紙の本
中国マフィアを相手にするライム
2012/04/30 21:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディーヴァーの描くリンカーン・ライムのシリーズである。これが4作目となる作品である。1作目のボーン・コレクター、2作目のコフィン・ダンサー3作目のエンプティ・チェアーに比べるとだいぶ落ち着いてきた感がある。毎回毎回発展と進歩があるのがこのシリーズの特徴だと思う。同じ調子で描かれているわけではないが、今回もお得意のどんでん返しが用意されている。
今回は中国の難民が米国に流れ着くところから始まる。実はこれにも最後に驚くべき種明かしが待っている。このシリーズの共通点を上げれば、凶悪で狂気の殺人鬼がライムの相手として登場することであろう。あっさりと兜を脱ぐようなヤワな殺人鬼では物足りない。散々弱い者を痛めつけて悪虐非道ぶりを見せ付け、読者の怒りを買うだけ買ったところで、ライムと対峙させる。
これで相互にハンディはなしだ。ここから両者が策略をめぐらし、互いを意識し、試合が始まるのである。策略は秘中の秘であるはずだが、これが漏れてしまう。味方のどこかにスパイがいるのかも知れない。疑心暗鬼になる。
この辺の駆け引きがなかなか面白い。何故作戦が漏れてしまったのか。これが本作品の最も重要な部分かもしれない。シリーズのこれ以降の作品でもほぼ同様の仕掛けが再登場してくる。
今回登場するのは中国人が多いが、中国の福建省は華僑が多いところだそうだ。この中国人の風俗、習慣がよく登場する。そのなかに、「六十歳は老年期の始まり、尊敬の念を抱かれる年代の始まりとされ、華々しくお祝いをするのが伝統」と記されていた。福建省の言い伝えであり、お祝いの習慣であろう。人生の真理を言い当てているような気がする。含みのある言葉であると感じた次第である。
本書ではライムの手術の話が出ていたが、リスクのある手術を受けるのか否か。ストーリーへの影響はさしてないようだが、案外これが何かの伏線になっているような気もする。しかし、それはまだ先の話であろう。
電子書籍
4作目
2021/03/09 15:29
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投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
多分デルレイ死なないと信じますけどドキドキします。
ちなみにコー捜査官?は怪しすぎませんか?
情報源がゴーストにいるって書いてたしそれかな?とも思いますが、自分が捕まえたいFBIに逮捕させたくないって気持ちからっていう可能性もありますよね。
紙の本
ハズレなし
2018/05/23 21:22
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハズレのない本を読みたい気分のときは海外作家ならジェフリー・ディーヴァーを私は選びます。
おなじみのリンカーン・ライムシリーズの第4弾です。
最近はあまり日本のニュースでは聞かれなくなった中国の犯罪組織・蛇頭が今回のライムの相手です。
上巻は400ページ強ありますが、描かれる時間は
ある日の火曜日午前4時30分から翌日の水曜日の午前1時まで。
このわずかな時間の中での出来事を濃密で緊張感一杯の文章で走り抜けるように描いています。
一度読み出すや途中で止めることができないのが、このリンカーン・ライムシリーズの凄さですが、今回もここまでは期待を裏切ることのない出来です。
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リンカーン・ライムシリーズ第4弾。
ディーヴァーものは大どんでん返しがあって当たり前、それが2転するか3転するか4転するか・・・というところでどきどき(ビクビク?)しながら読み進めたわけですが。
あからさまに怪しい行動とる人物やらあからさまに死期の近い人物(しかもそういう人に限ってこちらは肩入れしきっているわけで・・・遠い目)やら、どれがフェイクだ!?とやっぱりビクビク。
読了後に本の表紙の石の猿を見るとなんだか色々な感情が湧きあがって来ます。
でもトムが活躍せんかったので★は3つ。素
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リンカーン・ライムの4番目の本ですね。
今度はNYが舞台だけれども、
中国人不法入国者やら何やらが関わってくるので、
NY!!て感じがあまりしなかったなぁ。
チャイナタウンとかそうなんだけども。
ライムとリーのやりとりが面白いなぁ!なんて思いました。
あたりまえだけど、ライムのアメリカ人っぷりが面白くて。
チャン一家とウー一家は殺されずに済むのか?とドキドキした上巻です。
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映画「ボーンコレクター」の続編。
今まで、パートナー以外ほとんど心を開くことがなかった
主人公「リンカーン・ライム」という人物像に、人に対する
一個人としての好意的な好奇心と信頼という、生身の人間
へさらに昇華させた本作品。
息を呑む犯人追跡の科学捜査はもとより、各行間に設けられた
著者と読者との想像の駆け引き。
この面白さあっての、ジェフリー・ディーヴァー。
一冊一日はあまりにも贅沢且つもったいなかった。
ので、二回目読み直し中。。。
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表紙書いしたら、「ボーン・コレクター」のシリーズ 4作目だった。安楽椅子探偵ならぬ車椅子探偵ライムの鋭い推理は健在。2作目と3作目は読んでいないので、アメリアとの仲も急に進展していてびっくりした。
「二転三転」は結構なのだが、最後の一転はちょっと冗長だったと思う。コーダの流すぎる音楽のような感じで、スッキリとした読後感を損なった。あと、さすがにこのプロットは無理があるだろー...。
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■0836.
