紙の本
無償の愛
2013/10/28 23:17
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投稿者:tomylee - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通に泣かせる小説だと思ったんですけどね。
これミステリー小説。でも「家族愛」がテーマだからやっぱり泣けます。
失踪した父から毎年誕生日に届く手紙。
これが最後に謎が解き明かされますが、もう最後の4ページはぐしゃぐしゃに泣きながら読みました。
父に育てててもらい、父となった自分。
色んなものが自分と重なり合ってしまいました。
子を愛する心は尊いもの。そんな当たり前のことを改めて深く心に染みさせてくれる作品です。
それと最後に圭一が「あんたのお父さんの選択は間違っていた。」
ここが印象的でした。
この小説はドラマ化されていたんですね。
圭一役が杉本哲太。もうね、この人しか出来ない。ほんとはまり役です。
そしてお兄さんの秋山和夫を村田雄浩。なんだこの的確なキャスト(笑)
男女問わず「おとうさん」のことを思い出しながら読んでもらいたい一冊です。
紙の本
自己犠牲の是非
2022/04/01 15:37
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投稿者:mk - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族のため、あるいは愛する誰かのために自分を犠牲にするというのは、確かに美しいことかもしれません。でも、どんなに辛くても共に困難に立ち向かう方が誠実と言えるのかもしれません。重い内容ながらいろいろなことを考えさせる一冊でした。
紙の本
令和・絶滅危惧種の父親像
2020/05/23 00:38
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投稿者:beni - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の為と書いて”偽”と読む。
皆それぞれ何かのために誠実なのだが
結局は自分のために誠実であることが周囲の人のためになるという
登場人物の一人が最後に出した結論とは、そんな事かなと思う。
読み応えのある作品。
紙の本
あの時代が謎を解くヒントかも
2019/07/03 17:00
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほとんど予備知識もないまま読み始めました。
しかもそれがミステリー小説ですから、どういう終わり方なのかも知らない。
私にわかっていたのはこの作品が2003年に出たもので、文庫になったのが2006年。そんな作品が今でも多くの読者を集めているということ。
調べると、「泣けちゃいます!」「娘・息子必読!」と書店で賑やかな版元からのポップが読者の心に火をつけたということ。
これだけの時間を経て、今でも読まれているのだから、きっと何かある。あるはず、と読み始めました。
主人公の麻美子が24歳の誕生日に10年前に別れた父からまた手紙が届く。
不倫の果てに子供まで出来て母と別れた父であったが、その後も毎年手紙が届く。麻美子だけでなく弟にも。
麻美子に結婚話がもちあがっているが、相手の男の不実に弟は反発している。
そして、その男が殺され、弟は殺人容疑で捕まってしまう。
これが一つの事件。
この話とはまったく別に、自殺をした兄のその真相を知っているような刑事を殺して服役していた圭一が、兄の自殺の真相を知ろうといなくなった兄嫁を探そうとする話が織り込まれる。
まったく違う話が交互に展開され、予備知識のない読者は困惑するかもしれない。
それが中盤以降、ひとつの糸に紡がれていく。
麻美子たちに送られてきた父からの手紙に隠された真実を書くことはできないが、この作品が最初に書かれた2003年あたりは困窮する経済にこの父のような辛い選択をせざるをえなかった人もいたのだと思う。
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一気に読み終わりました。
父からずっと手紙を送ってきて感動的なストーリーかと思って買ったのですが、ミステリーっぽかったです。内容はうーんって思うところがあるけど、意外な結末でなかなかおもしろかった。
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毎年誕生日に、自分を置いて蒸発した父からの、手紙が届く。不幸に立ち向かいながら、父への思慕を深めていく主人公。そして、とうとう、感動の結末。こんな親子の愛ってあるんだろうか?え?うそ?なに?と、先が読めず、楽しかった。
2007.7
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表紙とタイトルに惹かれて手にしました。
父と息子の関係について描かれた感動ものを期待してたところ、娘が主体に描かれた推理ものだったので肩透かし感があった。でも途中から推理ものとして読んで、最後に謎が解けていくところでは、なるほど・・と思わされた。
