紙の本
女性の生きにくい中世を舞台にしたからこそのホロの造詣がああなのかもしれない
2009/05/31 20:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「狼と香辛料」の短編集。
*狼と黄金色の約束
*狼と若草色の寄り道
*黒狼の揺り籠
圧巻はなんといっても「黒狼の揺り籠」だろう。
女商人エーブの若き日の姿というか、彼女がいかにして女商人となったかという物語だ。
没落貴族として生まれ、金のために嫁ぎ、しかしその家も没するという運命に翻弄されてきた彼女が、自分の足で歩きだすためには、これほどの犠牲が必要だったのかと、あたらめて若い女が一人で生きることの難しさを感じる。
確かにこの物語はファンタジーだ。
けれど、中世ヨーロッパの世界観の骨組みをきちんと模しているところに、ゆるぎなさがある。だからこそ、女であることが生きにくさにつながっていく。
それを踏まえてのホロの人物造形なのかもしれないと、はたと気付き、この奥深さがあるから惹かれてやまないのだと、納得した。
「狼と黄金色の約束」は、植民したての村に立ち寄った2人が巻き込まれる土地争いの話。
土地の確実な計量方法がないっていうのは、実に不便なことだなと、現代に生きるありがたみをちょっと感じたりする。
「狼と若草色の寄り道」は、他愛のない話。
でも、こういう他愛のない話で、ほのぼのと、そしてほっこりとさせられるのがこのシリーズのいいところ。あと、妙に知的好奇心も満足させてくれます。
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投稿者:甘栗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集第2弾。
女商人エーブの過去を描いた「黒狼の揺り籠」は読みごたえがありました。
好きになれないキャラクターですが、彼女が苦労した結果だとわかって少し切ない気持ちになります。
紙の本
2度目の短編集
2018/10/25 00:54
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
黄金色と若草色の
「女子必見!バカな男に愛の言葉をささやかせる会話術」
と、
あの黒狼商人エーブの若かりし日の物語。
紙の本
凄腕商人の誕生物語
2009/05/09 22:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編二本と中編一本の構成。短編二本の方はロレンスとホロのさや当てが主な内容で、二人のほのぼのとした雰囲気が味わえる。あわせて、植民者の村での出来事は時代観や風俗などを伝えていて、物語世界を深める役割も果たしているように思う。
中編は、エーブ・ボラン誕生の物語。本編では凄腕の商人として登場した彼女だが、没落貴族から商人としての覚悟を決めるまでの出来事が描かれている。貴族という背景もあり、ロレンスの様な一般人とはかなり違う恵まれた修業時代だけれど、そこから一転した先で得る覚悟の深みも違う。彼女の抱える闇の部分を垣間見た気がするし、ロレンスとホロに出会った時にエーブは何を感じたのだろうか、とも考えさせられた。
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まだ読んでない。
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05/21
やっと読んだ。
何はともあれエーブの話がよい。
荷物が届いたあたりで先が見えたが、
それでも楽しめた(といっていいのかどうかわからないが)。
フルールかわいいよフルール。
あとがきにあるように、また以前の巻を読み直したくなりますね。
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短編集Side Colorsの第二弾。
一つはロレンスとホロが植民の村に立ち寄る話、
次に、たまにはのんびり昼寝をしようという話、
そして最後は、エーブが商人になった頃の話。
最初の二つは、本編とは違ってのんびりした話です。
毎度のロレンスが窮地に追い込まれてハラハラする展開はなくて、
二人の言葉遊びやまったり感を楽しむ感じ。
前回のSide Colorsはホロの内心を描いたベタ甘なエピソードがありました、
今回も挿絵のように甘め・・・もう幸せになってくれ。
本巻で一番面白かったのがエーブの話「黒狼の揺り籠」です。
エーブといえば対立の町に出てきた元貴族の女商人で、没落貴族という設定以外は謎でした。
まだ貴族気分が抜けきらず、危なっかしい彼女の姿が新鮮です。
この時はまだ名前を隠していません、果たしてエーブは一人の商人として商談を成功させることができるのか!というとネタばれですが、また短編でフルール(エーブ)の話を読みたくなりました。
ストーリーとは別ですが、文倉十さんの絵は可愛くて好きです。
本編に戻る前にもう一度読み直そうかな。
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『狼と香辛料』第11巻目。
今回はサイドストーリーということで、
短編2話とエーブの過去のストーリーが入っている。
何故エーブは商人の道に進んだのか。
一時ロレンス一行に牙を向けたエーブの過去が明らかになる。
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短・中編集。だが、とても良い。短編は二人旅の頃の話。二人だけの軽妙なやり取り。とりとめもないがそれが良い。中編はエーブの話。彼女が商人として覚悟を決めるきっかけとなる。エーブというキャラの深みが増した感じ。
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エーブが再び・・・!エーブの話が一番好きです。エーブの成り立ちを知ることができる本です。やっぱり、エーブ大好きです。
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前半は本編の裏側で起こった出来事描いたもの.
