2008年直木賞受賞作
2016/01/28 09:45
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊切和嘉監督によって映画化された際には、物語が過去から現代へと展開していく構成だった。本書では時間を遡っていくので、花と淳悟の孤独感がより深く伝わってきた
削ぎ落とされた愛の行方は狂気
2022/08/31 20:35
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間を遡っていくと、
気味の悪さが薄まっていき、
まるで純愛であるかのように錯覚する不思議。
この男にはこの子しかいなくて、
この子にはこの男しかいなくて。
その不幸が幸福になってしまうほど
削ぎ落とされた愛の行方は狂気。
考えさせられる小説です!
2016/01/28 09:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、直木賞受賞作です。読者は読み始めてすぐに筆者のすさまじい筆致力によって作品に引き込まれていきます。何かつかみどころのない落ちぶれた主人公「淳悟」は、孤児となった10歳の少女「花」を引き取ります。そして、彼女を大切に育ているのですが、彼らの年齢の差はわずか。とうてい父と娘という年齢差ではありません。彼らはいつの間にか、心からお互いに惹かれていきます。これはすでに親子を超えた愛でした。さて、一体彼らはどうなるのでしょう。ぜひ、読んでいただきたい作品です。
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投稿者:はるまま - この投稿者のレビュー一覧を見る
花と淳悟の関係性というか、何故そこまでお互いに依存してしまうのか、という点が全然理解できなかった。。
でも全体を通せば面白いストーリーだったし、あっという間に一冊読み終わりました。
映画は観ていないけど、私の中で淳悟はトヨエツなんだよな〜!
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読めば読むほど桜庭一樹worldに引き込まれていく。苦手な人も多いだろうけど、私はどっぷりハマってしまった…。
私にはこういう愛の形は理解できないけど、この二人はこれ以上にはないくらい深い絆で結ばれてるわけで…なんだか羨ましいな、と思ってしまう。
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どっぷり浸かった。
桜庭一樹という存在は知っていたけど、
著作は読んだことなくて、今回初挑戦してみた。
直木賞受賞作って読んだことないな
って理由だけで手に取ってみて、
まず裏表紙の概要を読んでみると
いかにも趣味の合わなそうなストーリー
それでも、気まぐれにレジへ進んだのは、
読書家としての本能が働いたのか
正直、この作品の何が凄かったのか
どこが面白かったのかを巧く表現できない
自身が全くない
ただただ、ストーリーに引き込まれ、
もっと読みたい、どうしてそうなったか知りたい
と煽られ続けた結果、読了していた
好きな作品とは言わないけど、
手元に置いておく作品にはなったと思う
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普通に見えて普通でないのは、案外普通なのだということ。
湿気を含んだ人間の営みの中には、きっとこんなことさえ自然なことなのだろう。
淳悟は海に帰るのだろう。花は陸で死んでいくのか。
それでも生きているのだろう。彼らも。私も。
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現在から過去へという流れなので、もう1回読んでみたら受け取り方が随分ちがうんだろうなと思った。久しぶりにこういう濃い関係の話を読んだ気がするけど、あまり嫌悪感を感じないのは直木賞受賞だからなのか?
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途中で一度読むのを休み、あらためて読み終えた。
好みかどうかで言うと、★★だけれど、読み終えたあと雰囲気を思い出せるので、それは、作品としておもしろかったということかなということで★★★。
でも、好きではないし、人にも勧めない。
好みの問題だと思うけれど、終始気持ちがざわざわするというかざらざらするというか。読後感も好みじゃない。もう一度読むことはないと思う。
わたしには、何を言いたいのかわからなかった。
もうほんと、好みの問題だと思う。
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うわぁぁ・・・・・・。すごい。すごいこの本。放心した。こんなの初めて読んだ。どろっどろ。でも、愛。自分の中に、消化しきれない気持ちが残ってる。そんな読後感。
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2010/4/15読了
切ない。花にとっての幸せとは何だろう。淳悟も。
最初は悲しい別れのように感じた。
でも花と淳悟の二人の間ではそういうものではないんだろうな。
別れではなく、ただはなれて暮らすだけで、この先もお互いに満たされあって生きていくんだろう。
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私には希望のある話に思えます。
知らないところで死なれる可能性があるとしても、生きていてくれれば生きていける。それに、10数年経って、欲が情愛に変わったのなら、これからだって変化していける。いつか、もっと柔らかいものになって本当の親子になることもできると思う。時間によって変わる可能性だって残されているから。
私は、いつか淳悟が、ふらっと現れそうな気がした。街中ですれ違うことの方がありそうですが。
彼が死んだかと思い、ボロ泣きしたので。生きていて良かった。
私なら永遠に失うより、どこかで生きていてほしいと思うから。
なんかポジティヴすぎる感想かもしれないけど。
にしても、喪失感、半端ない。
いつでも、道を歩いている時も探してしまいそう淳悟を。
すごい寂しい(T△T)モラルなんてすっとばして一緒にいて欲しかった思いも私の中にある。
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気持ち悪いなぁ…と思いながら最後まで一気に読んで
しまった。
久しぶりにこんなドロドロしたの読んだな、て感じ。
初めてこの作者の本を読んだのだけど、
他のもこういう感じなのかな?
「少女七竈と…」も読んでみたいかも。
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やっと文庫化!待ってました、直木賞、『私の男』。
桜庭一樹の話、大体好きー。決して素直ではなくどちらかと
言うとひねくれてる。歪められた幸せとか、温かさとか。
叔父、いや、父親に対して、“私の男”だ、と思えるその感情、
分かりかねる。。けど、遡っていくストーリー展開で、
後ろに行けば行くほど、最初の方の設定って刹那過ぎるなって
思う。
とは言っても近親相姦のお話です。何だろ。海と陸の差が
分からないという表現にも合ったように、家族を愛することと
恋人を愛することの差が分からない・・・という感じでしょうか。
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親子の境界線を越えてしまった2人のお話。描写が生々しくも痛々しくて、罪悪感と共に息苦しくなりました。
第三者の視点も挟みつつ時間軸を遡っていく所が巧妙だと思う。
読後感よりは、読んでる時ジワジワくるものがあったような気がする。