- 販売終了
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
文学(から構成されている)少女
2008/12/14 02:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館で発見された、太宰治の「人間失格」を下敷きにしたような、作者不明の手記。事故と自殺。極めて重く暗いテーマを、前述の手記と文芸部の日常を交互に織り込みながら物語を展開している。太宰の作品がファンを引き付けるのと同じ理由で、この手記に魅入られた者がもがき、苦しむ。苦しみから解放されたときに向かう先は、地獄か、それとも日常なのか。中終盤で物語の構造が二転三転する様は、ある意味ミステリー的な要素とも言えるだろう。
このように書くと非常に暗い話のように思えるだろうが、作品全体に漂う色調は極めて明るい。そのもっとも大きな理由は、主人公である井上心葉の文芸部の先輩である天野遠子の存在だろう。なにしろこの先輩は、物語を食べる。比喩的な意味ではなく、本当に本を主食とする妖怪!なのだ。既存の名作を食べるだけでは飽き足らず、心葉に甘い作文を書くことを強要し、一般生徒からも美味しいストーリーを収集しようとする。このはた迷惑な行動が今回の事件を呼ぶことになるわけだが…
他にも、遠子にちょっかいを出してくる姫倉麻貴や、心葉のクラスメイトの琴吹ななせなど、今回は顔出ししただけで終わったような面々がいる。オセロに例えるならば、この作品は
盤面中央に白黒の石を4つ置いただけのような状態。今後、どこにどの色の石を置くかで、物語はどんな方向にでも進むことができるだろう。(もう完結しているようだが…)
コメディとして面白く、ミステリーとしては意味不明
2006/05/10 18:47
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュブナイル文学ミステリーとでもいう感じ
ミステリー部分はかなりおざなりなので、厳密にはミステリーではないかもしれませんが
文学少女といい元・天才美少女作家といい、キャラクターは面白いのですが、ストーリーの方向性がきちんと定まっていない感じが勿体無かった
日常描写のコメディ的な面白さは非常に良いのに、ミステリー的な部分が適当すぎて温度差がある気がします
太宰治に対する偏愛と青春臭いキャラクターの心理描写がメインという感じでしょうか
予想外
2013/04/21 22:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JACK - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファミ通文庫いえば、「明るめのラノベ」というイメージがあったのですが、見事にそれを打ち破りました。
すこし怖いです。
が、面白いんです。
ほろ苦く優しい青春コメディ?
2006/08/13 16:52
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hal - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字通り、もしゃもしゃと本を破って「食べてしまうくらい」本が大好きな先輩と、
中学時代、実はベストセラー作家だったにもかかわらず、「女性の覆面作家(しかも勝手に美少女設定にされている)」としてプロデュースされたことがトラウマになっている少年が主人公。
今回は、太宰治の「人間失格」をネタにした推理小説風学園コメディです。
基本的にシリアスで、書く人によってはもっと苦い後味を残すストーリーだろうに、どことなくあたたかい印象を残す作品です。
欠点としては……、
続編が出るらしいので、それを見越してあえてこう書いたのでしょうけれど、
ギャルゲー的にいろんなタイプの少女たちが出てくるわりにはそのほとんどが顔見せ程度の登場しかしていないことが気になります。
あえて思わせぶりにキャラの御披露目をする必要はなかったんじゃない?
主人公などのエピソードについても、
無駄に次回に引っ張る思わせぶりな描写が目立ちます。
せめてタイトルを「”文学少女”と死にたがりの道化 1」にしてほしかったですね。
まあ、電撃文庫は、続編の発売(シリーズものになる)のが前提のようなもので、一巻に「一巻ですよ!」と明記することも少ないので、しかたないのかもしれません。
細かいところを気にせずに読めば、面白いですよ。
勢いもあるし、くだけすぎず整いすぎずのバランスがとれた文章も読みやすいです。
鼠色がまざった水色
2015/03/26 14:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビブリア古書堂が重厚な茶色だとしたら、文学少女は鼠色がまざった水色といったところでしょうか。キャラとして立っているのは物語を食べてしまうくらい愛している表紙の天野遠子ぐらいなもんですが、最後のどんでん返しはなかなか見事です。しかし最大の魅力は作中に出てくる本の紹介ではないでしょうか。太宰治の『人間失格』が猛烈に読みたいです。