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紙の本
組み合わせは変わってもピースの接点は変わらない
2010/06/05 14:38
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
最終話まで読み終わってみると、第一話でほとんど全てが語られていたんだな、と思う。ただ、同じ様な出来事でも、それを捉える側の心理が変われば見え方が変わってくる。
周囲の出来事が変わるようでいて、結局のところ自分の変わるべきところが変わるまでの過程として必要なのが、二話と三話の試行錯誤なのだろう。
一回生の時の選択肢の違いによって引き起こされる、三回生のときの出来事の変化が延々と繰り返されるだけなのだけれど、そこには変わらないターニングポイントがいくつかある。そして最終話に至って、それらの関係性が明らかにされるわけだ。
いずれの話にせよ、訪れる結末は大概の人にとっては十分幸せだと思うのだが、本人は不満が残るらしい。なんて贅沢なんだ。
紙の本
人生なんてそんなもの。1つの選択で劇的に変わったりしないんだ。
2010/08/17 13:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は4話で構成されている。
第1話を読み終わった段階で、「あぁ、これは『太陽の塔』と同じようなものか・・・」と思い、第2話の途中で頭に「?」が浮かんだ。読んだ覚えのある文章がそのまま散りばめられており、主人公も第1話と同じ時間に生きている。少なくとも第1話の続きではないらしい。そこで気づく。カバー裏面にあるではないか。”4つの平行世界”と。そういうことなのだ。
主人公「私」は、大学に入ったばかりの春にどのサークルで華やかなキャンパスライフを送ろうかと迷う。数ある新入生用のビラの中で特に惹かれたのは、次の4枚。映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」という奇想天外なビラ、ソフトボールサークル「ほんわか」、秘密機関〈福猫飯店〉。そして、この4つのビラのうちどれかを選択した時点で、「私」の人生は平行して進んでいく。映画サークルを選択した人生、奇想天外なビラについていった人生、ソフトボールサークルに入会した人生、秘密機関に身を置いた人生。これらの人生が平行して進んでいくのである。
どこかの本か、それとも映画だったか、ドキュメントだったか、それは定かではないが、以前、聞いた(読んだ)ことがある。人は何かを選択するとき、その時点で選択肢の数だけ人生が並行して進むのだと。それ故、異次元だかなんだかわからないが、この世には人の数の何倍もの人生が平行して存在しているのだと。
同じような文句が各話に散りばめられているということは・・・。そうである。どの道を選択したところで、結末はそう変わらない。同じ人間が歩くんだ。1つの選択で劇的な変化が起きるなんてそうそうあるものじゃない。しかし、決して退屈ではなかった。それぞれの繋がりを見つけては愉しんだ。最後の第4話なんて、全てを締めくくるにふさわしい話だ。
私は著者のこの文体が好きである。もったいぶったような言い回し。笑いをこらえられないほどに格好付けた喩え。そのくせ、実際に起きていることと言ったら、些細なことなのである。まぁ、中には程度を越えたものもあるが。
そして、どこかネジが歪んだ登場人物も好きだ。近くにはいて欲しくないけれど。
人生なんてそんなもの。深刻にならないで愉しもう。そんな声が聞こえる気がする。
紙の本
人生は些細な決断の連続
2018/05/20 15:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
凄い小説でした。
4編の短篇で構成。大学入学時の些細な選択の相違によって、人生はいかに変化するかという深淵なテーマで、4通りの大学3年生の春を描写。同様なテーマは、いろんな小説や映画で、主にタイムスリップもの(例えば、重松氏の「流星ワゴン」)として描かれることが多いですが、個人的には本作品は秀逸でした。人生は些細な決断の連続。自らを振り返り、「あの時、こちらを選択していたら」なんて考えること自体がナンセンスだと思い知らされました。
それにしても、森見さんの着想力は凄すぎて、圧倒されました。
紙の本
有名だったから
2015/09/12 21:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miina - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメがすきで、いろいろなところに四畳半神話大系とかかれており
賞もとっていたので信用できるかな、と思い購入。
半分くらい読んでもあまり面白くなく、レヴューに最後が面白いと書かれていたので
我慢して続読。結果、あまりおもしろくなかった。
しかし!よく京都にいくのだけど、本を読んでいる途中に京都御所だったかな?に花見へ行ったときに、近くに京大がある!ということで珍しく歩いて行った。
その道程にこの物語の舞台があって、そのとたんになんだかうれしくなった。
物語に立体感がでた。だからこの本を読むならぜひ京都にいってほしい