一粒で、何度も美味しい。
2015/10/28 23:47
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投稿者:グリーン・フローライト - この投稿者のレビュー一覧を見る
じっくりと、小説を読みたくても、
なかなか、まとめた時間がとれなかったり、
長編小説を、少しずつ断片で読み進めるというのも、気が削がれるというような時に、
一話一話が、数分で読み終えられる分量でありながら、
テレビの1時間ドラマに匹敵するくらいの濃い展開に、満足感が得られて、
さらに、一度読んだ作品でも、結末を知りながらも、何度も繰り返し読めてしまうのが、
この作品に限らず、
とにかく、どの話も、外れなく面白い、
星新一さんのショートショートのマジックだと思います。
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
気楽に読めて面白いのです。根底には人生の真髄があると思います。人生も社会も錯覚の連続の上に存在しているのかもしれませんな。そうじゃないと断言できる人がだれかいますかね、とね。
これからの出来事をつくるのは現在の自分
2011/04/21 17:27
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
その青年は、地震、台風、豪雨、洪水、なだれ、あらゆる天災をぴたりと予告する能力を持つ。彼は護衛の刑事に予告した「いまから一時間半、ほぼ東へ五十キロのあたりだ」。それを受けた男が言う「となると、空港が含まれる地域となりますな……」。彼の予告で万全の態勢が整えられ、損害は最小限にとどまった。【能力と仕事】
東日本大震災を経験したこの時期に読んだ、意味深なタイトルの「これからの出来事」。希望に満ちた作品は少ないものの、いくつか光を感じるものもある。「これからの出来事」をつくるのは現在の自分だが、他人の力も自分の力となることを忘れてはならない。
本書の中から気に入ったものをピックアップ。
【これからの出来事】
男はぼんやりした明るさの中で目を覚ました。身体に力が入らず、そばの女性に足がかゆいと訴えると、足は事故で切断されたと告げられた。今度は腹が痛いと訴えると、腸も……。
「おれは生きている。まちがいなく、生きている」
多くの肉体を失った男の言葉に、圧倒的な生命力を感じずにはいられない。
【救いの声】
その青年は集金した現金入りのカバンを無くし、頭を抱えていた。そのとき「目ざめるんだね」という声。そして青年は目を覚まし、問題のカバンを抱えていた。やがて青年は一人の女性と恋に落ちたが、人妻だった彼女の夫に脅され……。
いったいどれほどの人が「目ざめるんだね」の声を切望するだろう。
【ひとつの段階】
夫婦に赤ちゃんが出来た。友達は「あれかもしれないわよ」と言い、夫人は「なおすごいことじゃない」と喜び、出産すると『あれ』だった。産科医院の先生も『あれ』を子に持つ。コアラより少し大きく、パンダよりはるかに愛らしい、全身の毛にはつやがあり、その感触も素晴らしく……。
ペットを家族のように可愛がる人々を材にしているようで、その行き着く先に焦点を当てたSFホラーとも言える。
【その他収録作品】
気ままな生活、ひとつのドア、想像のなか、山の出来事、ある古風な物語、交渉、枕、安全な生活、小さな家、森での出来事、男と王妃さま、支配について、会議のパターン、なにかの縁、能力と仕事、満開の季節、木下での修行、小さなバーでの会話。
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投稿者:シゲ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、読書嫌いの私を読書好きにしてくれた本です。
一話が短く、そしておもしろい。
懐かしくなり、購入しました。
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大人向けのショートショート。
寓話的な話というか。
初期の頃のショートショートとは一線を画す。
「ある古風な物語」「交渉」「小さな家」「森での出来事」「これからの出来事」「支配について」「満開の季節」「救いの声」「小さなバーでの会話」が好き。
特に「小さな名バーでの会話」の〈人生も社会も、錯覚の連続の上に存在しているのかもしれませんな。〉は名言。
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悪夢だと思いたい、信じられないような出来事。特殊な能力をもった青年の巧妙なビジネス。絶体絶命の危機から目覚めさせてくれる救いの声。満開の桜の季節に出会った秘密好きの美しい女―。想像もつかないことが現実となってしまう未来社会を、あなたものぞいてみませんか?技術と文明がもたらす21世紀社会のゆがみを見通して、痛烈な風刺で描きだしたショートショート21編。
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星新一さんのショートショート。ほんまどれも面白い!いつもどこから、こんなユニークな発想がでるのか不思議です。
