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1920年代、仏蘭西の上流階級って相当ヒマだったんじゃないか、とか、70年代、日本の一億総中流ってあるイミGHP向上施策になり得たんじゃないか、とか、勝手なことを思い散らかす。
「心はいくつもの解釈があるが心臓はひとつしかない」
「足もとにだけ注意して、思いきって行動を開始したまえ」
「あらゆる幸福は、意志と自制とでできている」
「笑うから幸福なのだ。幸福だから笑うのではない」
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フランスの哲学者アランによる、幸福に関する詩的な哲学断章をまとめた書。アランはこの『幸福論』の中で、繰り返し①自らが幸福になること、②情念を意志(行動)によってコントロールすること、③怒りや悲しみ、喜びは他者に伝染すること等を述べている。
「人間の世界が想像力によって牛耳られているのは、想像力はわれわれの習慣から自由になれないからだ。だから、想像力は創り出すものではないと言わねばならない。創り出すのは行動である。」「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。」という言葉の通り、アランは楽観主義者であり、行動こそが幸福になるための近道であると言っていますが、私は至極その通りだなと思いました。
皆さんも気分が落ち込んだ時、ランニングや球技等のスポーツをすることでスッキリした経験があるかと思います。不安や退屈を抑制するために思考すると、更なる不安が押し寄せて来て、また思考するという悪循環にはまることで人はうつ病になったり不眠症になってしまうのかも知れません。
そうならないために我々は幸福になるために行動する必要があります。その努力の結果、幸福はそれに追いついて、自らが幸福であることが表情やしぐさにあらわれて周囲をも幸せにするのでしょう。貰い物の幸福を他者から受け取るのを待つのではなく、自らがそれを目指すことが重要であることを散文調で楽しく認識させてくれた貴重な書でした。
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自分が幸福な気持ちになるための手引き。いつも考えてることはこの本を読むと不幸の第一歩でした。あんまり考え過ぎちゃだめですね。退屈にならないように常に行動を起こさねばいけないと感じました。
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(2015.05.04読了)(2014.04.24借入)
Eテレの100分de名著でアランの『幸福論』が取り上げられたときのテキストを読んでみたら、読みやすそうだったので、アランの「幸福論」そのものを読んでみることにしました。
93編の哲学断章と呼ばれるものが収録されていて、1篇が2頁から4頁ぐらいなので、読み進めやすいのですが、必ずしも意味がとりやすいというものではありませんでした。
全体的な印象としては、あれこれと考えるよりは、身体を動かしなさいといっているようでした。
●老い(37頁)
ある人が老いて子どもみたいになったり、ある友人がアルコール中毒になって友人の抜け殻のようになるのをみるのはつらいものである。なぜつらいかというと、彼らが今のままでも生きていてほしい気持ちと同時に、もうそれには戻れないのだが、昔の彼らであってほしいと思うからだ。
●寒さ(74頁)
寒さに抵抗する方法はただ一つしかない。寒さをいいものだと考えることだ。よろこびの達人スピノザが言ったように、「からだが暖まったからよろこぶのではなく、わたしがよろこんでいるからからだが暖まるのだ」。
●運命(80頁)
どんな運命もそれをよいものにしようと欲するならば、よい運命となるのだ。
●運勢(89頁)
運勢を知るために占い師に手相を見てもらった人を知っている。彼の話だと、いたずらにしてみただけで、信じなどしていないと言うが、もしぼくが相談を受けたなら、やめさせただろう。なぜなら、それは危険な遊びであるから。まだなんにも聞いていない時なら、信じないのはいとも簡単である。その時は信じることはなんにもないのだから。
●期待(113頁)
知らない人からは何も期待していないから、わずかなことをしてもらっても、すっかり満足してしまう。外国人が愛想がいいのはよく知っている。外国人にはさしさわりのない挨拶しかできないからだ。
●仕事(149頁)
仕事というのはすべて、自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、支配されるようになると、おもしろくない。
●奴隷(151頁)
