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投稿者:ねこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
リホコ、貴女は賢いの?
若尾大紀はどうしたの?たとえ刑務所の入っても出てきたら彼なら絶対接触してくるはず。だって若尾をバカにしたでしょう、絶対あきらめないはず。結局窮地はSFみたいな話になって解決してはぁ?って感じ。別所はリホコだけに見えてた人?別所の好きな人の話も架空の話??レビューはすごく良かったけど私にはよく理解できないハテナだらけの話でした。
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理帆子はいつでも、ここには居場所がないと感じている。
でも、そこにいるために周りの人間が望むようにふるまう。
この人はこう言ってほしいと思っている、だからこういう態度をとる、相手が満足してうまくいく、それを見て、みんななんて馬鹿なんだろうと考える。
分かるところもある。
でも結局、自分を開示しないと居場所は手に入らない。
理帆子はそれが怖かっただけだと気づく。
なんだかすごく、自分の黒歴史の引き出しを開いて眺めた感がある。
お母さんの言葉がぐっとくる。お母さんは、理帆子視点じゃなかったらどんなひとなんだろう。
最初の振りがあったので、最悪の事態にはなっていないことが分かっていたから、そこは緊迫感がなかった。むしろ安心して読んだ。いいのか悪いのか?
作者のドラえもん愛がとにかくすごい。
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2008/11/18 7&yにて購入。
2012/2/28~3/1
辻村版、藤子・F・不二雄先生へのオマージュ。ドラえもんの道具をキーワードに、青年期のアンビバレントな心情を描く。辻村さんの過去2作品とは傾向が異なるが、名作。新しい一面を見せてもらい、次作以降も楽しみだ。
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辻村先生の作品の中で、一番好きな本です。
ドラえもん全巻読みたくなります。
自分は感情を出しやすいのに、それが受け入れられず、心の奥に隠そうとする主人公に、とても共感します。
とっても、優しいお話です。
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作者は人の気持ちを、意識しない意思を、心の機微を文字にするのが本当に巧いと思う。
気付くと気持ちが深く入り込んでいて、その表現の鋭さに時々息苦しくなるほど。
目を離して深呼吸、そしてまたダイブ的な。
面白かった。
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注意すべきは、このお話自体が「Sukoshi Fushigi」SFであるということ。終盤までは☆3つかなあ、くらいの気持ちでいたのですが、最終章を読んで評価一変。途中途中で、「あれっ?これってミス?誤植?」とか思っていた小さな伏線の回収が優しい。終盤まではそれこそ主人公のように一歩引いたところから物語を追っていましたが、最後はとても温かい優しい気持ちになれました。「スロウハイツの神様」と並び、辻村さんの、「物語」に対する愛情を感じる作品です。
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とてもよい。
参考にすべし。これしか書くことがないのか己は。。
例によって、これも自分と共感できるというか、感性、思考ルーチンが似ている主人公が出てきている。
俺も自分大好きなもんだね。こりゃ。
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遠くて近いと思った
母親のシーンは目頭が熱くなります。読み終わってもまた読んでうぐらい・・・
最初はトリックがないだとうと思ってたけど、最後はやられた。
もう、感激です
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理帆子が成長していくのが手に取るようにわかる。どんな言い訳を並べても、結局理帆子は若尾を好きだった。好きな人が壊れていくところを見るのは、どんな気分なんだろう。
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中盤で、電車の中なのに、うっかり泣きかけてしまった……! そうきたかー……と思わずぼやいたラストでした。けっこう好きだなあ、こういうの。
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前半の若尾が、もう他人じゃなかったと言うか…。グッサリきた…。分かるよ、君の気持ち。私も似たようなもんだよー…。後半はさすがに、共感できなかったけども。とにかく若尾ばっかり印象に残って、ストーリーはあんまり残らなかった…。ただ、最後の成長した郁也はちょっとやりすぎかなと思ったり…。そこまでいかんでも良かったんじゃ…。
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周囲を完全に見下した傍観者的な主人公リホコが母親の病気や元カレの狂気と戦いながら自分を見つけていく。
