「疑ひなき恋の手本となりにけり」(163頁)
2022/03/06 16:12
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
『カムカムエブリバディ』の脚本を書いている藤本有紀氏の旧作である『ちかえもん』を観る前の参考本として一読。『曽根崎心中』って、なるほどこういう話だったのかとよく頭に入りました。(緊張感のある記述とお初・徳兵衛の心情描写が心を打ちました。)本書はその構成がよく、原文が細切れにされてその夫々の後に訳文が付されるというスタイルではなく、まず巻頭に全訳文が掲げられ、後半に原文プラス注釈が載っているので、各作品をまるごと味読できました。
舞台鑑賞の参考に
2019/03/30 23:07
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投稿者:がんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
文楽や歌舞伎で演じられる近松の心中ものの代表的3作品。現代語訳と原本、近松の経歴や作品の背景も語られていて、これを読めば演目をより理解して鑑賞することができる。
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某動画サイトに投下された同名の曲を聴いて興味がわき、読んでみました。
現代語訳もあって読みやすいです。
この話、新春ドラマとかでやったら人気出るんじゃないでしょうか…。
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近松門左衛門の浄瑠璃。
現代語訳が大変読みやすいです。
現代語訳がなかったら読まなかったと思います
(読まざるを得ない理由があるのだが)。
付けたのは★3だけど本当は4でもいいくらい。
なかなか不条理なストーリーもあるのだけど
文章が軽快で重苦しさはない。
当時の風俗が垣間見えてそういう意味でも興味深い。
機会があったら三作品とも浄瑠璃で観てみたいものだ。
収録作品
・曽根崎心中
・冥土の飛脚
・心中天の網島
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近松の心中には、逃げてゆくと言うより、死に向かって不可避的に邁進して、ぶつかって行くような印象を受けます。「心中天の網島」は篠田正浩も映画化していますが、これも非常に優れています。
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近松門左衛門の浄瑠璃3作を収録した本。
現代語訳と本文がそれぞれ収録されています。
どの作品も人の恋路を描いた作品で、
恋する気持ちってどの時代も変わらないなということを改めて実感します。
死ぬことで結ばれたい、現世ではなく来世で添い遂げたいと思うほど強く思いあう姿は切なくて美しいなと思います。
死んだら悲しむ人がいるというのを分かった上で、それでも自分たちの愛を選んでいるので切なさは倍増です。
きっと周りの人のことを考えないで死のうとしているなら、ここまで感動的にはならずただの身勝手だと思うんだろうなぁと感じました。
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そういえば浄瑠璃というのは観たことがない。人形劇だから「プリンプリン物語」みたいなものだろうか(笑)。
江戸・大坂あたりの町人文化を描いたものとして、民俗学的な興味をもって読んだ。これだけ読むと当時の庶民はひどく簡単に「心中」をしたのかと思ってしまうが、実際そんなに多かったのだろうか。現在では自殺は一般的倫理に反するものとして暗黙のうちに禁忌的なイメージを持つが、この頃は「死」は世上の軋轢を解決する手段として比較的容易に用いられたものだったか。
西洋は「個人の生」を保護すると共に管理し、それを至上の命題として「掟」化することによって、自殺をあからさまに禁じた訳だが、西洋化する以前の日本であれば、ひとつの自然として自死を暗々裏に認めていたということも、ありえそうな気がする。
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古典にきちんとした現代語訳がついていて手頃な文庫本はこのシリーズくらい。当時に恋愛という言葉概念がなかったことを考えれば、人情と恋慕の物語。死ぬほど恋しているのになんだか軽い。それも江戸時代の感覚か。
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江戸時代前期の元禄期の人形浄瑠璃の作者として歴史の教科書などで必ず目にする近松門左衛門の心中物として名高い曾根崎心中、心中天の網島など3編を収録。大坂を舞台に、遊女とその遊女にのめり込んでしまった男の顛末記です。浄瑠璃のための作品なので、上演されるものを見るのが前提だけに本を読むだけだと微妙に分かりにくい部分もありますが、セリフ回しなど、なかなか面白いです。これはぜひ歌舞伎や人形浄瑠璃で観てみたいです。あと、本書は現代語訳と原文が1冊にまとまっているのでとても重宝します。
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三谷幸喜の『其礼成心中』を読むに当たり、一応原作(元ネタ?)も読んでみようと思い。
「曽根崎心中」「冥途の飛脚」「心中天の網島」の三作。
それぞれ あらすじ、現代語訳、原文が掲載されています。あらすじがあるのが とてもありがたく、その後の現代語訳が 理解しやすくなりました。原文はチラチラ程度です・・・(汗)
三作の中では「曾根崎心中」が一番シンプルですが、好みかな。後の2作は人間関係がより複雑だったりして、脚本としては面白くなっているのかもしれませんが、主人公に共感できるかというと、なんだかもやもやしてしまう。(妻子ある身で恋人に走る、という展開がちょっと苦手)ま、これはほんとに好みの問題なので。
それにしても、これを人形が演じるとなると どうなるのかしら?文楽 見てみたいです。
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近松門左衛門をはじめて読んでみた。
浄瑠璃の知識もほとんど無く読んだのだが、なかなか面白い。
文章で読んでこれだけ面白いと感じるのだから、浄瑠璃で観たら更に面白いのではないかと思う。
所謂「心中物」であるので無常観をあらわす仏語なども頻出したり、ことばの掛け合わせなどもあり、意味をくみ取るのにだいぶ苦労する。
本書は原文の雰囲気を損なわない秀れた現代語訳があるので、それを頼ることが可能である。
原文にも細かな校注があり、とても素晴らしい書籍だ。
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有名どころの3編が掲載されています。こなれた現代語訳なのでとても読みやすく臨場感があります。
元々冥途の飛脚を目的に読んだのですが、自分のメンタリティの関係で、転落していく主人公に対して見てられない感じがして、思った以上に楽しめなかった自分がいました。共感性羞恥が発動されてしまったような気がします。自分自身のどこかに、自分もこの主人公のようにふとしたはずみで転落してしまうのではないかという意識があるのかもしれないと思った作品でした。単純に悲しい話の時は、何ともない事が多いのになぁ。
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『曾根崎心中』は文楽で見ていたが、読むのは初めて。他に『冥途の飛脚』と『心中天の網島』の有名作を収録。校注を読み終わってから現代語訳を読むようにしたが、やっぱり難しい。訳があってよかった。しかしどの話も切ないなぁ。お初・徳兵衛、梅川・忠兵衛、小春・治兵衛と対で語られる二人の転落物語だし、当時はかなりホットなゴシップだったのだろうが、なんとも美しく描かれている。
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この編集方針はどうかなあ。文章ぶった切って語注と解説と鑑賞入れていくという形のやつはないか。
それにしても前から疑問なのだが、九平治は本当に悪人なのかな?違うんじゃね?むしろ徳兵衛の方に問題がありそう。
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人形浄瑠璃や歌舞伎で触れてきた物語。
一場面ずつでしか味わってこなかったものを、初めて通して読むことができた。
前半は現代文、後半が原文と注釈がありわかりやすい。
初めて近松作品に触れる方にはオススメの文庫本。