ、または求肥)や落雁まで話がまとまってしまう「トルコ蜜飴の版図」は圧巻だ。
挿絵の見た目はネイティブ・アフリカンのちびくろサンボがホットケーキを食べるおなじみの話。わたしは疑問をいだかずに読んでいた気がする。だがトラがいるのはアジア大陸でホットケーキを食べるのはアメリカの風習、いったいどこの話だと言われると、なるほどと思う。
わたしがもっとも楽しく読んだのはP.249「叔父の遺言」だ。体調が思わしくなく、食事も思うようにとれない叔父さんが、姪(著者)に食べ物の話をする。一族に共通する食い道楽をふまえてそれをユーモラスに書く米原さんだが、わたしはその叔父さんの気持ちがよくわかる。食べるために生きていると思うほど食い意地がはっているわたしは、実際にこの本を読んだとき、病院で絶食の直後だった。どんな状況でも、持ちこむ本は料理や食べるものだ。それは別につらいことではなかった。
さて、最後にこの本のタイトルのことだが:
「旅行者の朝食」という単語を耳にするだけで、なぜロシア人たちが笑うのか…。それはぜひ読んでいただきたい。
メンデレーエフとウォトカの関係って?
2017/03/13 20:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元素周期表で有名な科学者メンデレーエフがウォトカと関係?はロシアらしいネタですね。あとはタイトルにもなっている「旅行者の朝食」のオチも面白いです。
グルメな米原万理だけあって、おいしそうな話てんこ盛りです。
異文化・食文化・笑文化?
2015/08/29 01:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:フフラム - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者がロシア語通訳者なので、ロシアを中心に書かれていて、異文化を感じられる作品なのはいつも通りで安心して読めました。この本は「食」がテーマになっているので、食べてみたい!はもちろん、なるほどと感心したり、通訳の裏話に目が点になったり、いろいろ楽しめます。
でも、一番は、この本は笑える!って事でしょう。
オススメです。ぜひ一読を。
まだまだ読みたかった…
2019/06/30 05:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
「食」に対するロシアの指導者たちそれぞれの態度が政治的革新度に比例していた、という視点は、食べることが大好きな米原さんらしくて感服しました。
ご病気で亡くなられてから十数年、現在のロシアの指導者たちを米原さんならどう観察するか、叶わぬ夢ながら、読んでみたくなりました。
「旅行者の朝食」、果たしてその実態は?
2019/06/30 05:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
『不実な美女か貞淑な醜女か』で著名な米原万里さんのエッセイ集です。表題作の「旅行者の朝食」、その意味するところが明らかにされる過程が面白かったです。
1950年代の東欧は…
2016/05/05 07:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mai - この投稿者のレビュー一覧を見る
お仕事で回られた各地の朝食のエッセイかと思いました。チラ見して書籍で購入しました。電子書籍もいいけれど、ポケットに入れて旅先でなんども読み返したい本です。
絵からして
2021/09/07 07:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
美味しそう!今はコロナ禍で、旅行も満足にいけないので、旅行記で楽しむ日々だ。
更に、旅行先でのご飯の話は、少しワクワクするなぁ。
うんちくと日常とユーモアと
2024/06/01 18:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
周期律表のメンデレーエフとウォトカの話。旅行者の朝食の笑い話のなぞ。そして日常の話。すべてにユーモアが散りばめられて、納得したり!楽しくなったり!