エンターテイメント!
2016/04/20 06:57
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
各章で、登場人物がそれぞれ自分の立場で話を進めていくが、その中の出来事がほぼつながってくる。銀行という組織の中で、いろいろな背景や考えを持つ人が関わり合い、奮闘する話。サーっと読める、エンターテイメント。
また違ったお話でした。
2015/09/05 13:20
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀行員の希望や魅力よりも、それぞれの悲哀の方が多くを占めた、連作短編集でした。これもスカッとする話かな、と思って読み始めたので、最初はかなり落差を感じましたが、視点の違いが興味深かったです。
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東京第1銀行長原支店を舞台に章ごとに主人公が変わり、それが1つのストーリーになっていく。
フィクションとはいえ銀行の裏側をえぐるような表現がいつも興味深く、今作品もパワハラ上司や結果を出そうと藻掻く銀行員達の悲哀がしっかり表現されている。
100万円損失事件が最後は非常に謎めいた感じで終わっており本当の結末はどこにあるんだろうと考えさせられる。中々巧妙な終わり方である。
しかしこの終わり方は嫌いではない
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彼の小説は「銀行」という組織が舞台になることがほとんどだ。
この小説も架空の銀行の「とある支店」での出来事が取り上げられる。
一つの銀行の支店の中にも、色々な行員が色々な事情を抱えて仕事をしている。
作品の中の短編それぞれに主人公が異なり、やがて全体を通した一つの事件につながっていく。
ただでさえ不況の波が押し寄せているこのごろ。組織の中で安穏と過ごしていけるほど、甘くは無い。
「銀行」という組織の大きな流れ・・たとえそれが間違っていると思っていても、流れに逆らうことは難しい。
その中で家族のために組織に従属するしかない・・そのために他人を裏切り、恨まれても仕方が無い・・。
幾つかの編では主人公に感情移入して、胸がドキドキ、胃がキリキリする思いをしている自分がいた^_^;
「あなたは誰のために生きていますか?何のために働いていますか?」
そんなことが文庫本の帯に書かれてあり、それだけも「うーん」と考えさせられる。
そして小説のタイトルの意味はどこにも書かれていない。
「シャイロック」というのは、「ベニスの商人」に登場する金貸しの名前だ。
察するに銀行員というのは、この「シャイロック」の末裔であり、子供であるという意味なのかな・・。
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シャイロック・・・シェークスピアの「ヴェニスの商人」に登場する強欲な金貸し
舞台は大手銀行の東京の端の方にある小さな支店。
他の池井戸作品とは違い、エピソードによって、支店で働く様々な人間が主人公になる。
解説によると、フルネームで登場する人物は何と20人以上!
でも、そんなに登場しているとは思えないくらい、分かりやすく登場人物のキャラ設定がされているから、他の作品と変わらず、読みやすい。
中盤までは、主人公が次々に変わり、しかも、喰えない人物が多く、池井戸作品にしてはすっきりしない部分も多いのだが、中盤以降はミステリーの要素も追加され、最後にはひとつひとつの短編が見事に一つの長編を作り上げているところが、何とも凄いっ!
次は金融から離れて、著者を一躍有名にした「空飛ぶタイヤ」に挑戦!
