密室モノの最高位
2021/01/31 08:00
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれもナイスなんだけと、ベスト3あげるならば、妖婦の宿、影なき女、白雪姫、の三作品かな?特に妖婦の宿は、読者への挑戦があるので、これから読まれる方はぜひ犯人当てやってみてください!
日本のミステリ史上に残る名短編「妖婦の宿」収録
2020/05/31 18:34
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本三大名探偵の一人神津恭介の短編集(ちなみにあとの二人は明智小五郎と金田一耕助)。タイトルどおり、密室ものを集めた一冊です。
「白雪姫」「月世界の女」などもいいですが、やはり白眉は巻末を飾る「妖婦の宿」でしょう。
第1回探偵作家クラブ新年会での犯人当てゲームとして「妖婦の宿」は発表されましたが、そのとき、名だたるミステリ識者たちの中で、犯人を当て密室の謎を見破った完全正解者は一人もいなかったという伝説の短編です。といっても、決して手がかりが不十分なアンフェアな作品ではありません。是非あなたも、この稀なる傑作の謎解きに挑戦してみてください。
眉目秀麗、白面の貴公子探偵!
2015/05/10 23:44
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投稿者:翠香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神津恭介傑作セレクション。6つの短編が収録されています。
いずれも密室を扱ったものなのですが、中にはこれが果たして密室か?というものも。
「密室」を広義でとらえたセレクトになっているようです。
秀逸なのは『妖婦の宿』。読者への挑戦付きです。犯人は当てられなかったけれど、楽しめました。
文章も堅苦しくなく手軽に読めますので、このシリーズを未読なら足掛かりに読んでみてはいかがでしょう。
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傑作セレクションと銘打たれた短篇集。ナンバリングされているので続きも出るようだ。
密室ものが6本収録されている。
『白雪姫』『妖婦の宿』が面白かった。
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神津恭介が活躍する短編集。
全編密室ものです。
【白雪姫】
密室物ですがトリックよりもプロットの上手さが光っていると思う。
雪国に向かう列車内で偶然居合わせた白雪姫のように美しい女性という出だしも幻想的でいい。ラストの風景も素敵だった。
双子の登場によって当然入れ替えトリックが浮かびますが、それを逆手にとって二転三転する展開もおもしろいです。
しかし、神津恭介はちょっとうっかりだったんじゃないでしょうか。
人を疑う以上迂闊なことは言えないというのは分かりますが、、新たな事件発生を予期しながらもそれを誰にも伝えず、防げなかったのはひどい。
寒くて疲れてたから彼を責められない、っていわれても。
【月世界の女】
竹取物語のように、自分は月に帰らねばならないという美しく聡明な女性の消失事件。聡明な女性ということですが、あんな意味不明な言動をする人に対して警戒心や不信感を抱くのは普通の反応ではないでしょうか。これが彼女の為になったのが疑問。
神津に対してこの石木め!絶交だ!と理不尽にあたったかと思えば、言を弄して事件を解明させようと呼び出す松下くんのわがままっぷりがかわいい。
消失トリックは状況を見れば自明。
【鏡の部屋】
消失トリックは単純ですが、かつて女魔術師が住んでいたといういわくつきの鏡の部屋での手品でおもしろいです。
あの人がなぜ新聞社に電話したのかが分かりませんでした。
【黄金の刃】
四次元がどーたらこーたら言っているわりに単純なトリックだと思ったものの、この言動が最後にあのような形で思い出されるのが哀しい。
最後の被害者はもうちょっとなんとかして救ってもらいたかった。
【影なき女】
次々と起こる事件がすべて密室殺人。その不自然さにもしっかり理由があり好感です。
「影なき女」という不気味な存在が全体に不穏な空気を与えており楽しい。
前半は神津が登場せず、別の探偵が活躍するのでどうなるのかと思っていましたが、こんな真相だったとは。
内容の濃い短編でとてもおもしろかったです。
【妖婦の宿】
途中で読者への挑戦が挟まれる本格ミステリ。
殺人予告ともとれる不気味な蝋人形の登場、限定された容疑者、見張られていた現場。なんとも楽しい状況です。
事件が起きる前から神津がついていながらの惨事、そこからの華麗な推理とお決まりのパターンですが、ここからまさかまさかの展開になりました。
真相への手掛かりはあからさまではあるものの、まさかね、ということが本当だったのでびっくり。
○○○○トリックがこんな形で使われるなんておもしろいです。
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密室もの、短編集です。
じっくり一つの大事件を読んでゆくのと違ってこのような短編集で謎だけを追ってゆくのもまた、ミステリーファンの別な意味での楽しみなのでしょう(客観視)
読んで思ったのは短編ミステリーはやっぱり苦手かも。
お勧めいただいた「妖婦の宿」脳内にイイ男が二人登場した時点でもしや、と思わされるところもありましたが、真相は見抜けませんでした。
ミステリーを「犯人を当てよう!」という意気込みなしで、ただ、まくし立てるようにストーリーを追ってゆくような読み方をしては蛇道でしょうか?
