紙の本
犯罪小説の手本
2016/02/26 23:42
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
フィギュア・スケートを扱った「銀色の絆」が好きだったが、この人の持ち味は矢張りミステリだと思う。時効になってしまった強姦殺人の容疑者が、老夫婦刺殺が起きて再び捜査線上に浮上。検事や弁護士らを通し、”正義”を考えさせられる一冊。やや現実離れした部分もあるが、許容範囲内。
紙の本
社会派サスペンス
2021/04/17 14:32
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨大かつ強権な検察の、組織内のシステムや上下関係がリアルです。最上と沖野の立ち位置が逆転する、後半への伏線も見事でした。
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アガサ・クリスティの、あの戯曲を思い起こさせる
タイトルだけれど、こちらの方がぐっと重苦しい。
正義とは何か。
司法とは何か。
どうするのが正しかったのか。
金貸しをしていた老夫婦が殺害され、容疑者の1人として
23年前に少女を暴行し殺害しながら逃げおおせた男の名が
あがってきた。
検察にも、警察にも、過去の事件に思い入れのある人間が
捜査に関わっていた、、、
決定的な証拠がないのをいいことに、否認を続け、
罪を逃れるだなんて、ましてや、それが、いたいけな
少女に対する卑劣な犯罪だなんて、正直、反吐が出るし、
そんな奴、どんな目にあっても同情なんてする気になれない。
その少女を可愛がっていた検事最上が、今度こそそいつが
犯人であってくれればと思うのも、よく分かる。
今度こそ、罪に問うてやると熱心になるのも無理はない。
捜査をそちらに誘導するぐらいは「あり」だと思う。
周囲に認められた優秀な検事である最上。
そこで踏みとどまってほしかった。
そして、罪を犯したものには、時効であろうと、
なんらかの形で報いをうけてほしかった。
事態が、過酷なほうに流れていくのには、目を覆いたかった。
最上に、覚悟があるのが、いっそう辛かった。
それでも、支えるものがあるのは、せめてもの、一筋の光。
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「最上検事、もう止めてくれ~」と心の中で叫びながら、重い気持ちのまま起訴へ。 沖野が事務官と一線を越えてからギアチェンジされ話が別回転していきます。
「いけいけ沖野ー!!」だったはずなのに、結果的には不条理なものになってしまった。
最後は「松倉、ふざけんなっ」でした。
あと、あのシャドーマージャンは全く意味わからんかった。
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※ネタバレ注意※
私怨を晴らすためなら、最上検事は弓岡を真犯人として逮捕して、松倉が釈放されてから殺せば良かったんじゃないの?
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ベテラン検事による、悲哀を秘めた冤罪事件と、
これを担当検事として起訴しよぅとし、その後、
冤罪事件を暴いていく若手検事のお話ですが…、
正直なところ、主人公の若手検事には、
正義を司る検事として、その職務の遂行の中で、
冤罪事件に立ち向かって欲しかったな~っと…。
若手検事の、キャラ設定や作中での人物描写が、
なんとなく、物足りなく…、作品全体も、
なんとなく、薄っぺらな印象だったのが残念…。
しかも…、主要な登場人物が、
誰も救われなぃ、すっきりとしない結末には、
読了後に、モヤモヤ感が残ったかも…。
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うーん・・・よかったんだけど、魅力的な登場人物がいなく感情移入できず。
動機もちょっと弱いし、検察官がそこまでするかなぁ、と、読後感悪し。
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内容(「BOOK」データベースより)
東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる―。
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それぞれの「正義」を求めて、それぞれに傷を負った二人だけど、まだ救いは残されている。そこまで含めていい話だと思う。
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何ともすっきりしない後味。
何が正義か、罪とは何か、罰とは何かと考えた。
冤罪が作られてしまう怖さも垣間見えた気がした。
後半は引き込まれてぐいぐい読め、それなりの問題作ではあると思うが、前半が冗長。
説明に過ぎる気がして読むのをやめてしまえと何度も思った。
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正義とは何か。
検事沖野が背負ったものは秋霜烈日のバッジの重さと尊敬する先輩検事への疑念。
バッジを外す決意をした沖野は事件の真相に迫る。
冤罪はかくも容易く作られてしまうものなのか。
これは読み応えあり。
袴田事件の再審が決定した今リアルに迫る1冊。
いろいろと考えるところは多い作品だったけれど
最後は泣いた。
正義とは? そして真実の意味とは?
久しぶりに強く余韻が続く作品でした。
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正義とは何なのか?
タイトルに書いてある言葉が本当に重たい。
人間は何を、誰を罰することが出来るのか。何故、松倉を罰することが出来ないのか。と自問せざる得ない。
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まさに「どんでんがえし」。しかし、所謂ミステリー業界のどんでん返しではなく、悪人と善人、罪人と無実の人、裁く側と裁かれる側、検察官と弁護士。相対する立場の人間模様が、見事にひっくり返る。
可哀想だと思っていた冤罪被害者も、力のある人権派弁護士が、最後にどのように描かれるのか。雫井脩介恐るべし。この子は恐ろしい子じゃ。
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正義とはと何なのかと考えされられた。
犯人とわかりながらも時効という壁に阻まれ、のうのうと逃げ延びてしまう人物を目の前にして、最上の気持ちももわからなくはないが、冤罪は許されられるものではない。
沖野は理想に燃えるがために、反発してしまうのだが、最上と対立するにはどうも弱い。沙穂との関係も安直すぎて、安っぽいドラマのようだ。
最後の20ページを読むまでは★3かなと思っていたが、最後に最上と家族・友人との関係が切なくて、プラス評価。
最上の刑期がどうなるのか、沖野がどんな弁護士となっていくのか、続きが気になった。
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正義の定義ってみたいな話でしようか。スッキリしない読後感は好きですけど、テンションの高い時に読むべきでした。