奴隷である退屈さは、主人である退屈さほどつらいものではないように思う。なぜなら、行動はどんな単調きわまりないものであれ、まだ若干支配すべきものが、つくりだすべきものが必ずあるから。
●行動(155頁)
人間は快楽よりも行動を愛する。その行動とは、他のどんな行動にもまして規律のある規則正しい行動、そして何にもまして正義のための行動のことである。
●風景(175頁)
風景のもつほんとうの豊かさは、その細部のなかにある。見るというのは、これら細部をゆっくり見てまわり、ひとつひとつの前でしばらく立ちどまり、そしてあらためて、もう一度全体を一目でとらえることである。
●死者(205頁)
死者たちは生きようと欲しているのだ。君のなかで生きようと欲しているのだ。君の生を通して、自分の欲したものがゆたかに展開されることを望んでいるのである。
●敵(225頁)
人間には自分自身以外には敵はほとんどいないものである。最大の敵は常に自分自身である。判断を誤ったり、むだな心配をしたり、絶望したり、絶望したり、意気阻喪するようなことばを自分に聞かせたりすることによって、最大の敵となるのだ。
☆関連図書(既読)
「アラン『幸福論』」合田正人著、NHK出版、2011.11.01
「幸福論」寺山修司著、角川文庫、1973.01.30
「不幸論」中島義道著、PHP新書、2002.10.29
(2015年5月7日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
ルーアンの新聞に「日曜語録」として連載されたのを皮切りに、総計5000に上るアランの「プロポ」(哲学断章)。「哲学を文学に、文学を哲学に」変えようとするこの独特の文章は「フランス散文の傑作」と評される。幸福に関する93のプロポを収めた本書は、日本でも早くから親しまれてきたもの。
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最近、なんだか色々考えすぎてしまうので、久々に人生論的な本を読んでみた。読者に上から強制するような感覚の本ではないので読みやすかった。当たり前のことが書かれているかもしれないけど、読んでいてリラックスして色々なことが再確認出来たような気がする。
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人生の岐路に立たされた時、手に取った一冊。いつも私を励まして導いてくれるこの言葉と、読むきっかけをくれた人に感謝。
「雨の日こそ、いい顔で。」
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カテゴリ:図書館企画展示
2015年度第5回図書館企画展示
「大学生に読んでほしい本」 第3弾!
本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
伊豆藏好美教授(哲学科)からのおすすめ図書を展示しています。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2016年1月6日(水) ~ 2016年3月4日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
数ある哲学の古典の中から、とくに哲学や思想史についての予備知識がなくても読める本として上記三冊をお奨めします。「おもしろい」とか「わかりやすい」とはあえて言いません。私自身、これらの本を高校から大学にかけての時期に初めて読んだときは、「わかった」とも「おもしろかった」とも思えませんでした。それでも「わかりたい」とは思い、「いつかもう一度読みたい」とも思いました。そして、これまで折にふれて読み返しては、その都度新たな驚きや感動を与えてもらっています。結局はそのような書物こそが「古典」と呼ばれるのでしょう。多少なりとも自由な時間のある大学生時代こそ、そうした書物との最初の出会いのまたとない機会です。どうかその機会を逃されませんように。
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三大幸福論のひとつ。
とはいえ、幸福について論じているというよりは、幸福についてのエッセイみたいなものなのかな、という印象です。
原題の意味は「幸福についてのプロポ」だとか。
プロポというのは、一枚2ページに書かれた断章で、アランの作り出した文学形式。書きたい日も書きたくない日もアランは毎日プロポを書いた。二時間で一気に書いた。
毎日2ページずつ幸福について書いてみたものだから、やはり日常に影響を受けているのでしょう。
しかし、読んでいるうちに、その奥にあるアランの考え方がにじみ出てきます。
一回読んだだけでは十分でなく、人生の中で何度も読みなおしたほうが幸福に近づけると思います。そんな本です。