<読破期間>
H20/5/7~H20/5/27
<本の内容>
中国の密航船が沈没、10人の密航者がニューヨークへ上陸した。
同船に乗り込んでいた国際手配中の犯罪組織の大物“ゴースト”は、
自分の顔を知った密航者たちの抹殺を開始した。
科学捜査の天才ライムが後を追うが、ゴーストの正体はまったく不明、
逃げた密航者たちの居場所も不明だ—
果たして冷血の殺戮は止められるのか。
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密入国する中国人を乗せた密航船を沈没させた殺人犯ゴーストを追いライムとサックスが追い詰める。中国の捜査官も登場し文化交流も織り込みながら二転三転する結末。面白い。
中国の捜査官へとライムが心を通わすシーンが印象的です。もはや、サックスとライムは言葉以上の繋がりがあるんだろうという回です。なので、サックスのピンチがピンチな感じに無くならない様になると良いです。
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リンカーン・ライムシリーズ。
いきなり、密入国しようとしてる中国船とのアクションシーンから始まるので、かなり面食らう。
でもって、これが結構長い。
ま、長いには長いなりの理由があるんだけどね。
中国人の密入国者を暗殺しようとする蛇頭の殺し屋「ゴースト」を追うライムとアメリア。同時に、密入国した中国人を保護のために探している。
手がかりが全くない状況から、緻密な捜査で拾い上げていく様は、さすがライムシリーズ。
でも、気になるのは、ライムとアメリアの関係。保護した中国人がからんできて、どきどきしました。
読み終わったら、やられたな、って、ち、って思うんだけどね。
中国とアメリカの関係、アメリカにわたってきた中国人への視線とか、妙にフラットな感じがして、それは好感度が高い。こういうネタって、やっぱりわかってないね、とか、偏見があるよね、ってどこか感じさせるものが多いんだけど、ディーヴァーは見事にフラット。
ライムが、すごい自我の人であるように、ディーヴァー自身も自我の人である証なのかもしれない。
中国人刑事が、いい味だしてます。
もし映画化するなら、絶対ジェット・リーでお願いしますm(__)m つか、あれはジェット・リーしかありえないww
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前半は多少長い感はあったけど、後半になり必要だったと思いました。
またニューヨークにもどって来たので、懐かしの登場人物が活躍。デルレイどうなる?!
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体の不自由なリンカーンは嫌味で自室から出ることがままならない。元モデルで現場を飛び回るアメリアという極端すぎる設定なのだが、気がつくとぐいぐいとストーリーに引き込まれている。
今回はそこに中国人警官のリーが加わる。徐々にリーの持ち味が発揮されてきて、即下巻を手にとってしまう。
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リンカーン・ライムシリーズの4作目。中国からの密航船がニューヨークに近い沖合いで沿岸警備隊に見つかった。国際指名手配の密入国斡旋業者ゴーストを追う合同捜査班が、万策尽きてライムに分析を依頼した結果行方を突き止めたからだ。ゴーストは船を爆薬で沈め、密入国者たちは命からがら脱出。夢の国アメリカでの彼らの運命は?そしてライムたちはゴーストを捕まえられるのか…?「ゴースト合同捜査本部」と化したライムのタウンハウスには、おなじみのFBI捜査官フレッド・デルレイ(漆黒のスーツにカナリア色のシャツ!)、NY市警刑事ロン・セリットー(しわくちゃ〜)、同署中国系米国人刑事エディ・ドン(ロンの今の相棒で二丁拳銃のローランド・ベルは前作の舞台ノースカロライナでルーシー・カーと休暇中)。連邦捜査機関からは移民帰化局のハロルド・ピーボティとアラン・コーのほか捜査関係者が出入りし、さながら賑やかなグランドセントラル駅状態。愛車カマロで現場に急行したサックスはグリッド捜査で鑑識を開始。海辺で瀕死の密航者ジョン・ソンを発見・救出。他の密航者チャンたちはゴーストからも移民局からも見付からない様逃げ隠れしつつ逃走。ああ、もうだめか…という危機に何度も陥りひやひやさせられる。介助士トムも回復し(よかった〜)非公式捜査メンバーとして気の利く働きを見せてくれる。途中で加わる中国の刑事ソニー・リーが今回のキー・パーソン。ゴースト逮捕に執念を燃やすガッツと、ライムを老板(ラオパン/ボスの意味)と呼び親しみやすい愛嬌とを併せ持つ魅力ある人物。つづきは下巻に
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おもしろかった〜 私の中では今まで読んだシリーズのなかでは一番好きです♪ アジアという異文化に触れるライム達。アジア人である私たちが読むと面白さも又倍増って感じですね。 殺人者ゴーストを追ってアメリカに渡ってきた中国公安局の刑事 ソニー・リーにぞっこん♪ 初対面では欧米人の蔑みとも感じるほどに相手にしなかったライムでしたが リーの人となりに触れていくうちに、かけがえのない友人として認めていく・・二人が碁を打とうとするシーンは何度も読み返しました。読むうちに涙が出て止まりませんでした。「なぁ 老板(ラオパン)・・」と語りかけるリーの声が聞こえてくるようです。 いつものように「あっ!」と驚くどんでん返しは健在ですし、ハラハラと止められない読ませる作品ですが なにかちょっと違う・・・何でしょうね 「自然に生きる生き方もある」理詰めの科学捜査官の心にスルリと入り込んだリーの言葉・・『石の猿』とはなんとも象徴的なタイトルではないかと思えてくるのです。
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極悪非道の蛇頭ゴーストとライムの対決を描くシリーズ4作目。とにかく、面白く、一気に上巻を読んだ。チャイナタウンの情景、密航者たちの事情、サックスの内面の描写が作品に奥行を与えている。登場人物のリストは、少しネタばれを含むので、要注意。