紙の本
あなたの初恋はいつですか?
2010/11/17 13:21
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんにたまに行く。
でもそんなにお金の余裕があるわけでなく、
そういうときは薄い文庫本を選ぶ。
ジュンク堂にそのときはいたのだが、
岩波文庫の薄い本などを物色していた。
でも翻訳が古いものなどもけっこうあり、
結局、この『初恋』にした。
正直、「初恋なんて、今さら…」という感じはいなめなかった。
もう僕は27だ。
この小説の主人公は16歳で、中年になってからそのときのことを書き記しているという設定になっている。
でも最後まで読むとこれはこれでなかなか大人の読者に耐えうる小説だと思った。
16歳の少年はジナイーダという公爵令嬢に恋をする。
ジナイーダは少年よりもそれなりに年上という設定。
ジナイーダのうちは没落貴族のような感じで、お金がない。
で、その母親は少年の家に金の無心などに来るのだが。
途中まではさもありなん、という恋愛小説だ。
主人公は年上の女にひかれる。
その女の周りには主人公よりもずっと大人の男たちが群がっている。
でもそのジナイーダが恋に落ちた、ということが明らかになるあたりから、
小説はその趣を変える。
これ以上はここで小説の筋を紹介するわけにはいかないが、
正直、
「ツルゲーネフ、なかなかやるじゃん!」と思った。
(ちなみに本書では作者の表記はトゥルゲーネフになっている)。
沼野恭子さんの翻訳も読みやすくてよかったです。
今恋をしている人はもちろんですが、
かつて恋をしたことがあるすべての人におすすめします。
おすすめ!
紙の本
19世紀を代表するロシアの文豪ツルゲーネフが生涯で最も愛した作品です!
2020/05/11 11:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀に活躍したロシア帝国の貴族で、同国を代表する文豪として知られるイワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフの中編小説です。同作品は、半自伝的性格をもっており、ツルゲーネフが生涯で最も愛した小説と言われています。 内容は、40歳代となった主人公ウラジーミルが、自分の16歳の頃の初恋について回想し、友人たちに向けてノートに記した手記という形式をとっており、まだ若い主人公がコケティッシュなヒロインに弄ばれるなどの非道徳的な内容を詩的な美しい文章で描かれています。ぜひ、一度は読んでおきたい作品です!
投稿元:
レビューを見る
共感するかしないかよりも、作品の持つ空気を素直に感じてほしいです。主人公の感じた後ろめたさ、とまどいが、このうえなくまっすぐ描かれています。
投稿元:
レビューを見る
新訳でより瑞々しく、読みやすくなった。気がしなくもない。かな?
新潮から出てるものとあまり差が分からなかったけど、何度読んでも良い話。鞭打ちのシーンとラスト、祈りのシーンは何度読んでも背中に振るえが走ります。乱痴気騒ぎの、しかしあの上品で生ぬるい空気もたまらない。
投稿元:
レビューを見る
古典文学と身構えていたら大変読みやすかったです。訳者さんが良いんだね。しかし初恋の話にしてはひどすぎる結末。
投稿元:
レビューを見る
ツルゲーネフの代表作品。甘酸っぱさ100%です。すべての男性は少なくとも一度は同様の感情を得たと思いますね。
投稿元:
レビューを見る
恋の描写はいきいきとしていて、良い。微笑ましい。
しかし展開は冒頭から想定内といった感じで、
ストーリーのうねりといった楽しみはあまり期待できない。
投稿元:
レビューを見る
「初恋」という清廉な響きからはちょっと想像しない展開でしたが。でも、なんというか、トゥルゲーネフの若さへの憧憬のようなものが溢れている。彼が最後まで大事にしていた作品だというのがなんとなくわかるような気はする。個人的にはあんまり思い入れはできなかったけれども、もっと若い時に読んでいればまた違う感想を持ったかもしれない。(2008/Dec)
投稿元:
レビューを見る
http://coco6calcio.blog96.fc2.com/blog-entry-176.html
投稿元:
レビューを見る
古典だから展開が相当最初の方でわかってしまうんだけど、でもとても読みやすかったし普通に面白かったなあ。散りばめられた社会風刺も良いです。「初恋」ならではの瑞々しさとか切なさとかは時代を超えて永遠ですね。
投稿元:
レビューを見る
旧訳版をよんだのだけれども
新訳版も読みたいと思う。。
いつの時代も初恋というものは
淡くせつないものなのだろうか・・・?
投稿元:
レビューを見る
少年の初恋の体験を平易な語り口で綴っていく。
内容は恋の経験がある者なら誰でも共感できるものになっており、ついつい主人公に感情移入してしまう。
物語は淡々と進んでいくが、意外な結末が待っている。
投稿元:
レビューを見る
主人公と同じ16歳のときに読んだ思い出の本。
当時は新潮文庫で読んでましたが、今回は新訳版で久々の再読。
投稿元:
レビューを見る
展開は予想通りでした。まあ冒頭の説明がきっちりしすぎてるあたり、意味深だわな。あとジナイーダの好みに当てはまる男がひとりしかいない(笑)
まあ謎解きじゃないんでそれは置いておいて、恋の痛手を早くからプラス吸収している主人公は素直ですね。もっと頭でっかちな子だと、子ども扱いだとかやむにやまれぬ理由での失恋で自我をいためつけられてるように感じて、傷口が膿むような展開になりそう。私の読書方向がそっちに偏ってるからか、ちょっと不思議な感じがしました。
最初のキラキラ感はかなり好き。若者の心情描写が巧い文章は瑞々しくて、受容するのが楽しい。心にも(体表における五感のような)感覚器官があるとしたら、鈍ってたそいつを刺激して、少しの冷たさやら痛さや気持ちよさを敏感に拾えるようにしてくれるというか。自分がいかに普段にぶーく生きているかよくわかります(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
面白かった。著者の体験がかなり反映されてる、ということだったけれども、それが事実ならすさまじい。初恋の相手も、彼らを取り巻く人間関係も、どれをとっても、とりわけ16歳の少年にとっては壮絶だろうと思う。
全てが分かった後に冒頭部分を読むと、ウラジーミルが多感な時期に受けた衝撃の大きさが読み取れるような気がした。