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内容(「BOOK」データベースより)
悪夢だと思いたい、信じられないような出来事。特殊な能力をもった青年の巧妙なビジネス。絶体絶命の危機から目覚めさせてくれる救いの声。満開の桜の季節に出会った秘密好きの美しい女―。想像もつかないことが現実となってしまう未来社会を、あなたものぞいてみませんか?技術と文明がもたらす21世紀社会のゆがみを見通して、痛烈な風刺で描きだしたショートショート21編。
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ショートショート21篇
気ままな生活 ひとつのドア 想像のなか 山の出来事 ある古風な物語
交渉 枕 安全な生活 小さな家 森での出来事
男と王妃さま これからの出来事 支配について 会議のパターン なにかの縁
能力と仕事 満開の季節 救いの声 木の下での修行 小さなバーでの会話
ひとつの段階
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図書館からかりた本
中学生の頃によんだ、N氏の遊園地がわすれられなくて、彼の本をよんだけど、この本もなかなかおもしろかった:)
もっと、かれの本を読んでみようとおもう。
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一般的な小説がフルコースなら、星先生のSSは骨格とスパイスのみ、という印象を受ける。それは昔話や童話に近い面白さを持っているなぁと思う。昔話の多くが構造のみのシンプルなものに洗練されるのは、語り継がれていく過程で枝葉末節が脱落していく為かな。
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表題作品「これからの出来事」が一番印象的。
記憶を失った男と会話の相手の女性に、過去のエピソードとかを盛り込んで、女性の声を聞くうちに記憶は戻らないながらも生きる決意を見せるという展開とかにしてラジドラの脚本でもかけそう。。自分は生きていると自分で決定づけるところにどうもっていくかいろいろ考えられそう。
あとはそうだなぁ、演出のテイストを全く変えつつも全て星新一の3本立てオムニバスとかできたらすごく面白そう。
想像がわくわく膨らむのはさすが星新一のショートショートですね。
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「これからの出来事」3
著者 星新一
出版 新潮社
p57より引用
“頭がおかしいのではなく、
彼の頭がよすぎるせいかもしれない。”
ショートショートの代名詞ともいえる著者による、
ショートショート作品集。
遺産相続に関する話から人間の突然変異の話まで、
奇想天外な短篇が21話収録されています。
上記の引用は、
慎重な性格の男の話の中の一文。
何もかもにあまりにも考えすぎると、
結局何も出来なくなるということでしょうか。
p65で書かれるおちを読んでいると、
グラップラー刃牙に出てきた合気道の先生を思い出します。
最後に収録されている話は、
ペットブームに対する皮肉でしょうか、
初出版は昭和60年、
景気が良くて輸入ペットが流行していた頃かもしれません。
その頃捨てられたペットが野生化して、
今現在でも問題になっている事は何ともいえず・・・。
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悪夢だと思いたい、信じられないような出来事。特殊な能力をもった青年の巧妙なビジネス。絶体絶命の危機から目覚めさせてくれる救いの声。満開の桜の季節に出会った秘密好きの美しい女――想像もつかないことが現実となってしまう未来社会を、あなたものぞいてみませんか?
技術と文明がもたらす21世紀社会のゆがみを見通して、痛烈な風刺で描きだしたショートショート21編。(背表紙文より)
これは、単純に読めば、童話である
面白い中に何か教訓が含まれていたり、人としての良い悪い行いの手本、真似してはいけないことなど様々なことが書かれている
それは、はっきりとした文章としてはなく、なんとなく、わかる人にわかるように書かれているので、薄ぼんやりとしか理解できない
でもそれが逆に気になり、体に染み込まれる
あれはあの事だったのではないか、それともこういう事だったのか? わかったとき、あなたはちょっと成長するはず
読んでそんな気持ちになれる一冊である
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ストーリー
悪夢だと思いたい、信じられないような出来事。特殊な能力をもった青年の巧妙なビジネス。絶体絶命の危機から目覚めさせてくれる救いの声。満開の桜の季節に出会った秘密好きの美しい女―。想像もつかないことが現実となってしまう未来社会を、あなたものぞいてみませんか?技術と文明がもたらす21世紀社会のゆがみを見通して、痛烈な風刺で描きだしたショートショート21編。