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そうだ、僕は放浪者にすぎぬ。この世の巡礼者だ。しかし君たちもそれ以上のものなのだろうか。
人間はどうしてこうまで冷たくしていられるんだ。それを思うと胸をかきむしり、脳点を叩き壊したくなることがよくある。
おまえの運命は類がないものだ。ほかの人たちは幸福と言っていい、お前ほどの苦しみを味わったものはいないのだ。
人生はただ一場の夢のごとし、よく人のいうことだが、ぼくもやはりいつまでもそんな気持ちがしているのだ。
ぼくはまるでカミが聖者たちのためにとっておいたような幸福な日々を送っている。このさきざきがどうだろうと、ぼくは人生の歓びを、最も清らかな喜びを味わったんだ。
自分の情熱や自分の欲求からでもないのに、他人のため、カネのため、あるいは名誉とかなんとかのためにあくせくする人間はいつだって阿呆なんだ。
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〈非常に思い出深い〉
20歳前後、僕は本という本を本格的に読み始めた。
「本を読もう」と思って最初に手を付けたのは、一番古い記憶では漱石の『こころ』だった。そして、『こころ』に感動し、また何か読もうと本屋で目に止まったタイトルが『ウェルテル』だった。ゲーテなど一切知らず。当時の僕の心境が、このタイトルと呼応したのだ。
ウェルテルは恋の三角関係に悩み、最後はピストル自殺を図るのだが、そんなウェルテルに僕は僕自身を重ねた。
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作品を構成する書簡ひとつひとつをゆっくりと読み進めると、ある事実に気づくはずです。ラブストーリーという筋書きからみれば、あってもなくても大差ない手紙がいくつもあるという事実。これらの手紙を通して語られるゲーテ自身の思いこそが『若きウェルテルの悩み』を名作に高めている大きな要因、魅力ではないかと...
【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】
http://www.prosecute.jp/keikan/038.htm
【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】
http://prosecute.way-nifty.com/blog/2008/05/38_fd8a.html
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自分の感情不平・不満を友人に手紙で送るということに対して、私は、友人に言わず、自分で解決・消化しろよ!!と思ってしまいました。
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情熱を傾けた相手が人の物と知りつつも自分の気持を抑えられない。人間はどうしてこうも悲しい生き物なのだろう。背徳感や倫理観に逆らうことでまた快感を覚えてしまう。
愛にたいする格言はたくさん存在するがうまく言い当てた言葉には未だ出会ったことがない。愛を表現するのま難しいのだ。
この本のなかの愛は誰ひとりとして救えていないではないか。
だから言わせてもらおう。
「愛とは救いがたいものである。」
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ウェルテルの語りが、感情豊かで引き込まれる。
でも、豊かすぎるかなー、とも思う。
前半の安定している頃は安心して読んでいられるけど、後半、悩みに悩んでるとちょっと読んでてしんどいし、もう少し落ち着け、とも言いたくなる。
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もし読んでいない人がいるなら、その人は絶対損をしていると思わせる本でした。
人生において感じる苦悩の一つが、ここにあります。それも究極的な形で。
ロッテへの遺書でしきりに「あなたはもうぼくのものなんだ!」とウェルテルは書きます。この矛盾を書いた、いや書かねばならなかった彼の心情が分かると言うのは、私の傲慢でしょうか。
しかしゲーテがこれを自らの体験に即して書いた、というのがすごい。見事な昇華です。
短いのですぐ読めます。お勧めです。
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トーマス・マンの『ワイマルのロッテ』を読んだついでに読みました。
若かりしゲーテの、シャルロッテ嬢に対する成就しなかった悲恋を、書簡風の作体でつづる半自伝小説です。
あまりにも有名な本なので…あらすじは私が書くまでもないですね。はい。
感想。ひっじょうに面白く読み応えがありました。燃えるような恋をしたことのある人に…また、そういう恋愛にあこがれのある人に、読んでいただきたい作品です。決して遂げられない想いに身を焦がし…最愛の人のために命を散らす…誰だって一度はこんな空想をするんじゃないかしら。
本作品の主人公・ウェルテルも、(これは作者ゲーテ自身なのだけど)そんな空想の虜になった一人の男なのでした。
しかし、この若気の至りを遺憾なく発揮しまくるアイタターな青年ゲーテ(=ウェルテル)が、後年 世界の歴史に名を残す詩聖ゲーテになるとは。
この作品からはとても想像がつきませんねwww
あ、ウンチクですが 製菓メーカーの“ロッテ”は、この作品のヒロイン
シャルロッテの愛称“ロッテ”に由来するそうな。
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絵描きのウェルテルは新しい土地で暮らし始め、
舞踏会で知り合ったシャルロッテに恋をした。
しかし知り合う前からわかっていたことだが、
彼女には婚約者がいる。
それでも自分の気持ちが止められないウェルテルは
ロッテの妹や弟たちとも親しくなり楽しいときを過ごす。
とうとう婚約者のアルベルトが到着してもつきあいは続き、
一度は遠くの公使に仕えるがやはり戻ってきてしまう。
ロッテへの激しい思いを綴った書簡体小説。
カバー装画:牛尾篤
名作古典を読もうキャンペーン。
ひたすら献身的な片想いに身をやつすと
最後はどちらかの死しか選択肢はないのだろうか。
ウェルテルとロッテしかり、下男と女主人しかり。
しかしもしこんな手紙が毎日のように届いたら
げんなりするだろうなぁ…
途中の朗読のところで断念しそうになった。
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~101230
ネタバレ読んじゃったのに結構な衝撃だった。ウェルテル効果が生まれるくらいだもんなぁ。
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「確かに、日増しに確かになってくる、人間の存在なんて何でもないんだ、まったく何でもないんだ。」
自殺に関しては、アルベルトよりウェルテルに近い考え。
誰が悪いとかじゃなくて、どうしようもないことなんだろうな。
此処からどう生きていくか、これもきっと、大切なこと。
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書簡体というテクニックを用いたことによって、若き青年が苦悩に陥っていく推移は非常に解り易い。が、情景を掻き立てるには少々不十分。
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『こんなに苦しいのなら悲しいのなら 愛などいry!』全然シチュエーションが違うんだけど、なぜかこの台詞を思い出してしまう。かのナポレオンも熟読したというこの本、正直序盤は読みにくい文章でページが進まなかった。純情過ぎるウェルテルはロッテとの叶わぬ恋に身を抑えることができず滅ぼしてしまう。狂気じみた恋なのだが一度はこういう恋に落ちるのもいいのではないかと思う。映画も楽しみです。
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ヨーロッパではウェルテルを真似て自殺者が増えるといった社会現象を起こした作品です。
あまり印象はよくない先入観がつく内容ですが、本編はウェルテルの純粋な感情と青春を描いています。
一つの恋愛ストーリーというより、現代にも通ずる社会に適応出来ない「不器用な方」の生き様をあらわしています。
これに「不器用」という言葉を使用するのは自身的にはあんまり好きじゃないのだけれども、現代だけでなく本編の時代でもそう言ったと思う。
自分の感情に愚直な人には息苦しい世の中をあらわしているような・・・
この作品に感じた事を言葉で表すのはとても難しい(長くなる上に、それでも説明できない)ので、ぜひ一読してほしいです。
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ウェルテルはなぜ自殺しなければならなかったのか。美貌の人妻ロッテへの叶わぬ思いは明らかだが、身分制度(作品は18世紀に成立)をはじめとする社会の束縛が自由を希求する純情多感な青年を追い詰めていく。だれもが通過する青春の危機を描く古典的名作。