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体育会系なポジティブ論であると感じた。
どん底で絶望している時にこの本を読んだら破り捨てたくなることだろう。
気持ちが軽く明るい時にこそ、ぱらぱらめくって楽しみたいと思う。
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一言で言うと『オプティミスムのすすめ』と言ったところ。幸福とは待っているものでは、内面の考え方、物事の前向きな解釈の賜物であり決して与えられるものではないと。
全93の断章で構成され、読み易い。
「われわれが耐えねばならないのは現在だけである。過去も未来もわれわれを押しつぶすことはできない。なぜなら、過去はもう実在しないし、未来はまだ存在しないのだから」p178 短剣の舞
「この嵐に対する君のこわがりよう言ったら、まるでこの大海を全部呑ほさなければならないかのようだ。だがね、君、君が溺死するためにはほんの二リットルもの水があれば十分なのだ」p218 エピクテトス
「幸福になろうと欲しなければ絶対幸福にはなれない。これは、何にもまして明白なことだと、僕は思う。したがって、自分の幸福を欲しなければならない。」p312 幸福にならなくてはならない
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詩のようにすらすらと読めたが、原語で読んだらよりそうだったのだろうなと思う。いっぱい折り込みを付けてしまったけど、22宿命、27欲する事、63雨の中で、78決断拒否、80新年おめでとう、81お祝いのことば、87克服、92幸福にならねばならない、93誓わねばならない、このあたりは心に残ったものとしてメモしたい。
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○引用
「怠惰なものは「いつかやるだろう」と言うのだ。ほんとうは「今やっているところだ」と言うべきだろう。」
「あるかなりむずかしいことに、自分の全関心、全注意をそそぎ込んでいる人は、まったくしあわせである。」
「幸福とは、報酬など全然求めていなかった者のところに突然やってくる報酬である。」
「われわれは他人の幸福を考えねばならない。その通りだ。しかし、われわれが自分を愛する人たちのためになすことができる最善のことは、自分が幸福になることである。このことに人はまだあまり気づいていない。」
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解説のとおり、これは幸福「論」ではないのだが、
ふっと気になったとき、気軽に開ける本であると思う。
もっと難しい本だと思っていたが、短いエッセイみたいなものの集まりだった。
前から読んでいくと、じゃあ幸福ってどうすればなれるんだ!と思ってしまう人もいると思う(私だけ?)から
そういう人は先にとんでp307の「幸福になる方法」あたりからいいと思う。
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人は幸福になるために生きているんだ。でも幸福って何だろう?と思ったので買いました。表紙が岩波書店特有のシンプルな作りで難しいことが書かれていて、とっつきにくそう・・・と思っていましたが全然そんなことはありませんでした。
この本は幸福に関する93の短文で構成されています。その一つ一つが、星新一のショートショートなみに短いので隙間時間で読むことが出来ます。現在5つ読みましたが、そのどれもがハッとさせられる、スコーンと入ってくる、コーンと鹿威が響くような感じです。読んだ後に幸福になれること請け合いです。
幸福とは何なのかはまだわかりません。この本を読むことでわかるかもしれないし、わからないかもしれません。ただ、この本は読む価値があるのは確かなので継続して読んでいこうと思います。
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エッセイ。
1900年代のものだが、いまの感覚に通じていて面白い。読んでいて共感できる。
そもそもアランは、「我思う、ゆえに我あり」で有名なデカルトの300年後の直系の弟子。
そんなアランを言葉で表すなら、行動の人。「行動家として思索し、思索家のように行動せよ」。幸せになりたければ、手をたたこうと、アランなら歌う。
幸せな態度をとれば、周囲もそれに影響され、幸せが広がる。
今の自己啓発書の源流なのかな。
エッセイとしてもハウツー本として軽い気持ちで読み進めれば、幸せになるために思い、行動しようとしたアランの誠実さにふれることができる。