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辻村作品の3作目。
前2作に比べれば、比較的淡々とした展開。
でも、人物描写は相変わらずえぐいほどに緻密、精彩。
この作品では「ドラえもん」がキーアイテム(パースン?)。
章ごとにドラえもんのひみつ道具の名前が付けられている。
理帆子ちゃんは「のび太の海底鬼岩城」が好きらしいけど、僕もあれが一番好きですよ。
ドラえもんが好き、青春小説が好き、そして頭でっかちな人(これ重要)には是非。
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すいすい読める読みやすさはいつものこと、卓越したモチーフ選びの能力とリーダビリティもおなじみ。
けど、なんだか読んでいてイライラする。ひっかかる。反論したくなる。
それがわたしにとっての「辻村深月」である。
それは、この人の作品の登場人物があまりに状況を把握し言葉でそれを説明するということに拘泥していること、会話のための会話がちりばめられていること、なんかに関係があるのかもしれない。
私たちの会話には、普段暗黙のルールがあって、その枠からはみ出まいと計算して言葉を選んでいる人間が多くいるだろうと推測する。
その結果つむぎだされる言葉の大半は無意味である、しかし言葉以外の場所からこそ得るものがある、それこそがコミュニケーションの本質だと思うのだ。
けれどそんな現実性を無視して、辻村作品の登場人物は「次にいくための会話」というものをひょいひょい口に出してみせる。
それが、読んでいてどうしても違和感を生じさせるのだ。逆に笑えるほどうすっぺらいのだ。
いわゆる「導き手」の役割を持つ別所あきらという少年の台詞はほとんどそうで、主人公である理帆子をある方向へ誘導するためだけに彼は存在しているのだな、というのがすぐわかってしまう。
つまり完全なる「物語のためのキャラクター」なのである。
これはラストで驚かせたいなら致命的なキャラクター描写じゃないかな、と思うのだけれど。
あらすじについて一応触れておくなら、主人公は写真家の娘、理帆子。失踪した写真家の父が大好きだったように、彼女もまた藤子・F・不二雄の『ドラえもん』を愛している。
覚めた娘である理帆子は、友人でも恋人相手でも、相手を見下しながらでしか人間関係を築けない。相手のレベルに合わせて自分の程度を落としているという自覚があるからである。
相手にレッテル貼りをして、こういう人間なんだとわかったような優越に浸る。
余命いくばくの母の病院に通う理帆子は、そこで彼女の姿を何度か見かけたという少年、別所あきらに写真のモデルをしてくれないかと頼まれる。
彼の静かな態度は理帆子の関心を引き、理帆子は彼に心を開いていく。
ドラえもんの道具、口の利けない少年、写真のモデル、別れた恋人、死に瀕する母、失踪した父親の写真。
さまざまな要因が絡み合って、日常はもつれあいながら色を変えていく−−−。
個人的な感想としては、理帆子が昔の自分と似ているといえなくもなかったので苦々しい気持ちで読んだ、という。
人の気持ちや努力、誠意というものを蔑ろにする、自分に与えられた恩恵は当然とでもいうような、この若さゆえの残酷さ。思い上がりも甚だしい。
いわゆるスーパー超人キャラクターを与えられた彼女ですが、作中でも「賢い」「美人」と賛辞を受けてますね。恩田陸にもこういう主人公いましたね。失笑ですね。
それからちょっと気になったんだけど、辻村さんこういう女子と枠組みの物語しか書けないんですか?構造とか一緒だけど。
それから、極力客観性を抑えようと意識しているのはわかるけど、結局異化しきれていない、その中間を漂うこの浮遊感は���者としてとても気持ち悪いんだけれど。
全体的に作者の力不足が目立ちますね。
もうちょっと自分を抑えて書けたらなあ、とは思うんですが、そうすると今の読者層であるだろう若者たちが離れていってしまうだろうなあ。
どれくらいの年齢の人達が好んで読むものなんでしょうか?ちなみに私は21歳、余裕でアウトです。逆にもっと年を召した方ならノスタルジーに浸って読めるのかな。
中高生くらいに若い、もしくは雰囲気を楽しむということが出来る人に対してはアリな小説かもしれないです。
あ、カワイソメダルとか、ドラえもんの中の道具をモチーフとして登場させたのはうまかったと思います。虎の威をうまく借ったね。
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藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき—。
ドラえもんの話を随所にちりばめながら進んでいく物語。
理帆子は母親や友人、元彼などと一定の距離を保ちながらも、どこか完全に馴染めずにいた。
それなのにある日突然モデルになってもほしいという別所あきらにのみ、自然に打ち解けられた。
次第に彼女を取り巻く環境が変化していき、理帆子自身も変化していく。
最初は無機質な理帆子にあまり感情移入できないと思ったけれど、次第に変化していく彼女がとても近しい感情を持った人物だとわかる。
この作品にも辻村マジックあり。
でも既読の前2作に比べると、中編小説なので少し粗もみえた。
ので、そこからわかってしまう人もいるかも。
また最後の最後まで、というほどのマジックはなし。
でも全部を書ききっていないから、最後は後味よく終わっているのかもしれない。
映像化したら面白いかもしれない。