後半は商人エーブの転落人生の物語です.
・・・少し違うか転落して這い上がっていくお話です.
私にはちょっと重かった.胃に・・・ずどん・・・と来る感じ.
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短編集第2作目。前半のお話はロレンスとホロのあま~い話ですが、後半の話は女商人エーブがお嬢様人生から転落して商人になる過去の話。
後半のエーブの話はかなり重い性質の内容で、読んだあとはそのエーブの過去の背景にうっ・・・となる感じ。
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狼と香辛料、本編に色を添える短編集2巻目読了しました。
①狼と黄金色の約束
②狼と若草色の寄り道
③黒狼の揺り籠
の三編収録。
③はエーブファン必読。
フルールという没落貴族の娘がエーブと名乗り商人として歩き始めるまでの経緯。
利益のみを追求する血も涙もない商人に怯え困惑し、人を信じることに喜びを感じ、想いを寄せた人物に裏切られ、名前の由来を始め本編に登場する商人”エーブ”を作った過去が垣間見えます。
短編にするには勿体無い展開とボリュームでした。
個人的には、オーラー、ベルトラと離れ、ロレンスと出会う直前までを長編で読みたかったかなと。一冊で終わる気もしませんが。
①と②はいわずもがなロレンスとホロのいつものやり取りで、おまけといった感じです。
そろそろチューの一つでもしないかなと期待しているのですが、素直になれない2人には期待損かもしれません。中二病ですみません。
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短編集。エーブの過去話が商人をよく表現してて面白いです。また彼女が出てる巻を読み返してみたくなりました。
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短編集その2。
ホロとロレンスの他愛もなく、ほのかに香る甘い香りな日常の一幕な話。
もう一つが、こちらがメインとなるのだろうが、エーヴの商人として駆け出しの頃の話。
エーヴとて最初から、ああも狡猾な商人だった訳ではなく、まだ貴族としての心を捨て切れない時期に商人として生きて行くことに少しせつなく、大きな決意をした話。
ホロとロレンス以外にも魅力的なキャラがいる作品なので、またこういった関連キャラのサブストーリーは読んでみたい。
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「狼と香辛料」の短編集。
*狼と黄金色の約束
*狼と若草色の寄り道
*黒狼の揺り籠
圧巻はなんといっても「黒狼の揺り籠」だろう。
女商人エーブの若き日の姿というか、彼女がいかにして女商人となったかという物語だ。
没落貴族として生まれ、金のために嫁ぎ、しかしその家も没するという運命に翻弄されてきた彼女が、自分の足で歩きだすためには、これほどの犠牲が必要だったのかと、あたらめて若い女が一人で生きることの難しさを感じる。
確かにこの物語はファンタジーだ。
けれど、中世ヨーロッパの世界観の骨組みをきちんと模しているところに、ゆるぎなさがある。だからこそ、女であることが生きにくさにつながっていく。
それを踏まえてのホロの人物造詣なのかもしれないと、はたと気付き、この奥深さがあるから惹かれてやまないのだと、納得した。
「狼と黄金色の約束」は、植民したての村に立ち寄った2人が巻き込まれる土地争いの話。
土地の確実な計量方法がないっていうのは、実に不便なことだなと、現代に生きるありがたみをちょっと感じたりする。
「狼と若草色の寄り道」は、他愛のない話。
でも、こういう他愛のない話で、ほのぼのと、そしてほっこりとさせられるのがこのシリーズのいいところ。あと、妙に知的好奇心も満足させてくれます。
…にしても、アニメの2期が始まるってことで、その宣伝が帯にあるんだが…。
ホロの顔違うよぉ。
1期と制作会社が変わるとかって噂聞いたんだが、どうやら本当らしい。でもって、すっごい嫌な感じなんですけどぉ。
しくしく。