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幸福論とは、どのようなものか気になり読んでみた。書き口としては、3〜4ページで1話の短編のポエムのようになっていて、読みやすさはあった。それもそのはずで、新聞に連載された「プロポ」と呼ばれる哲学断章をまとめたものであるからだ。
ビジネス書のように、幸せとは〇〇だと書かれるのではなく、ストーリーを通して哲学文学のように語られていた。幸福以外にも、仕事や人間関係についてのプロポがあり、93話あるため自分の琴線に触れるプロポにも出会えると思うので、ゆっくり味わうのがおすすめ。
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100年以上前に書かれたのに、現代にも充分通じる内容。
しかしながら岩波文庫の字の小ささはなんとかならないのかな。再販時に文字の改良を強く希望する。
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幸福になるのは難しいことで、自分から求めて動かないと幸福をつかむことはできないというのは、そうかもと思った。待っているだけだと何も得られずに悲観的になってしまうから、意思の力で楽観的に動くことが大切だと書いてあり、意識していきたいと思った。散文というかたちで、最初は理解が難しかったが、読み進めていくとアランの考えが徐々にわかってきて、共感することができた。何度も少しずつ読んで、自分の友達のような本にしたい。
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93の3ページ程の短い文章(プロポ)で構成されている幸福論。一つ一つのプロポは平易で読みやすい。同じような内容の主張が表現を変えて繰り返し語られるため、深く理解できる。
人は放っておくと悲観的になってしまうため、意識的に楽観主義になる努力をしなければならないというのが印象に残った。
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地方暮らしは楽しいこともいろいろあるとはいえ、コロナ禍もあいまって、大型書店になかなかいけなくなってしまったのは、最近の悩みのひとつ。
そんな中で、久しぶりにちょっと大きめの書店に行くチャンスがあると、いや〜もう、テンションが爆上がり。
買いすぎないように気をつけるけど……まあ、買っちゃいますよね。
だって次、いつ来られるかわからないもんね。
というわけで(?)ちょうど文庫フェアが開催されていたこともあって、いそいそと手にとってレジに向かったのが、この『アラン幸福論』。
前から読みたかったんです。
書名に「アラン」とだけあって、苗字も書かれてなくて、誰だろう?と思ったけれど、本名はエミール・シャルティエと言って、19世紀半ばから20世紀半ばまでを生きたフランスの哲学者、だそうです。
本書は、彼が新聞に連載した膨大な短文(プロポ、というらしい)の中から、幸福に関するもの93編を選び、構成しなおしたもの。
1編が1400字弱くらいなのですが、これを毎日連載して総計5000にものぼったって……エネルギーがすごすぎる!
さてこの本、アランは哲学の高校教師でもあったからか、すごく親しみやすくて楽しく読めました。
ここのところ、哲学や思想の古典を読みたいと思ってこつこつ挑戦しているけれど、だいたい、先の見えない山の頂上を目指して、一歩一歩進んでいく、というような読み心地なのですが、アランはもっとこちらに寄り添ってくれる感じ。
「腎臓結石を病んでいて、かなりふさぎこんでいる友人」とか、「樵(きこり)を生業としていた手相を読むことができた砲兵」とか、登場するエピソードも身近です。
久しぶりにほっとするなあ、と思いながら読みすすめるなかで、心に響いたのが、次の一文。
「ほんとうを言えば、上機嫌など存在しないのだ。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とはすべて、意志と自己克服とによるものである。」
たとえば、今日の夕食の献立が決まらない、といったすごい些細なことでもクヨクヨ考えがちな自分としては、読んですごく気持ちが楽になったし、同時にしばらく前に読んだ『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』を思い出しました。
ありがとうアラン、ほんとうのことを書いてくれて。
「幸せになりたい」と思うほど、「幸せとはなんだろう?」「幸せになるために必要なことって?」という問いに立ち返るけれど、最近はそのグルグル回りがなんだか楽しいなあ、と感じています。
唯一、従軍に肯定的な点は賛成できなかったけれど、温かくて力強い一冊でした。
