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重松さんの世界、切り口はいろいろです。安心して読めますが、ここのところ心が大きく揺れることがないのは、自分が歳をとったせいでしょうか。
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それぞれが抱えた辛い出来事。劇的に人生は変わらないが、お互いに結ばれた絆が小さな幸福を呼んでくる。
特にお気に入りは「ひとしずく」。夫婦がお互いに思いやる気持ちが素晴らしい。
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連続して重松さんのお話を読んだけど、上下巻の長編より丁寧に書かれた印象を受けたのは短編集だからかな?
表題作を含む11の物語。
うるっとくる、まではいかなくても、どの話にも心を動かされた!
主人公は重松さんの得意な?中年男性や少年を始め、たたき上げでマスコミ業界を生き始めたアラサー女子、砲丸投げが得意な骨太の奥さんなど、女性陣も活躍。
一番最初の「拝啓ノストラダムス様」
そうそう、そんな時代もあったなあ…私もあなたの予言をちょっと信じてたよ。一人で死ぬより、みんな死んでしまうほうが怖くないかもなーとか思ってた。
死にたい理由もないけど生きたい理由もないなんて、子供なのに切ない。
恋愛か友情かわからないけど、そこには純粋な「信じる」があって、なんだか羨ましかった。
「正義感モバイル」
今回はタイトルがおもしろい。
人って不幸な話を聞いたときなぜ笑ってしまうんだろうね。日本人だけなのかな?どうしていいかわからなくて、そんな自分に苦笑してるのかもしれない。
「砲丸ママ」
重松さんの描く女性にしてはたくましく、ふとましいw
このお話を読んで、若くして亡くなった砲丸投げの選手を思い出せた。
「電光セッカチ」
なるほど、というタイトル(笑)
すごくわかる、こういう人いる!そして私も口には出さないけどせっかちなほうだと思う。
夫婦って似るのかなー。途中は山本文緒作品のようにハラハラさせられたけど(笑)最後はほっこり。
「遅霜おりた朝」
善かれと思ってやっていたことが全部裏目に出て、教師をやめてタクシードライバーに転職した男性の話。
現代はこれがリアルなんだろうな…とおもうと胸が痛い。でも若者もひとくくりではない、まだ捨てたもんじゃないっていうラストに安堵。
「石の女」
この本には子供の産めない女性が二人出てくる。私と年が大して違わないので、なんとなく自分と重ねてしまう。
まあ結婚してないけどさ…
母じゃなくても妻だって言葉にぐっときた。わんこだけど「家族」の龍之介にも。
「メグちゃん危機一髪」
変なタイトルだけど(笑)怖い話だったな。リストラにまつわる同期男性2人のお話。メグちゃんのメグは目黒のメグ。アザラシの名前。
タマちゃんか!( ゚∀゚)なつかしいw
主人公の冷めた目線、私も同じ気持ちで見てたなあ当時。
きったなくてせまくるしい海のよどみをあとにするメグちゃんに「泳げ!」って叫ぶ男。
お父さんたちもそこから泳ぎだせたらいいのにな。
「へなちょこ立志篇」
マケトシがカツトシに戻る話。
この少年好きだ!
ドラえもんのいないのび太とか、的確すぎる。
重松さんの話っぽくない、軽い痛快さが楽しかった。ちょっとしたサスペンス風味も楽しめて良い(笑)
「望郷波止場」
マスコミっていう業界の、ことにバラエティってジャンルが心底腹立たしくなるけど、そこで生きてくって決めた女性の強さと、でもやっぱり「ひと」であることはやめられないっていう強さ、見習いたい。
「ひとしず��」
カツトシが出てきてびっくりしたけど、マケトシとは別のひとみたいだ。なんで同じ名前にしたんだろう。
こっちの勝利は本当に嫌なやつ!
