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紙の本
一行がもたらす衝撃
2010/01/12 15:21
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
綾辻行人のデビュー作にして「ミステリ史上最大級の、驚愕の結末」だという。この裏表紙の文言だけで心が躍る。
大学ミステリ研の七人が一週間の合宿に選んだ先は、角島。半年に建築家の中村青司とその妻、そして使用人の四人が死亡したという曰くつきの島だ。その角島に立つ十角館が彼らの宿泊場所となる。しかし楽しいはずの合宿で、仲間がひとり、またひとりと殺されていく。一週間が経過するその日まで迎えの船は来ない完全なる孤島。疑心暗鬼に陥るメンバー。犯人は誰だ? この中にいるのか? しかしその「クローズド・サークル」正体は、驚愕のトリックだった…。
孤島もの特有の緊張感。猜疑心。パニック。もう、読んでいてハラハラどきどきしてしまう。しかしそれ以上にドキドキしたが、犯人の名が呼ばれたとき、だ――と書くと、普通の推理劇にしか聞こえないかもしれないけれど、この名の呼ばれるタイミングと場所がまたシャレていて、「お前だったのかー!!!」とちょっと叫びたくなってしまう。
「火サス」的読み方をしてしまったので、実際には犯人の目星は割とすぐについていたし、犯人に意外性はないのだけれど、この犯人が読者に露見した瞬間といったら…鳥肌ものだ。
トリックも手が込んでいて驚きはしたのだけれど、いつも言っているように「トリック重視ではない」ミステリ読みなので、それほどインパクトはなかった――「あーそうですか、なるほど、大変だなぁ、これは」ってな感じ。でも、それを差し置いても孤島・角島での緊張感がすごい。
構成はちょっと変わっていて、「一日目・島」、「一日目・本土」という風に、「何日目」と「場所」が章のタイトルとなっている。そして四日目までは、「島パート」と「本土パート」が交互に登場し、物語が進行する。そして五日目以降は「場所」の記載がない。この目次を目にするだけで、いろいろな想像が浮かんでくる。しかし…著者が用意したラストを想像できる読者は皆無、と言ってもいいだろう。
「島パート」を展開するのはこれから次々に殺されているミステリ研の七名。彼らは互いをニックネームで呼び合っているのだが、このニックネームがまた仰々しい。エラリイ、アガサ、カー、ルルウ、ポウ、オルツィ、ヴァン――全て、欧米のミステリ作家に由来する。
そして「本土パート」を受け持つのが、シリーズの主人公・島田潔と、元ミステリ研の江南(島田は彼をコナンと呼ぶ。そしてもちろんミステリ研でのニックネームはドイルだ。)。そして、元ミステリ研だけれども諸事情により合宿には参加しなかった守須(モーリス・ルブランという作家がいる)。彼らは、唐突に届いた「死者」からの手紙に好奇心を掻き立てられ、探偵ごっこを始める。そして彼らは次第に角島で半年前に亡くなった中村青司の死の真実に迫っていく。
ちなみに、プロローグは犯人による犯行決意の独白。そして犯人自身による犯行過程の独白もたっぷりと収められていて、その独白を読んでいるだけでドキドキしてしまう。
ただ、犯行動機がちょっと弱い気がしないでもないのだけれど、雰囲気でミステリを楽しむわたしでも十二分に楽しめる館もの。
紙の本
期待し過ぎた
2024/04/25 07:28
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投稿者:よよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
30年くらい前の作品とは思えないほど古臭さを感じなかった
デビュー作を聞いて驚くほど完成度は高いし、次が気になってどんどん読み進めてしまう
長編だけど一気に読める面白さがあった
ミステリは少し読むから、例の部分には衝撃を受けなかった
サークルのみんながあだ名で呼び合ってる時点でちょっと察してしまう
本人も言ってるけど緻密な計画というより割と力業が多いので、ここまでする割に雑だなぁという印象
紙の本
偉大な作品
2024/02/29 19:01
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー作品の面白さとしては正直普通といわざるを得ない(あくまでも個人的な評価)。だが、多くの人をミステリーの世界へ誘った功績は計り知れないものだろう。映像化も楽しみ。
電子書籍
面白かったけど…
2022/05/11 14:28
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投稿者:ナナナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある一行で世界が変わる、確かにそうでした。その一行を読んで頭の中が???となり、また最初から読んでなるほど、となりました。
ただ、なんだか全体的に古くさい印象が否めませんでした。ミステリー部分ではなく日常的な味付けの部分です。例えば、なぜに女性だけ食事の支度をして男性は何もしないのか。そういうとこが気になって今ひとつストーリーにのめり込めませんでした。1987年に刊行とのことなのでそういう時代だったんでしょうね。
例えば金田一耕助シリーズのように元から昔のものだと分かっているものは違和感がないですが。
紙の本
衝撃の一文、なるほどです
2021/12/18 04:58
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投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人に勧められ、初じめて綾辻行人さんの作品を読みました。
「衝撃の一文」に始めは理解ができず、、ですが、読み進めていくと納得。
30年以上前の作品と思えない作品です。
電子書籍
時代を感じる
2019/10/19 20:25
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投稿者:銀糸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
食事係が女性だけなのが当たり前だったり、煙草のシーンが多かったり、薬が容易に手に入ったりと、現代との相違が少し面白かったりしました。 犯人の動機が弱かったのが残念です。 話の進みは面白くて読みやすかったです。 ミステリーの入り口には良い感じかなと思いました。
紙の本
名作と呼ばれたので読んでみました
2016/12/22 16:36
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投稿者:しまんちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく他作品の解説の欄に出てくる作品なので読んでみました。おっと、思うところはありましたが種明かしが少々早いのかとも思いました。
紙の本
衝撃の一言はまぁまぁの衝撃だった
2015/08/13 08:22
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投稿者:みっちぇる - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物同士を某有名作家たちの名前(外国名)で呼び合う違和感や、セリフの言い回しの古臭さ(大学生とは思えない)、アガサ女史の「そして誰も…」そのままの舞台に少々げんなりしながらも、帯に書いてあった「衝撃の一言」を楽しみに読み進めていった。
ちょうどページをめくると例の衝撃の一言がまさに一言だけ書いてある本の構成になっており、これは良かった。
真犯人の動機づけが弱すぎる。まさに後からとってつけたよう。
ミステリー初心者向け。