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ある段階で死人が出て事件が起き、探偵役が殺人のトリックや動機を暴くという、王道のミステリー小説。
ヒューマン物を期待して手に取ったけど、多少肩透かしをくらったような感覚で読み進めた。
「父からの手紙」の秘密が明らかになった時、そこに込められた深き想いに思わず目頭が熱くなった。
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家族を捨てて失踪した阿久津。残された子供の麻美子と伸吾。そして二人の下には誕生日ごとに父からの手紙が届く。だが、幸せ一杯?かと思う麻美子の婚約者が死体で発見される・・。そして、10年ぶりに出所した秋山圭一。この二つのストーリーが交わるとき、複雑な過去の出来事が明らかに・・・。
長編ミステリー。父と子の絆。ちょっと最後は泣けます。
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書店員おススメとあって衝動買い。やったらと平積みされていたんですもん。
10年前に失踪した父。姉弟には毎年誕生日に手紙が送られてくるものの連絡はとれない。そんな中、姉の婚約者殺害の容疑で弟が逮捕されてしまう。
物語はその婚約者殺害事件が軸になるかと思いきや、そうでもない。 同時進行で義姉のために殺人を犯した男の話が展開し、徐々にその2つの道が交わっていく。
色んな話がごちゃごちゃしていているし、テンポはあまりよくない。(同じことの繰り返し)加えて個人的には文章があまり好きではない。
でもでも、こんなにこき下ろしておいてなんですが、ラストには号泣しちゃいました。
帯にもあったように“父の愛は本当に強く、せつない”。
推理小説ではなく、家族愛モノという感じです。
それも結構ストレートでわかりやすいです。
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全く違う境遇の二人の主人公。
共通点なんて無いはずなのに、つながっていく。
二人が近づくたび話全体のなぞが解けていくので
読んでいると止まらなくなります!!
ミステリーは謎解き?がおもな感じで
感動したものは特に無かったのですが…最後は泣いた!
お父さんの親としての優しさが伝わってきます!
謎が解けていく楽しさが十分なのはもちろんの事、
感動せずにはいられないストーリーです。
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伸吉については、そうだろうなぁという感じが最初からしてました。阿久津家側の展開はわりとありがちな気が。それよりも、秋山圭一が起こした事件について興味が湧いて、阿久津家とどう結びつくのかが関心事でした。それにしても、登場人物が皆さん家族に甘くて歯がゆいくらい。もうちょっと葛藤とか、やつ当たりとかするもんじゃないかと。一番最後の手紙はほろりとくるものがありましたが、感動や絆はあまり感じられませんでした。
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ミステリーではありますが単にそれだけではなく、
題名にもなっている「父からの手紙」がラストに
大きく泣かせてくれます。
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どこかで掛け違えた事柄がどんどんとずれていって幸福を祈りながらの動きが不幸へと続いていく。
構成とか結末とかなんとなく予想は出来たけど
ジーンとするMな作品でした。
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境遇が全く異なる登場人物2人のストーリーがそれぞれ進み、
話が進むにつれて、つながりを見せる…という、ミステリー?サスペンス?な1冊。
それに加えて、家族愛とは何か?を考えさせられる1冊でもある。
話が進んでいくうちに、色々なことが明らかになるのは
読んでいて楽しいし、ドンドン読める!と感じるのだけど、
なぞかけが沢山仕掛けられている小説は、
個人的にあまり得意じゃないみたい。。。苦笑
あまりにも多くのものごと、思いが込められていて、
理解するのに時間がかかってしまうのは、やっぱり私のお頭が弱いのかなー。
大切な人を守りたいと思うがあまりに
矢印が反対の方向を向いてしまったり、すれ違いが起こってしまったり、と
家族を含めて、自分以外の人のことを想うって、何なんだろうなぁ、と考えさせられました。
自分が思っている以上に、親は子どものことを、家族のことを考えているのかもしれない。
私は、子としての立場からしか理解できない部分があると思うので、
子を持つ身としての見方はまた変わるのだろうな。
心温まる家族愛、というよりも
後から気づく、父親からの愛、といった感じかな。
時間を置いて読み返したら、一味も二味も変わりそう。
これまた、2007年にドラマになっていたみたいです。