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幸福とは何か、93のプロボの収められた本。
自分の心を守るために必要な考え方だと思った。
似た内容のプロボも多いが、どれもしみじみ味わい、親しみの持てる内容。優しさの伝わる文章で、また読み直したいと思える本。
【印象に残った箇所】
22.宿命
どんな運命もそれを良いものにしようと欲するならば、良い運命となるのだ。自身の性質についてとやかく言うことほど自分の弱さをあかししているものは何もない。
→大した努力もせず、自分の境遇のせいにして、手に入らないことに理由付けてる場合じゃないね。
47.アリストテレス
自分でやること、人にやってもらうのではない。そこにはよろこびの一番深い意味がある。
→音楽・芸術はただ鑑賞するのと実際にやってみるのではかなり違う。誰かにやってもらうのではなく、自ら実践することでたくさん得られる。経験は他者から剥奪し難いもの。実体験を積みたい。
53.短剣の舞
過去と未来が存在するのは、ただわれわれがそれらを考える時だけである。過去も未来も人間の臆見であって、事実ではない。
→過去について過度に後悔したり、将来を過度に心配しても無意味。それよりも今を大切に生きようと思った。
57.絶望について
強靭な精神をもつ人間は、自分が今どこにいるのか、何が起きてしまったのか、まさに何が取り返しのつかないことなのかを自分で考えて、そこから未来に向かって出発するような人だと、ぼくは考える。
→まさに。冷静に自分の状況を確認することがまず大切なのだと思った。
93.誓わねばならない
悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。
→本書のまとめ的プロボ。自分で幸福な状態を作ることが大切。
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「楽観主義は意志である」という言葉を記したアランによる本。幸せは自らの意志でつかみ取ることを示唆した内容が多いと感じました。
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この本に出会えて感謝
幼い頃の心の傷も悪夢も、何度も思い出して苦しむ必要はないんだね。
これまでに読んだ自己啓発系の本は、私には、どれも内容が浅く感じられたけど、アランの考え方には共感できました。
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幸福は求めるものではなく、なると決めてなるもの
93の幸福に関する哲学的な考察(プロポ)が並んでいて、気分が落ち込んだ時や何かアイディアないかなぁという時に手に取りたい。また読む時の感情によって見えてくるものも違うんだろう。
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本作は93のプロポと呼ばれる短い文章で出来ている。
1つのプロポはそこまで長くないので、寝る前に少し本が読みたい時に丁度よい。
自分は不幸だとやたらと嘆いてしまうような気分の時にこの本を読むと、無駄に凝り固まった考えを優しくほぐしてくれるような本だと思う。
何度も繰り返し読んでいるほどお気に入りの一冊。
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幸福を帰納的に考えるような作品だった。
様々な方面から幸福について考えていたので具体的な感想をアウトプットするのは難しいが、
要するに、幸福論になる為にまず情念を排し、理性的に幸福になる為に行動することで人は己の幸福に出会うことができる。言い換えれば、何も考えずにただ本能的に生きるのであれば情念が精神を支配し、やがて崩壊へと進む。
プロポとして短編で読める為、何度も読み返し力強く背中を押してくれるようなアランの考えを心からまた感じようと思う。
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全体的に、「考えるな…動け…」って感じなのかな。うじうじし出したらウォーキングなどしてみようと思いました。そのためにはまず、今、自分うじうじしてるぞ!と認識できることが大事ですね。
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著者アランによる93の哲学断章を収めた本。
その中から印象に残った文章を抜粋。
・微笑みたまえ → 気分に逆らうような判断力てはどうにもならない。姿勢を変えて運動を与えることが必要である。ほほ笑むこと、肩をすくめること、運動をすることで不安や焦燥から遠ざけることができる。
・苦痛がありのままに想像されることなどあり得ない
・お辞儀やほほ笑んだりするしぐさは、まったく反対の動き=激怒、不信、憂鬱を不可能にする利点かある。だから社交生活や訪問や儀式、お祝いがいつも好まれる。それは幸福を演じるチャンスであり、この種の喜劇はわれわれを悲劇から解放する。
