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同時代ゲーム(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー30件

みんなの評価3.7

評価内訳

30 件中 1 件~ 15 件を表示

故郷のムラへの愛と、画一化を強いる権力への反発をコテコテに描く

2008/09/30 14:28

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時制がばらばらで、読みにくいこと極まりないが、がまんして字面を追っているうちにひきこまれ、時間をかけて読んでしまった。
 メキシコの大学で教える「僕」の今からはじまるかと思えば、故郷の「村=国家=小宇宙」が何百年か前に成立する神話に飛び、「僕」の子供のころの体験に移り、「村=国家=小宇宙」が長らくの鎖国が破られて藩に吸収される場面にかわり、第2次大戦前夜「50日戦争」によって大日本帝国に徹底抗戦する場面に飛ぶ。
 「村=国家=小宇宙」の現場は大江の故郷の大瀬村(現内子町)であり、彼が描く神話の世界は実際に先祖代々伝わってきたものを素材にしており、その神話世界をつぶす巨大な力として大日本帝国があり、天皇がある。
 あるいは文化大革命を暗喩するような記述もある。柳田国男の影響か、民俗学的な逸話もふんだんにもりこまれている。
 たしかなのは、故郷の村と森への限りない愛情と、画一化という形でそれを踏みにじる力への反発であろう。それが天皇権力だろうと高度成長だろうと。
 文学も宗教も民俗学も哲学も歴史も、何もかもをコテコテに詰めこんで、混ぜ合わせてつくったような作品であり、大江自身の思想の遍歴と混乱と成長を時制を無視して詰めこんだような印象を覚える。

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「大きな仕事」

2010/05/15 20:38

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江健三郎『同時代ゲーム』を読み終わった。
「大きな仕事」だった。
内容としては、主人公が、双子の妹に向けて、自らが生まれた「村=国家=小宇宙」の神話と歴史について書き送る、という内容だ。
全てが手紙の文面である。
最初は、いささかとっつきづらく感じたが、語り(ナラティブ)の巧みさによって、次第に没入して読んでいくようになった。
主人公の書く「村=国家=小宇宙」の神話と歴史は、「壊す人」に導かれた「創建期」から「自由時代」をへて、「自由時代の終わり」、そして、藩権力への反抗、大日本帝国への反抗、戦後の主人公の兄弟たちの人生にまで及んでいる。
つまり、「村=国家=小宇宙」のはじまりから「現在」まで語られていることになる。
しかし、それが一直線に順序だてて描かれているわけではない。そうだとしたら、この作品はもっと退屈なものになっただろう。そうではなく、「村=国家=小宇宙」の神話と歴史が語られていると思うと、次には主人公のメキシコでの性体験が語られたりする。そして、兄である主人公と双子の妹との過去の話も語られる。そして、そういうもの全てを含めたものが、「村=国家=小宇宙」の神話と歴史なのだ。

この作品に対して、「文化人類学を文学に持ち込んだだけの退屈な作品」という評価があるようだが、まったくの的外れだろう。以下に書き記すのは僕が『同時代ゲーム』を読んでいる間に取ったメモである。あまり長いものではなく、またそれぞれが有機的につながっているものでもない。ただ、この「大きな作品」に対しては、真正面から論じるだけの力が僕にはなく、ただ、「感想の断片」のような小文を載せることで書評としたい。

メモ1
…語られるのは、双子の兄から妹への手紙の内容であり、それは全て、村=国家=小宇宙に関することだ。その意味では極めて限定された小説と見えるかもしれない。狭い範囲しか扱っていないという意味合いにおいて。しかし実際には違う。あたかも人間の細胞を電子顕微鏡で見るように、そこには、無限の〈小宇宙〉が広がっている…

メモ2
…おそらく僕が非フィクションの文章を書くという欲求を刺激されたのは、本書の、村=国家=小宇宙の神話と歴史を書く者としての主人公に影響されてのことだと思う。そしてこの作品においては、兄から妹への手紙という形で、その「村=国家=小宇宙」の神話と歴史そのものが語られるのだから…

メモ3
「兄」は主に伝承にもとづいて、村=国家=小宇宙の神話と歴史を描く。伝承というのは、人々の口から口に伝えられた話という意味で、フィクションか非フィクションかカテゴリー分けが単純にはできないものだ。そこには、フィクションも非フィクションも含まれているだろう。だからこそゆえに、『同時代ゲーム』は豊潤な内容を持ちえている…

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特異な想像力による壮大な神話

2002/03/13 14:22

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:めのこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 約600ページかけて語られるのは、四国の山奥を舞台にした神話である。「壊す人」を中心にした村=国家=小宇宙の創建と自由時代、大日本帝国との五十日戦争…。物語は、父=神主に土地の神話を語る者として教育された主人公の、双子の妹への手紙として展開される。
 民話や文化人類学に興味のある人なら深読みできるだろうし、壊す人、アポ爺、ぺり爺、オシコメ、シリメ、巨人化した人々、無名大尉など、不思議で魅力ある登場人物は、単純に物語としても楽しませてくれるだろう。

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2004/11/30 06:23

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2008/08/22 21:21

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2010/05/11 12:34

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2022/03/26 21:49

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2012/10/23 07:31

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2013/04/06 15:27

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2013/06/29 09:09

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