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『白雪姫』
呪われたハナレで5日間を過ごせば10万円を貰えるという賭けをうけた緑川鋭二。兄・源一の家のハナレで賭けの最終日に何者かに殺害される。雪の上に残されていない足跡。鋭二の妻・幸子と源一の関係。かつての婚約者だった2人。犯行時刻にアリバイの無い幸子。同じ密室で死んだ源一が残した手紙。
『月世界の女』
松下研三の宿泊するホテルにとまる美しい元子爵家の娘・月子と友人の久子。月子と別行動する久子。月子の3人の求婚者がホテルに現れた夜消えた月子。月子に対する3人の求婚者の気持ち。
『鏡の部屋』
昭和初期の女マジシャンの屋敷を買い取った日下健蔵。新聞社にかけられた犯行予告の電話。健蔵の妻・梨枝子が鏡の部屋と呼ばれる部屋で起こす奇跡。消えた梨枝子。翌日鏡の部屋で遺体となって発見された梨枝子。妊娠していたが夫・健蔵の子である可能性がない。健蔵の海外赴任中の不義。
『黄金の刃』
「四次元の男」と名乗る石山雅信。四次元の力で殺人を予告する石山。石山が旅行中に石山の家で死んだ男。男の指に残された傷。男と石山の妻の不倫の証拠の手紙のありかに隠された秘密。
『影なき女』
探偵・相良の事務所を訪れた女。森島信太郎という高利貸の殺害を予告する。密輸ダイヤの取引中の死。盗まれたダイヤ。消えた謎の女。同じ状況で実験を行う相良。影なき女に変装した署員。再びダイヤは盗まれ殺害されていた森島役をしていた秘書の浜田。相良の助手の日下の妻を妾としている相良。同じく女が訪問している間に殺害される相良。
『妖婦の宿』
ホテル支配人小関の手記。ホテルの経営者の愛人・八雲真利子。ホテルを訪れていた神津恭介。トランクに詰められてナイフを刺された状態の人形が送り届けられる。3人の男性が交代で扉の前で番をすることになったが・・・。殺害された真利子。真利子に捨てられ自殺した京極元子爵の弟の存在。神津恭介の正体。
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うう、文体が古い。同時に読んでるキリスト教文学の世界もだけど、じっくり読まないと染み込んでこないのだ言葉が。ぴゅーっと読めないのが悪いのではなくて、いつも上辺だけで読んでたのではという気がしてくるから不思議。これも良いかもね(^◇^)
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傑作セレクションと銘打っているだけあり、6編の高純度の密室モノが読めます。
冒頭を飾る『白雪姫』は陳腐なトリックの裏に隠れた罠にしてやられました。張られた伏線がミスディレクションにもなるという素晴らしい逸品。
続く『月世界の女』『鏡の部屋』『黄金の刃』の3編は巧さは感じるものの、構造自体は単純。
そして『影なき女』の捻くれたプロットでまたもや騙され、ラストの傑作『妖婦の宿』で高木彬光の凄さを再認識。犯人当てミステリを語るときには外せない作品だと思います。意外な犯人を突き詰めたエドマンド・クリスピンの『誰がベイカーを殺したか』ほど意地悪ではないので、違和感を拾っていけば、必ず正解へとたどり着けます。
初めての高木彬光としてもオススメです。
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う~ん、文体や人物造形が古い……。
ミステリとしては、特に密室ものの短編集なので、トリックはおもしろいものが多い。「白雪姫」「影なき女」「妖婦の宿」あたりのトリックは出色。それでも、話にすんなり入っていきにくかった。
名探偵が眉目秀麗、多分野の天才で冷たい貴公子、という設定は、高木彬光氏が先駆者だったのか。それなのに、どうも神津名探偵が陳腐に感じられてしまった。
さまざまな名探偵像に触れて、読み手側がスレてしまったのだろうなぁ。日本の三大名探偵の順に読んでいたら、神津恭介のことも大好きになっていたかもしれない。
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かつて(いまでも)日本を代表する名探偵であった神津恭介を主人公とする短編集。タイトルのとおり、密室殺人事件が並んでいる。
今読んでみると文体や人間の描き方、道具立てにさすがに書かれた時代を感じさせる。だけど全体としてすっきりと端正に感じられるのは、名探偵神津恭介のイメージでもあるし、小説内で描かれる謎解きのクリアーさのためだと思う。そういったあたりは全然負来るなっていないばかりか、逆に新鮮で驚く。
6編の短編集の中に、ミステリの典型的なアイデアが見本市のように並んでいて面白い。特に最後の2編は、稚気が感じられるほど作者が楽しんで書いたんじゃないかなって思う。時々でてくる機械的トリックはノスタルジックな感じがしてしまうけれど、わかりやすく楽しいミステリをして、まだまだ現役だなって思う。
それにしても神津恭介、眉目秀麗、頭脳明晰なんて紹介されているけど、やりすぎだ!と言いたくなるくらい、絵に描いたような名探偵ぶりでおもしろい。
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白雪姫★★★
月世界の女★
鏡の部屋★
黄金の刃★
影なき女★★
妖婦の宿★★★
本格ミステリに飢えていた時代には面白かったかもしれませんが、やはり今読むと、世界観や人物の考えかた、トリック等、古い感じはしてしまいます。
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神津恭介シリーズ6編の短編集。
私は事件が起きるたびに、えっ?えっ?と翻弄された「影なき女」とあっ!と驚く「妖婦の宿」が好き。
自分で推理するのは苦手なので、毎回予想を裏切られるペーペーなので、きっと慣れてる人にはわかりやすいであろう展開も楽しめました。
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神津恭介シリーズ。短編集で過去に読んだものもあったが楽しめた。表題通り密室トリックがメインであるが、トリック自体は単純でも、それが解けたところで犯人がわかるわけではない、人ひねり入れてくるところが作者のうまさを感じられた
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密室をテーマにした事件を集めた短篇集。「白雪姫」「月世界の女」「鏡の部屋」「黄金の刃」「影なき女」「妖婦の宿」の六編を収録。
なかでも「影なき女」と「妖婦の宿」が秀逸で、とくに「妖婦の宿」はたくみなミスリードと思い込みを利用したトリックが見事。