電子書籍
題名とはやや異なる内容
2022/06/09 18:48
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
辞書によると本紀とは「中国の紀伝体の歴史で、帝王1代の事跡を記したもの。」とある。本書も大力士雷電の伝記ではあるが、雷電以外の人々 事績にも多くのページが割かれている。基調として大飢饉であったの江戸時代天明期の政治社会への怒りがある。純粋に小説としてみた場合、この怒りが邪魔に思えることもあるが、この作家の特徴だと思いたい。
紙の本
本を読む歓びを感じる一作
2017/11/04 13:44
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて知らぬ間に力が入るというような作品でした。
雷電為右衛門の相撲う(すまう)場面の描写もかなり惹きこまれて力が入るのですが、天明の浅間山噴火とそれに伴う飢饉の際の一揆の様子が克明に描かれているのですがこれが本作の白眉かもしれません。
小説ではあるのですが、読んでいてノンフィクション作品だったかと思わせるところのある綿密さと透徹な感じを受けました。
こんな作品に出会うと本を読むことの歓びを改めて感じてしまいます。
電子書籍
雷電は最高!!
2016/05/03 17:56
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投稿者:kura - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらずの力作。相当の覚悟をして読み始めないと、すぐに積読本になってしまう可能性は大きい。
史実上仕方がないのでしょうが、「雷電、雷電」と連呼する民の大歓声の下に、主要3名が娑婆に解放されるクライマックスであったら、落涙していたでしょう、きっと。
紙の本
これぞスーパースター!
2021/07/30 10:26
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
雷電の活躍も含めて江戸時代の相撲人の境遇がよくわかった作品だ。相撲好きの人にはたまらない小説だと思う。
そして相撲人が江戸時代の庶民にどれだけ愛されていたかわかる一遍だった。
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歴史物を得意とする飯島和一の最初の歴史物。
江戸時代の関取、雷電は民衆の希望として全力で相撲い続ける。彼の姿に民衆は力づけられていく。
史実に基づいた、精巧な描写と十分に練られたストーリーは素晴らしい。最初は読みにくいが、読んでいくと止められなくなる。
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飯嶋氏の小説は淡々と描かれているがその文章が心に沁み入る。
この著作も面白かった。
文の流れにあまり抑揚はないのだが自然と感慨に耽ってしまう。
著作全て読まずにはいられない。
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その場の空気にもふれられそうな文章があいかわらず見事。
この方の小説を読んでいると、“このままでいいのか”“今のままで満足するのか”と
自分自身がせっつかれているような気がする。
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飯嶋和一にハズレなし!と帯に書いてあるのですが本当です。
いろんな歴史の一面を切り取ってたくさんの作品を残していただきたいです。
ちなみに相撲に興味の無い私ですが本作はとても楽しめました。
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昨今の相撲業界のみなさんがこぞって読んだらいいんじゃないだろうか。
雷電という人が象徴するもの、ひとくちには言えないが、そこにある、自尊心、誇り、怒り、強さ、静けさ、優しさ、正直さ、野性、猛々しさ、まっすぐさ、そういうものに心を打たれる。
相撲業界だけでなく、ぼく自身も背筋がピンとなってしまう、そういう小説だ。
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読み始めると、外の音が聞こえなくなるくらい没頭。
心が締め付けられ、苦しくてハッとした。
しみじみと静かに響く力強さに言葉も出ない。
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江戸時代に実在した力士・雷電と、商人助五郎を描いた物語。
ときは天明、度重なる飢饉や一揆で苦しむ貧しい庶民を、雷電は相撲を取ることで希望を与えていく。
決しておごらず天性の体格を生かして自己鍛錬を重ねていく雷電だけでなく、彼の良き理解者として支える助五郎の気骨や人情もまた、すがすがしく心洗われる。
一番印象に残ったのは、大火事や天災の後に、雷電が赤子たちを抱き上げ厄災祓いをするシーン。
この場面は何度も繰り返し描かれるが、搾取し利権をむさぼる侍達とは対照的に、民衆を励ます存在として己のすべきことをこなす雷電の、民草への優しい視線に心打たれる。
また、この時代の庶民の生活が丹念に描写されており、リアリティ溢れる重厚な奥行きを物語に与えている。
ただ、時間軸が前後しながら描かれていくので、頭の中を整理しながら読み進める必要があり、読みにくいと感じる人が多いかも。
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序
蒼竜篇
朱雀篇
白虎篇
玄武篇
著者:飯嶋和一、1952-、山形県、小説家)
対談:久間十義、1953-、北海道新冠町、小説家)
解説:倉本四郎
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文章が凄まじく不自然にねっとりと絡み付いてくる。
どうだい俺これだけ雷電のこと調べたぜ褒めて褒めて的な。
面白いけど、鬱陶しい。
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皆さんは相撲界最強の力士、雷電をご存知だろうか。
この作品は江戸時代に最強の大関(当時の最高位)として活躍した雷電を主人公にした小説である。
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大作、力作であることは疑う余地のないところ。
ただ、話の流れが前後するため、流れがつかみにくい。
20歳の頃の話のあとに、18歳の頃の話になり、
別の人の話がはじまり、26歳の頃の話になるという調子で
編年形式ではない点が難点だった。
資料がないなかで人物像を浮かび上がらせるため
いろんな周辺人物で脇を固めているものの、
ややもすると雷電の物語なのか、雷電周辺の人の物語か
わからなくなってくる。