・我々が耐えねばならないのは「現在」だけである。過去も未来も我々を押しつぶすことはできない。なぜなら、過去はもう実在しないし、未来はまだ存在しないのだから。
・過去を見つめることから生まれる悲しみは何の役にも立たない。無益な反省を求め無益な探求を強いるから有害である。
・後悔することは過ちを繰り返すこと
・人間には自分自身以外に敵はほとんどいないものである。最大の敵は常に自分自身である。
・幸福とは、報酬など全然求めていなかった者のところに突然やってくる報酬である。
・幸福になるための第一の規則は、現在も過去のものも含めて他人に自分の不幸、不平不満を絶対に言わないこと。
・幸福とはすべて、意思と自己克服とによるものである。
・微笑みたまえ → 気分に逆らうような判断力ではどうにもならない。姿勢を変えて運動を与えることが必要である。ほほ笑むこと、肩をすくめること、運動をすることで不安や焦燥から遠ざけることができる。
・苦痛がありのままに想像されることなどあり得ない
・お辞儀やほほ笑んだりするしぐさは、まったく反対の動き=激怒、不信、憂鬱を不可能にする利点かある。だから社交生活や訪問や儀式、お祝いがいつも好まれる。それは幸福を演じるチャンスであり、この種の喜劇はわれわれを悲劇から解放する。
・我々が耐えねばならないのは「現在」だけである。過去も未来も我々を押しつぶすことはできない。なぜなら、過去はもう実在しないし、未来はまだ存在しないのだから。
・過去を見つめることから生まれる悲しみは何の役にも立たない。無益な反省を求め無益な探求を強いるために有害である。
・後悔することは過ちを繰り返すこと
・人間には自分自身以外に敵はほとんどいないものである。最大の敵は常に自分自身である。
・幸福とは、報酬など全然求めていなかった者のところに突然やってくる報酬である。
・幸福になるための第一の規則は、現在も過去のものも含めて他人に自分の不幸、不平不満を絶対に言わないこと。
・幸福とはすべて、意思と自己克服とによるものである。
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再読。初読時よりも沁みる。人生を「自分のものとする」ヒントに溢れた一冊だなと思う。
他人のせいにしないこと、流されないこと、体を動かすこと、上機嫌でいること、礼儀正しくあること…要旨をかいつまんでしまえばどれも子供にも伝えられるような基本的なメッセージだが、共通して、自らのあり方を自らが規定するという、強く輝く意志と弛まぬ行動力が背骨として一本通っている。それが一番難しいことを、大人は皆知っている。
自分への発破をこめて、以下引用する。
幸福になるのは、いつだってむずかしいことなのだ。多くの出来事を乗り越えねばならない。大勢の敵と戦わねばはらない。(略)しかし力いっぱい戦ったあとでなければ負けたと言うな。(略)幸福になろうと欲しなければ、絶対幸福になれない。(略)したがって、自分の幸福を欲しなければならない。自分の幸福をつくり出さねばならない。
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「「幸福であることは他人に対する義務」「幸福に対する第一の規則、それは他人に自分の不幸を話さないこと」などの名言、箴言で知られるアランの『幸福論』。戦争の不安に取り巻かれた二〇世紀初頭のフランスにおいて、「幸福とは何か」を哲学的視点から綴ったエッセイが原典です。
『幸福論』といえば行間を読めなければ理解できないといわれますが、本書では読みやすく、わかりやすく翻訳したうえで、原書が書かれた当時の状況の解説も加えながら、興趣深く読めるよう、編集しています。」
内容説明
幸せになりたければ、上機嫌にふるまいなさい。20世紀初頭のフランス。社会不安を吹き飛ばす実践的人生哲学。
目次
第1部 アランと『幸福論』(『幸福論』ってどんな本?;アランってどんな人?;アランが生きた時代 ほか)
第2部 全訳『幸福論』(身体と心について;自分について;対人関係について ほか)
第3部 哲学書としての『幸福論』(世界三大幸福論とは;アランの思想と楽観主義)
著者等紹介
アラン[アラン] [Alain]
フランスの哲学者。本名エミール=オーギュスト・シャルティエ。アランは筆名。1868年フランス・ノルマンディー地方に獣医の子として生まれる。1892年高校の哲学教師となり、職業人生を高校教師として全うする。1900年ごろから精力的に新聞にプロポ(随想)を寄稿。これが後に『幸福論』のもととなる。1914年、第一次世界大戦が起こり46歳で志願兵となる。足かけ4年従軍し、除隊後は再び教職に復帰。1933年65歳で職を退く。1945年、77歳で結婚。1951年パリ西郊ル・ヴェジネにて没す、83歳