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紙の本
自分の知らない世界
2006/10/22 01:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉川英治文学新人賞を獲得した作品。
両親世代の浅田次郎、そして同じくらいの主人公・真次。繰り広げられるのは想像もつかない戦中・戦後の現実。
タイムトラベルという内容からするとファンタジーやSFですが、読んでいて凄く現実感がありました。
先日街で見掛けて入った戦争の写真展を思い出します。広島・長崎の原爆を中心に世界各地の戦地写真が展示され、中には薬がなく病で死んでいった少年少女達の絵や写真もありました。
直接本作品とは関係ないかもしれないけれど、読んでいて戦中戦後の東京に写真展と同様の言い得ぬ切なさを感じました。
紙の本
事実を知るタイムトリップ
2002/05/08 09:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
永田町の地下鉄の階段を上がるとそこは30年前の風景だった。ふとしたはずみで、タイムトリップを体験し家族の過去と向き合うことになります。自殺した兄、反目していた父、そして会社で共に働く同僚みち子。地下鉄に乗るたびに、どんどん過去へ遡っていき、自分の知らなかった事実を目の当たりにする。兄の死を防ごうと兄が自殺した日にタイムトリップした主人公は、手を尽くしますが、元の世界に戻ってみると何一つ変わっていない。しかし、生まれてくるはずだった人が生まれてこず、元の世界に戻ったとき、夢のように思い出そうとしてもすればするほど、どんどん薄れていってしまう様は読んでいて悲しかったです。切っても切れぬ血縁関係、胸が苦しくなるような切なさ、全ての謎がとけた時、一部しか見えてなかった物が急に全て見えるような感じがするのです。読んでいて、一緒にタイムトリップするかのように一息で読んでしまった本でした。
電子書籍
時をかけるメトロ
2020/04/24 18:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
駅のホームの見慣れない階段から、過去へと転がり落ちていくシーンが幻想的です。嫌いだったはずの父親の思いにふれ、自らを見つめ直すところもホッコリします。
紙の本
切ない。。。
2018/12/15 11:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を随分前にDVDで鑑賞し、良かった記憶があったので、原作本の本書を読んでみた。
有名な著者ですが、本書が初。
人間臭さもたっぷりで、感情移入もたっぷりで読了。
私は主人公のよりも、浮気相手であるミチコや父親に感情移入してしまった。
なんて切ない話なんだろう。
若い頃の純粋な父親と会い、親子としてではなく、対等に話す父と息子。
父親は、戦後の時代を狡く生きるしかなかったんだろうなぁ…。
恋愛要素もあり、家族愛も有りで、なかなか良作でした。
著者の作品を他にも読んでみたい!
電子書籍
地下鉄から出るとそこは「過去」の世界!
2016/01/17 08:58
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は地下鉄を媒介に主人公が過去の世界で父に会って、頑固で強権な父がたどってきた人生を知るというものです。過去の世界には、私たちが想像もできない戦後の困窮した社会が描かれていますが、その社会の中で力強く生き抜いてきた若き父の姿を主人公は自分の目で確かめ知ることになります。一つひとつの場面が、とても読者をひきつける描写で、浅田ワールドを満喫することができるでしょう。