うつ病と戦うための、参考書
2009/02/03 18:46
17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
うつ病の家族を守るために、一家の主婦として台所で出来ることはないものかと、方法をいろいろ探していて、この本に出会いました。
うつ病の改善には、セロトニンの材料となるトリプトファンの摂取が望ましいということは、知識として知っていました。
けれども、トリプトファンを多く含むとされる食材を、せっせと料理して食卓に載せてみても、目に見えるような改善の手応えがないまま、時間だけが過ぎていきます。悪化は防いでくれているような気はするけれど、はっきりと「よくなる」ということがないのです。
やはり「ただの食品」では薬のようにはいかないものなのかと内心落胆しつつ、けれども代謝の過程など詳しく調べて対処することで、もっと効率よく「効く」ようにできないものかと、ずっと思っていました。
とはいえ、アミノ酸の世界はすさまじく広大で、猛烈に複雑です。
何冊か本を買って読みましたが、その方面のシロウトにとっては、密林の奥地か地底世界に迷い込んだようで、とても手に負えませんし、勉強しているヒマもありません。生まれ変わったら、こうしたジャンルの研究者になりたいとまで思いましたが、来世を待っていては家族は救われません。
ですので、この本の「うつを撃退する栄養素」という章を読み、もしかしたら今生でなんとかなるかもしれないと思ったときには、脳内にどーんと花火が上がりました。大袈裟ですが、脳障害や精神疾患の家族のいる家庭は、それほどに追いつめられる場合もあると、ご理解いただければと思います。
本書では、トリプトファンの摂取にはコツのあることを教えてくれています。
トリプトファンが血液-脳関門を通過するために必要な「運搬人」が存在するのですが、その「運搬人」は、他のアミノ酸をも運ぶ仕事をしているため、高タンパク質の料理を食べると、他のアミノ酸に押しのけられてしまい、トリプトファンが脳に入りにくいというのです。
ところが、甘いものを食べると、トリプトファンが血液-脳関門を通りやすくなるそうなのです。糖質によって分泌されるインスリンが、トリプトファンの運搬を手助けするために、そのようなことが起きるのだとか。うつ気味のときに甘いものを食べると気分が向上することがあるのは、そういう理屈によるのだそうです。
だからといって、トリプトファンを脳に送り込むために甘いものばかり食べるわけにはいきません。精製された砂糖やデンプンの摂取による血糖値の乱高下が脳に悪影響を与えるということも、本書では指摘されていますし、不健康な肥満の原因にもなることは言うまでもありません。
そこで、トリプトファンと他のアミノ酸との競合を避けるために、なるべく胃がカラッポのときに、トリプトファンとフルーツジュースなどを一緒に食べるといいと、本書では勧めています。
劇的な改善というのは、難しいかもしれませんけれども、少しでも早く、よくなってもらうために、台所部隊も精一杯がんばってみようと思います。
以下は蛇足です。
本書は、ある程度、脳の構造や神経伝達物質の名称やしくみ、脂肪酸やアミノ酸などの知識がないと、用語に振り回されてしまって、一読して理解するのは若干厳しいかもしれません。また、うつ病のご本人が読まれると、疲弊してしまう可能性があるかと思います。余力のあるご家族にとっての参考書としては、お勧めできる一冊です。
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バランスの良い食事が体には一番な事は百も承知、もっとピンポイント的に脳の記憶力や体調アップをするにはどういう栄養素の食べ物を摂取すれば良いかを求める方に最適な一書です。
私としては求めていた内容に適っていたので満足でした。
鶏卵・マグロ・サバ・サンマ・イワシ・ブロッコリー・ダイズ・納豆・カボチャやヒマワリの種などが主に挙がっていたので、苦手な納豆以外を念頭に入れた食事を心掛けたいと思います。
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投稿者:ももたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
病は気から。
気の生まれる場所は脳だとは思うのだが、
そして、食べるものによって、健康状態が大きく変わることも分かってはいるのだが、
なかなか染み付いた嗜好は変わりゃしない。
しかし、何がどうして脳に悪いのか、良いのかということを、こう事細かに解説されたからには、考え直してみようかという気になる。
「口に運ぶ食べ物であなたの人生が変わる!」
「いくつになっても知能は高まる」
・・・
勇気を得ることが多くて、
座右の書となっている。
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カラダにいいわるい と似た部分も多いが
脳もカラダの一部なので 当然のことである
さてさて
脳特有のセロトニンなどの
脳内物質の精製にかかわる部分
脳の健康 うつにかかわる部分が書かれていました。