勝利のガキも嫌な奴ら!(笑)
とはいえ勝利目線のお話を重松さんが書いたら、きっとスネ夫がそのまま大きくなってジャイアニズムを身につけちゃったようなキャラも愛せる気がするな。
いまは無理だ。
このお話に出てくる女性も子どもができない。
「子どもを作らない」夫婦の話も読んでみたいって気がした。少なくともこの当時はまだまだ、子どもありきなんだなーって思った。
2人の生活をさみしいと言うひととは仲よくできない、同感。
「みぞれ」
表題作。これに出てくる父親がうちのおじいちゃん(故人)みたいでびっくりした。うちのは健康そのものだったけど。酒こそ飲まないけど、存在はうちの父と同じ。ひたすら怖い人だった。
…や、まだいきてるけど(笑)
怖くなくなったわけでもないしね。
でも子どものとき感じてたようなわけのわからぬ怖さはなくなった。宇宙人みたいになった。
タバコはめちゃくちゃ吸うので、なんか心配になってしまった。
いっそ父が半身不随で、発語もままならなくなったら、私たちもこの親子みたいに分かり合えるんだろーか。
私も確実に大人になって、そんな父との今生の別れが想像できるとしになってしまった。
そのときをダラダラと待ってても仕方ないんだよなあ…
家の老朽化、町の過疎化、老い。
避けられない寂しさが最後の最後まで詰まってて、テープのくだりでちょっと泣きそうになった。
図書館で借りた本だから全話感想つけてみた。
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日常のさりげない人生模様が描かれた11の短篇。息をするように書かれたお話はどれも切なく暖かい物語で安心して読めた。「砲丸ママ」が一番好きかな。
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重松さんらしい「気持ちがすーっと静かになる」感じの11作の短編集でした。私は「拝啓ノストラダムス様」「メグちゃん危機一髪」「望郷波止場」が好きですね。どの作品も自分の身近でも起きそうなことばかりなところが共感を呼ぶ気がします。
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人生勉強させてもらいました。
いい本です。
主人公の年令が近い作品が多く、いつも感情移入してしまい、あと引きます
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紀美子のふくよかな笑顔を思い浮かべると、こっちまで頬がゆるんでくる。
たとえば何か負い目があってのことだとしても、こんな愛情で包まれたいと思った。
重松さんの話には短編にも長編にも、少しの希望と沢山の現実が詰まってて、時々逃げ出したくなってしまう。
だけど結局捨てきれない、そんな力のある作品。
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いや、面白いし、心にせまるし、よくできてます。でも、重松さんの作品て、お手本っぽいというか、ここで読者を「落とそう」「泣け」っていうポイントをきっちり押さえすぎていて、「なんだかなあ」という気持ちになっちゃうんですよね。安心感があって、面白いんだけど。なので、毎回、おんなじ感じ。印象に残りにくいです。嫌いなわけじゃないんだけど・・・いい話なんですけどねえ。
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重松ワールドの短編集。安心して読めます。本書所収の話のうち、いくつか以前の作品とつながってるのがあるような・・・。本書で好きな作品は、「望郷波止場」です。
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重松清らしい短編集。相手にいらいらしたり、見栄張ったり、意地っ張りだったり、いろいろあるけど最後はやっぱり思いやり。
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人生をいろんな視点から書かせたら重松清の右にでるものはいないであろう。
まさに真骨頂の短篇集。人生に迷ったら中高年は読むべきです。
結構前に読んだ。
書いてたらもう一度読みたくなった。
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短編11話のどれもが私たちの身近にあり、また自分がかつてこんな情景の中にいた事を思い出させてくれる作品でした。
不器用でちょっと格好悪い各世代層の主人公らの生き方が実に優しく、人間味に溢れている。彼らが日常の様々な出来事に向き合う生き方を通して、読み手にも「あなたはどう?」って問うてくるのだ。「生きることって」「人の不幸を伝えられたときあなたは?」「あなたの特技は?」「夫婦とは?」「夢や希望とは?」「子どもがいる、いないって?」「人生の勝ち負けとは?」…。
人として成長するには,勝つとか成功とかの前に、目の前の問題ときちんと向き合う事が大切なのだと感じさせてくれる。
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これだけ短い話の中で、平凡かつ非凡な物語を描いたのはさすが。
面白かった・・・そんな単純な感想しか今は思い浮かばことしかできない。
この本も何度も何度も読み返したくなり、
読むたびに新たな発見・感動があるだろう。
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読み始めは、なんかどうってことのない
パッとしない話ばっかだなぁと思ったけれど
読み進めるにつれ、どの話もじんわり、ちょっとしんみり、
オチは案外派手だったり、しょぼくれてたり。
いや、でも実際、本当の日常の悲喜こもごもって
こういうのだよなぁと、改めてしみじみ感じるものがありました。
地味だけど、とてもいい短編集です。
著者後書きの「息をするように『お話』を書きたい」という気持ち、
とてもよく伝わっていました。
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重松さんらしい短編集。
気になるのは、いつも子供のいない夫婦を描く時に、(楽しくやってる…でも寂しげ…)な背景を漂わせるのが多い事。
みんながみんなそうだとも思わないし、イキイキ働いてる奥様も多いのになぁ…とちょっと違和感。
《メグちゃん危機一髪》も、やるせなかったなぁ…
《正義感モバイル》重松さん新しい切り口。なかなか面白かった
私的には《望郷波止場》が良かった。どちらも忘れられた芸能人の話だけど、全く違う切り口でなかなか面白かった。じ~んとほろり。
だけどもだ・け・ど《電光セッカチ》みたいなダンナはゴメン被りたいかな(笑)