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銀行員って、血も涙も無いシャイロックのイメージがあるんでしょうか、金色夜叉でも悪役だし。銀行員も、ある意味「地図に残る」仕事しているんだと思いますが・・・。内容は、デフォルメされていますが、週刊誌的に面白いです。近代セールス社って銀行員向けの書籍とか通信研修とか扱っていると思いますが、こんな悪役銀行員をいっぱい登場させる作品を掲載していたんですなあ。
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よかったこんな業界に足を踏み入れなくて・・そんな感想を抱いた作品。
※ワタクシ自身、学生時代における就職活動期に
金融屋さん(証券、信金等)を志そうとした時期があったため。
行員同士の仁義なき出世争い、
残る者、そして脱落していく者。
徹底した封建的な体制のもと
厳しいノルマに精神が崩壊する者、
できる男を奪い合う女子行員たち。
・・・えげつないです。
シャイロックとは、強欲な高利貸し、金融屋を指すそうです。
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「ベニスの商人」の悪役シャイロック。金が払えなければ肉をよこせ、と約束させるような人間ですが、現代の銀行マンは彼の子供といえるでしょうか?そもそも銀行がそんなに特殊な世界か?と思っているので、そんなこといったら居間の世の中みんなシャイロックの子供になってしまいそうです。逆に銀行もただの一企業、自分の勤め先に当てはめて考えてみると、同僚、上司、誰でも登場人物の中に似たタイプがいる。その点感情移入はしやくいです。解説にもありますが、多くの登場人物と、その書き分けがこの小説の一番の特徴。身近な人に当てはめて読むと面白いかもしれません。ミステリとしては、ここまできて新事実を出しちゃっていいのか、というのが気になりますが、まぁこれはこれで。
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池井戸潤ということで、もちろん銀行モノ。
これホント面白かった。
最初は銀行モノの短編集かと思ったんやけど。
中盤からそれぞれの章が面白いように絡んできて。
気づけば長編やった。
この人の話は銀行を舞台に事件を絡めて、銀行でのそれぞれの人物の立場が絡んでホント面白い。
自分の昇進のためにひたすら保身する人。
銀行という組織で上司にはむかうはずがないのに、はむかう新人。
自分の立場関係なく不正を暴こうとする人。
色んな人物の心情、行動が交差して臨場感がたっぷり。
ハラハラしながら読んだ。
やっと不正が暴かれる・・・ってときに、支店長が検査員の過去について話し始めて・・・って部分の展開はホント面白かった。
推理小説としては犯人の暴露もその後についてもアッサリしてるけど。
そこに至るまでの経緯がすごい読み応えありました。
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銀行という独特の社会で生きる人々を1つの支店を通じて、誰かの目線で繰り広げられる短編集。
かと思いきや…ある日、100万円という札束が忽然と消えたことから巻き起こる奇妙な事件…。それぞれが別物だと思っていた話しが微妙に絡み合って謎を呼ぶ。
新規開拓・顧客管理・癒着・ノイローゼ・栄転・昇進・行員の疾走…。
昇進をかけた男たちのヒューマンでありながら、隠れた汚職の実態を暴いていくミステリ。
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銀行を舞台として起こるさまざまな状況と行員たちの人間模様を写しだした作品。各短編がうまく絡み合いを見せ長編小説のように読み込めます。
華やかに見える銀行の裏側が、細かくディテールまで表現されていて臨場感あふれています。
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随分と積読のままになってしまってた1冊。銀行の日常話がむずい…面白かったけど、理解力が足りなかった。『流星ワゴン』と同じく、男の人が書く家族のお話、って感じ。ミステリ要素難しかったけどあって嬉しかったです。
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慶応卒の銀行マンが書いているだけあって、内部事情についての描写は流石と言えます。が、いかんせん知識が追いつかないのでさっぱりでした。
ミステリ要素や、群像劇的な物語があるのでそこら辺は楽しめるかなあと。
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面白かったぁ!前情報なしで読んで正解。
東京第一銀行長原支店勤務の銀行員によるオムニバスストーリー。お客様第一主義を掲げながら本部の定めた目標達成に目の色を変える支店長、立身出世しか目に入らずしょっちゅう部下を叱り飛ばす副支店長、成績が奮わない営業マン、怒られてばかりの係長と色々な立場の人が登場する。
目標達成へのプレッシャーや大黒柱であることの誇り、出世欲等から、彼らは仕事に目を向けざるを得ない。
エリート職に思える銀行員だが、人間が働いている以上、どろどろした感情を含むドラマがある。
はじめの2~3話は正義は勝つというか努力は報われる的な話。
しばらくは主人公が入れ替わり支店の人間模様を紹介。
そして様々な謎から、一本の仮説が飛び出してくる。
ノルマ達成に喘ぐ管理職が主人公の1話を面白いと思った時点で「私の感性はこれを面白いと思うのか」とショックを感じた。が、社会人だからこそ分かる面白さがある。守るべき家族を持っていれば、きっと涙が出ている。
読書の面白さを久々に満喫した。
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いつもの池井戸節もありながら、ミステリ要素もあり面白かった。脈絡のなさそうな?短編を並べて一つの物語にするのは「新参者」でも見たけど、結構好きかも。