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食べ物が私たちの体(脳を含め)を作っているというのは確かにそうだと思いました。
心の病気を食事で治す方法に興味があったので、第5章は面白く読みました。
甘いものを食べると癒される仕組みがわかってよかったです。
食べ物を栄養素として、物質として捉える観点。
科学的に考えるには必要なことです。
ただ、脳の働きを良くするためにサプリメントで摂ることに疑問を感じました。
それはもはやサプリではなくて薬だと思います。
取り上げられた栄養素が多く含まれている食品も載せられていますが、
これらをすべて摂るための献立を考えるのは大変だろうと思います。
結局、いろいろな食品をバランスよく食べるのが一番いいのではないでしょうか。
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低GI食品を中心に食べる→スローリリースの低血糖
トリプトファン、5HTP→セロトニンの生成 魚介類、鶏卵、豆腐、ピーナッツ、バナナ、アーモンド、牛乳、チーズ 1〜3g/日
脳内でトリプトファンがセロトニンに変換されるには、運搬人が必要だが、同時にチロシン、フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンといったアミノ酸も運んでいるため、トリプトファンは届きにくい。インスリンがトリプトファンの通過を助ける→空腹時にトリプトファンをフルーツジュースといっしょに
5HTP 100〜200mg/日
不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)
リン脂質 鶏卵、モツ、大豆
フォスファチジルコリンPC→アセチルコリン→記憶力 1000〜2000mg/日
フォスフォジファルセリンPS→神経細胞の受動態→記憶力 20〜50mg/日
アミノ酸が伝達物質を作る トリプトファン、チロシン、ギャバ..
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン 興奮性伝達物質 集中力、やる気、快楽の物質
ギャバ、タウリン 抑制性伝達物質 リラックス、緊張をほぐす
セロトニン 幸福物質
アセチルコリン 記憶物質
メラトニン タイミング物質
アミノ酸 20種類 9種類は食べ物から作ることができない=必須アミノ酸
トリプトファン、フェニルアラニン、スレオニン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、ヒスチジン
ビタミンB群 糖類を分解してエネルギーをつくる
ビタミンB1(チアミン) ブドウ糖からエネルギーを生産
ビタミンB3(ナイアシン) 心のはたらきに左右 10〜20mg/日
パントテン酸 アセチルコリンを作る→記憶力 最大200mg/日
ビタミンB6 アミノ酸を別のアミノ酸にチェンジ セロトニン、メラトニンがつくられる
ビタミンB12 コリンをつくる
葉酸
ビタミンC 抗酸化物質
カルシウム 不安、イライラを解消
マグネシウム
マンガン
亜鉛 酵素を助ける 毎日10mg
クロム インスリンの働きを助ける
抗酸化物質
ビタミンE 活性酸素から脳を守る
ビタミンC
コエンザエム Q10 脳のエネルギー生産が進む
αリポ酸
アントシアニン
ベータカロチン
セレン
グルタチオン(グルタミン酸、システイン、グリシン)
食べてはいけないもの
マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ケーキ、クラッカー、ポテトチップス、フレンチフライ、チキンナゲット→トランス脂肪酸→DHAの働きを妨げる
バターやオリーブ油で代用
白砂糖、精製デンプン→ファストリリース→血糖値が急激に上がり、心が不安定になる
茶のタンニンは、ビタミンやミネラル、特に鉄や亜鉛の吸収を妨げる
DMAE 不安を抑え、イライラを鎮める 100〜1000mg/日
ピログルタミン酸(アルギニンピログルタミン酸) アセチルコリンを増やす、右脳と左脳のコミュニケーションをスムーズにする 400〜1000mg/日
グルタミン
ビンポセチン 20〜40mg/日
イチョウ葉 記憶力 200〜500mg/日
気分が落ち込���、やる気を失いやすいのは、
・血糖値の乱降下
・栄養素(ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、必須脂肪酸)
・トリプトファン、チロシンの不足
抗鬱剤
気分の落ち込み セロトニン不足 トリプトファン、5HTP→セロトニン
無気力 ノルアドレナリン、アドレナリン不足 フェニルアラニン→チロシン→ノルアドレナリン、アドレナリン
テストストロンのレベルが低いと、やる気が起こらない →日光浴
フェニルアラニン、チロシン→ノルアドレナリンの減少を抑える
サミー メチル化の促進
合成着色料、保存料に注意する
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低GI食品で血糖値を一定に保とう!
