紙の本
眼の付け所
2022/02/15 08:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある種の共依存を描いたお話でした。あの時代にこの手の話が書けるのは凄いと思いました。目の付け所が違います。
紙の本
心理描写が見事
2024/05/04 22:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
母親と娘が、母親の再婚を巡って関係をこじらせる物語。
よくある話でも、クリスティが書くと読み応えのある小説になりますね。特に「犠牲」についての考え方は、誰もが知っておいた方がいいなと思いました。
脇役のローラとイーディスも素晴らしく、クリスティの分身のように感じられました。
電子書籍
メアリ・ウェストマコットという別名義で発表されているため
2022/12/01 01:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵は出てきませんが人間ドラマとしては奥深いです。愛憎半ばするような母と娘の関係に圧倒されつつ、ラストは涙なしに読めません。
紙の本
面白かったです
2021/11/19 11:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーによる人間物語です。夫を亡くした後、アンと娘のセアラとは、固い親子関係で結ばれていたのですが、アンの再婚問題を機にそんな関係に亀裂が入ってしまいます。互いに自分を見失い欲望に身を任せた自堕落な生活を送るふたり。そんな過ちに気づき、尊厳を回復するのに何年の時を要します。互いのすれ違いや不協和音が苛立たしくもあり、クリスティーならではの綿密な人物描写に感心したりでした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーがメアリー・ウェストマコット名義で発表したミステリーではない小説。殺人事件はなくても人間心理の深奥を抉る描写にページをめくる手が止まりませんでした。
投稿元:
レビューを見る
メアリ・ウェストマコット名義のクリスティの作品は、読み返すほどに味が出てきます。読むたびに新たな発見があり、そこから自分の考え方が分かってくるというか。最初に読んだころから随分違う印象を持つようになりました。母と娘、愛しているからこそどんな犠牲も払う。それを決めたのは自分なのに、相手を恨めしく思ってしまう瞬間があるのです。その気持ちが段々胸に溜まっていって、自分でも訳のわからないモヤモヤになって・・・。ミステリの女王は人間観察の女王でもありますね。イーディスやデーム・ローラの台詞を読んでいると、目の前にクリスティがいたら心の奥底まで見抜かれそうな気がしてきます。
投稿元:
レビューを見る
若くして夫と死別したアンは、持てる愛情のすべてを注いで一人娘セアラを育ててきた。だが再婚問題を機に、二人の関係に亀裂が。
投稿元:
レビューを見る
私も娘がおりますが、一人娘でなくてよかった。
母と娘一対一だと密着ぶりが半端ないだろうと予測できます。
憎みあうときは際限なく、かといって娘は娘、やはり可愛いのです。
投稿元:
レビューを見る
ノン・ミステリーシリーズ。
母と娘という、一種異様な独特の関係を描いた作品。
憎むのも、煩わしく思うのも、心配するのも、反発するのも、愛しているからなんだと強く思いました。
読んでいる間、苦しめられ、振り回され、のたうちまわり、ラストは涙が止まりませんでした。
投稿元:
レビューを見る
アガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。
まず、未亡人の母親。
再婚をめぐる心の葛藤。
死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。
未亡人の母親の娘。
わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。
未亡人の母親の友人。
著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。
それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが
織り込まれているような気がしたのは、設定のうまさだろうか、表現のうまさだろうか。
自分が選ぶアガサクリスティのベスト10に入れたい。
投稿元:
レビューを見る
ローラが!ローラが!かっこいいっ!!
んー、なんとも言えないこの家族関係。
ぼくも、自分の親子関係と照らし合わせて読んでいました。
この親子がしていることを普段何気なくしている人っていますよね、ぼくはわざとすることがありますが。
投稿元:
レビューを見る
親は子供にうるさく思われるくらいがいいのかもと思った。
放っておいても取り返しのつかないことは
実はそんなには無くって大体上手くいくものなのかもしれないが、
行動することで回避できるならそれに越したことはない。
投稿元:
レビューを見る
若くして夫を亡くし育てた一人娘も19歳になった。そこに再婚してもいいかと思う男性が現れた。ところが娘と男性はそりが合わない。娘は全力で男性を排除しようとする。男性には娘と自分とどちらを択るのか?と選択を迫られ、娘を選ぶ。まるで一人息子を争う嫁姑のような会話が展開される。
また女性が間にはさまり対立が異性という点では婿取り娘対実母と婿。これも間にはさまる娘は大変。自分がこの立場なので、対立相手は娘ではなく実母だが、この小説の未亡人アンが娘と愛する男との間にはさまり神経が摩耗する会話が実にリアルに響いてきて、読むのがつらくなるほどだ。
娘は母親が相手の男性を好きな事に気づかないし気づいてやる余裕も無い、という描き方だが19歳ならそうなのかなあ。あるいはクリスティ自身の再婚あたりの実情はどうだったのか。
娘は娘、A Daughter's a Daughter's 娘のために自分のしたいことを犠牲にした と思い娘のあやうげな結婚にも親身にならない。娘は相談した時否定して欲しかった、と最後に言っているが、修羅場とはこういうことか。
1952発表
2004.8.31発行 1018.7.25第3刷
投稿元:
レビューを見る
2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。訳者あとがきあり。解説は児玉数夫(映画評論家)。第2章までが前振りで第3章で大きく物語が動く。第3章のきっかけは『愛の重さ』ほどは唐突でない。最後は主人公たちへの思いやりで終わり、うまくまとまったか、という感じである。
訳者あとがきあり。解説のタイトルは『クリスティー映画が日本の銀幕に初登場したころ』
投稿元:
レビューを見る
アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコットの名で書いた母と娘の物語。
娘の名付け親であり、母の友人でもあるローラの言葉が良い。淡々と語るその内容は、アガサ・クリスティーの考えそのものなんじゃないかしら。
人間は結局のところ、自分自身しか道連れはいない、女は中年から開花する、仕事は自分自身から逃避する有効な手立てだということ、一つ一つが身に染みる。