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紙の本
無間地獄
2003/09/24 23:19
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふゆせ哲士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は上下巻の一大脳内ミステリー小説である。
上巻の後半あたりから下巻の前半まで記憶喪失の主人公が正木博士なる人物の奇妙な作品をいくつも読んでいく事で進んでいく。「キチガイ地獄外道祭文」に始まり、論文、探偵小説、最後に博士の遺言状まで多岐にわたる。
一つの作品に入れ子してまったく別の文体による作品が入っているのだ。これらは一見無関係なモノに見えるため、飛ばして読んでしまいそうになる。しかし実はこれらが下巻で解き明かされる謎への伏線になっているのだ。
私がわざわざ下巻の方にこの書評を書いているのは、下巻の怒濤のような勢いに魅せられたからである。上巻で積もりに積もった謎は話が進むにつれその全容を次第に現していく。その一方謎はより巨大化し最後まで読むことによって完全にわからなくなる。
この作品は下巻を読み終えたあとからはじまるのだ。そしてそれは一生終わることはない。
ドグラマグラがなぜ奇書と呼ばれるのか? 私なりの結論は読み終えると脳の認識が信用できなくなり、最も複雑怪奇な謎としての自己がいやおうなくクローズアップされるからであると考えている。
決して読後の後味は良くはない。人によっては気分が悪くなることもあるだろう。しかし、それほどの衝撃をうける事は確実である。
紙の本
面白いですよ!
2024/01/31 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジュンタロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は精神に異常をきたすなどと言われていますが、全くそのような事実はございません!
前置きはここまで…
この作品は、考えさせられます。
何についてかと言うとネタバレになるので言いませんが、何度も繰り返し読みたくなりますよ!
おすすめです。
紙の本
一気に読んだ
2023/10/16 17:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は難しくて何度か折れそうになりましたが、後半になると一気に読んでしまいました。読んでよかったです。
紙の本
読んでいるこちらも頭が・・・
2022/01/02 18:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
探偵小説なのかと聞かれると、そうではないような気がする、主人公の私が探偵らしきことをしようとするのではあるが。強烈な印象を残す、正木教授の論文「胎児の夢」が怖い。そしてラスト、「胎児の夢」とはこのことかと知った時の驚愕。呉青秀が描いた絵巻物は見たら最後、気が狂うというが、私はこの小説を最後まで読んで気が狂いそうになった、冗談ではなく、いや、本当に
紙の本
夢野久作氏による奇想天外な、日本の三大奇書に数えられる作品です!
2021/02/05 09:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、戦前に活躍された夢野久作氏の作品です。同氏には『あやかしの鼓』、『夫人探索』、『ゐなか、の、じけん』、『人の顔』、『瓶詰の地獄』、『死後の恋』、『涙のアリバイ』などがありますが、何といっても同書が一番の代表作でしょう。同書は、探偵小説家としての粋を結集した作品で、構想・執筆に10年以上の歳月をかけて、1935年に刊行されました。そして同書は、小栗虫太郎氏の『黒死館殺人事件』や中井英夫氏の『虚無への供物』と並んで、日本探偵小説三大奇書に数えられていいます。表題となっている「ドグラ・マグラ」の原義は、作中では切支丹バテレンの呪術を指す長崎地方の方言とされたり、「戸惑う、面食らう」や「堂廻り、目くらみ」がなまったものとも説明されていますが、詳しくは明らかになってはいません。この機会にぜひ、夢野久作氏のこの奇想天外な小説を読まれてはいかがでしょうか。
紙の本
最高
2018/05/17 16:19
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投稿者:狂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こな作品で夢Qのファンになってしまいました!唯一無二の文体、発想、構成!他の人には書けないですね!さすが奇書!
紙の本
人生を賭けた闘い
2016/02/28 19:39
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投稿者:suka - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと気になっていた作品ではあったものの、文庫の装丁があまりにショッキングなため電子書籍でひっそりと読みました。
とにかく面白いです。精神異常にはなりませんでしたが、狂ったように一気読みしました。
夢野久作が10年以上の歳月をかけた傑作です。
狂人の解放治療に魅せられ、人生を捧げたのは登場人物たちだけではなく、作者自身だったのではないかと思います。