マルチビタミン・マルチミネラルを摂ろう!
青魚を食べよう!
カフェイン、アルコール、タバコ、食品添加物、トランス脂肪酸を控えよう!
一読しておくと食事に対する意識は変わると思う
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カフェインに覚醒効果があるとを知っていても、その理由を知りませんでした。
また、"甘いものを食べると元気がでる"理由も知りませんでした。
本書はそのような事の説明や、特定の栄養素が不足すると鬱病になりやすく、IQが下がる等の理由が具体的な説明になっていて分かりやすかったです。専門書ほど詳細に難しくありません。
本書に紹介されている脳に悪い影響を及ぼす食べ物、積極的に食べる必要がある食べ物(解決方法)をまとめてみると以外と簡単な気がしてきます。
今の食事が1年、5年、10年後の自分を作っているならば食をしっかりと見直すべきだと勉強になりました。
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もう完全に卒論を考えながら購入してしまった。
これで一番注目すべきはカフェインのお話。
私のようにコーヒー中毒の奴には言い聞かせたいお話。
これに関してはどうこういうより読めです。
そして、まとめて言えば、良いもの食べろ、ですね。
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去年、この本を手に取った時は、アミノ酸の名前を見ただけで、無理と置いてしまったが、今になってみると知りたい情報がいっぱい入ってて、読まず嫌いだったと反省。
特に興味があったのは、うつの原因や、改善する食べ物、薬と、その副作用など、疑問に思っていたことの答えがあった。
食べ物とうたってあるのに、サプリメントで取ることもかなり進めている点には、若干の距離をおくが、それ以外は本当に勉強になりました。
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にわか仕込みの栄養素の知識をこれで補おうと購入。白砂糖やアステルパームを避けてみただけでも集中力があがりました。
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ものすごい本です。
勉強の効率化のために買ったのですが、
実に細かく、いろいろな食べ物の
いい効果、悪い効果が書いてあります。
時々再読したい本です。
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オメガ3、オメガ3、オメガ3…(ぶつぶつ)
トリプトファン、トリプトファン、トリプトファン…(ぶつぶつ)
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青魚はめちゃくちゃ体に良い。
妊娠中から授乳期にかけてDHAいっぱいとると、
子どものIQが上がる。
煙草は、ほんとうに体に良くない。
酒は1杯まで。
コーヒー飲みすぎると鬱になりやすい。
マーガリンはトランス脂肪酸が入ってて良くない。
狂った脂肪が、トランス脂肪酸。恐い。
マルチビタミンのサプリを飲もう。
鶏卵は、マルチな栄養。
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野菜は言わずもがな、やっぱり魚は頭にイイらしい。2日に一度、青魚を食卓に。
◎ビタミンb1不足の人は集中力が長続きしない
豚肉・玄米・胚芽米・海苔・サバ
◎ナイアシン…記憶力が上昇
レバー・玄米・マグロ・ホタテ・タラ・イカ
◎パントテン酸…記憶力を高める
ピーナッツ・豆腐・ネギ・にら・ブロッコリー
◎葉酸…発達障害を防ぐ
ウシや豚のレバー・胚芽・ほうれん草・大豆・じゃがいも・小豆
◎母乳で育った赤ん坊は人口粉乳で育った子どもよりもIQテストのスコアが高い
⇒母乳にDHAが豊富なため
⇒1日に250~500mg(2日に一度、サンマ・サバ・イワシ・サケなどを食べる)